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#04
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『さぁさぁレッドゾーン突入だ。気をつけろよぉ。気をつけろ!!こいつらは一筋縄じゃあ倒せねぇ!!』
レッドゾーン…。退場、をすぐに思い浮かべる人も居るであろうその単語を美紅は初めて聞いた。いろんな被害を受けた家は、形状を保っているものの、家具や襖などの仕切りなどは毎年ボロボロだ。参加者以外はとっくに席を外し、別の部屋や外に避難している。
なんだろう、とドキドキしながら駒を見ていると、急な爆発音と共に部屋中を白くするような大量の煙に視界を奪われた。
巨大な影が動く。煙が晴れた時に目の前に現れて居たのは...。
「鬼!!?」
全員が息を合わせて叫んだ。
赤黒く毒々しい色の鬼が、すごい形相でこちらを見ている。手には丸太のような棍棒。ギョロッとした目が一段と不気味さを増す。
「これ倒せってのかよ!?...もう何とでもなれ!水鉄砲発射ー!!!!」
妃水が叫ぶのと同時に、指で拳銃の形を作り、鬼目掛けて物凄いスピードで乱射する。集中的に足元ばかり狙ったのがよかったのか、鬼は足を踏み出そうとして、よろめく。その時、とっさに壁に手をつき、家は地震が来たかのように揺れた。
「鞭水打!」
揺れに動じることなく、妃水は水で出来た鞭で鬼の足を掬う。鬼は投げ出され、障子は割れ、吹き飛ばされた。
よしっ、と妃水がガッツポーズを決めた、次の瞬間、油断していた。妃水目掛けて鬼が持っていた棍棒が投げられる。一瞬、車が突っ込んできたかと思うようなそのスピードに、適うはずもない。棍棒は妃水の腹にクリーンヒット。そのまま奥の襖へ飛ばされ、襖はなぎ倒された。
叩きつけられた妃水は思わず、胃液を吐き出し、その場に踞る。
「グォォガルゥゥ…。」
その姿を見ていた翔歌が唸り、鬼向かって飛び掛る。双六のせいで呪文は唱えられず、何も出せない翔歌は素手のまま鬼へ攻撃をするが、すぐに叩き落とされてしまった。
「サンシャイン・マジカルッ!!」
その2人の状況を見た詩織が、呪文を唱える。笛のような弟と共に光がフヨフヨといろんなところに出てきて詩織の傍をうごめく。
「しぃちゃん、何してるの?」
「見ててね、美紅ねぇ。」
美紅の問いかけに、ニヤッと笑う詩織。手をヒラヒラさせて、光を操る。次々と集まってきた光は、どんどん大きくなり、大きな光の玉になった。その光は太陽のように眩しく、直射日光を浴び続けるように熱い。
「発射!!」
ビシィッと鬼に向かって指差し、詩織が叫ぶ。光の大きな玉は勢いを増し、鬼向かって飛んでいく。
自分だけなにもしないなんて、悔しくて、思わず剣を握る美紅。あ...と小さく呟く。
これなら...いけるかも!
「風切摩ッ!!」
件を思いっきり振るって小さな竜巻をいくつも作る。風を受けた光の玉は、酸素を得た炎のように、どんどん熱くなり、そのまま鬼にぶつかった。赤黒く毒々しい色はどんどん光に飲み込まれていく。光はバチバチと火花を散らし、その火花は倒れた障子に引火してしまった。
「やっば!...水流落!!!!」
いち早く引火した事実に気づいた妃水は、残りの体力を振り絞り、空に手をかざした。辺り一面、スコールに包まれる。
よかったー...。
ふぅ...と溜息をつき、へたり込む。双六を楽しみにしていた詩織もさすがに、家が燃えてしまうんじゃないかという、焦りで顔を強ばらせていた。鬼も狼も平気だったくせに...。心の中でついツッコむ。
「妃水、ありがとう。翔歌、大丈夫?起きて!!」
妃水に目配せしながら、床に伸びてしまっていた翔歌の頬をぺちぺちと叩く。「んぁ...」と目を覚ます翔歌。
次のターンで誰かが【上がり】になる可能性が出てくる。みんなが終わる前に翔歌のために『1』を出さなくては...。双六が終わっても呪いは解けない。
「次、しぃちゃんの番だよ。」
うつむき加減の詩織に、サイコロを渡す。さっきまで嬉しそうだった詩織も、顔に笑顔はない。美紅から黙ってサイコロを受け取り、振る。
トン、トン...と動く駒にみんな目を奪われる。次は何が起こるのか。
『パンパカパーンッ!サップラーイズ!!』
レッドゾーン…。退場、をすぐに思い浮かべる人も居るであろうその単語を美紅は初めて聞いた。いろんな被害を受けた家は、形状を保っているものの、家具や襖などの仕切りなどは毎年ボロボロだ。参加者以外はとっくに席を外し、別の部屋や外に避難している。
なんだろう、とドキドキしながら駒を見ていると、急な爆発音と共に部屋中を白くするような大量の煙に視界を奪われた。
巨大な影が動く。煙が晴れた時に目の前に現れて居たのは...。
「鬼!!?」
全員が息を合わせて叫んだ。
赤黒く毒々しい色の鬼が、すごい形相でこちらを見ている。手には丸太のような棍棒。ギョロッとした目が一段と不気味さを増す。
「これ倒せってのかよ!?...もう何とでもなれ!水鉄砲発射ー!!!!」
妃水が叫ぶのと同時に、指で拳銃の形を作り、鬼目掛けて物凄いスピードで乱射する。集中的に足元ばかり狙ったのがよかったのか、鬼は足を踏み出そうとして、よろめく。その時、とっさに壁に手をつき、家は地震が来たかのように揺れた。
「鞭水打!」
揺れに動じることなく、妃水は水で出来た鞭で鬼の足を掬う。鬼は投げ出され、障子は割れ、吹き飛ばされた。
よしっ、と妃水がガッツポーズを決めた、次の瞬間、油断していた。妃水目掛けて鬼が持っていた棍棒が投げられる。一瞬、車が突っ込んできたかと思うようなそのスピードに、適うはずもない。棍棒は妃水の腹にクリーンヒット。そのまま奥の襖へ飛ばされ、襖はなぎ倒された。
叩きつけられた妃水は思わず、胃液を吐き出し、その場に踞る。
「グォォガルゥゥ…。」
その姿を見ていた翔歌が唸り、鬼向かって飛び掛る。双六のせいで呪文は唱えられず、何も出せない翔歌は素手のまま鬼へ攻撃をするが、すぐに叩き落とされてしまった。
「サンシャイン・マジカルッ!!」
その2人の状況を見た詩織が、呪文を唱える。笛のような弟と共に光がフヨフヨといろんなところに出てきて詩織の傍をうごめく。
「しぃちゃん、何してるの?」
「見ててね、美紅ねぇ。」
美紅の問いかけに、ニヤッと笑う詩織。手をヒラヒラさせて、光を操る。次々と集まってきた光は、どんどん大きくなり、大きな光の玉になった。その光は太陽のように眩しく、直射日光を浴び続けるように熱い。
「発射!!」
ビシィッと鬼に向かって指差し、詩織が叫ぶ。光の大きな玉は勢いを増し、鬼向かって飛んでいく。
自分だけなにもしないなんて、悔しくて、思わず剣を握る美紅。あ...と小さく呟く。
これなら...いけるかも!
「風切摩ッ!!」
件を思いっきり振るって小さな竜巻をいくつも作る。風を受けた光の玉は、酸素を得た炎のように、どんどん熱くなり、そのまま鬼にぶつかった。赤黒く毒々しい色はどんどん光に飲み込まれていく。光はバチバチと火花を散らし、その火花は倒れた障子に引火してしまった。
「やっば!...水流落!!!!」
いち早く引火した事実に気づいた妃水は、残りの体力を振り絞り、空に手をかざした。辺り一面、スコールに包まれる。
よかったー...。
ふぅ...と溜息をつき、へたり込む。双六を楽しみにしていた詩織もさすがに、家が燃えてしまうんじゃないかという、焦りで顔を強ばらせていた。鬼も狼も平気だったくせに...。心の中でついツッコむ。
「妃水、ありがとう。翔歌、大丈夫?起きて!!」
妃水に目配せしながら、床に伸びてしまっていた翔歌の頬をぺちぺちと叩く。「んぁ...」と目を覚ます翔歌。
次のターンで誰かが【上がり】になる可能性が出てくる。みんなが終わる前に翔歌のために『1』を出さなくては...。双六が終わっても呪いは解けない。
「次、しぃちゃんの番だよ。」
うつむき加減の詩織に、サイコロを渡す。さっきまで嬉しそうだった詩織も、顔に笑顔はない。美紅から黙ってサイコロを受け取り、振る。
トン、トン...と動く駒にみんな目を奪われる。次は何が起こるのか。
『パンパカパーンッ!サップラーイズ!!』
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