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#03
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「アルが課題ちゃんと出来たよって、先生に早く教えてあげたくて。絶対喜んでくれるって!」
「そんなの5日もすれば学校も始まるんだし、何も明日行かなくてもいいだろ。父さんだって帰ってくるかもしれない。」
「でも、いつもみたいに帰ってこないかもしれない。…教えてあげたいじゃん。夏休み終わり頃になるまで、手もつけられなかった課題が終わったんだろ?」
リリーに反論してもすぐさま、横からユノがリリーに応戦する。帰ってこないかもしれない。という、ユノの言葉にドキリとした。僕は2人が一緒になるといつも言葉でも魔法でも勝てない。
「それだって、ユノが手伝ってくれたから…」
少しでも反論したい気持ちについ、情けなくなってそっぽを向いてしまった。教師の息子だと言うだけで、目立ってしまうのに、それがこんな落ちこぼれなもんだから、学校でも変に有名になってしまった。
教師である父は、よく生徒に慕われる優秀な魔法使いだというのに。
「俺の課題もアルが居なきゃ出来なかったんだから、そんなことで引け目感じんなって。」
気に登ってきたユノにグッと僕の腕を引っ張られた。グラッと体のバランスを崩したが、倒れずに済む。落ちこぼれの僕を、気にせず対等に扱ってくれるユノのおかげで気持ちが少しだけ、軽くなった気がした。本当にユノには敵わない。
じゃあ、また明日。この木の下で集合しようという話でまとまり、そのまま僕たちは解散した。
家に着くと、リリーが吹き飛ばしてしまった、家の窓だった場所がやけに目立っていた。しかしこの世界では、そんなに変わった光景でもないので、近所の人たちは皆、気にもとめない。
(どうやって元に戻そうかな…)
召喚魔法しかまともに使えない僕には、治す術がない。家の修理は全て父がやってくれている。…でもユノが言う通り、今日ちゃんと帰ってくるとも限らない。
(とりあえずこの辺の布でも被せておけばいいか。)
床に敷いていたラグや、制服のマントなど、布地の多い物を選び、寄せ集める。そして家の穴を隠すように、布地を被せた。
ふぅ…と息をつく頃には、腹も減り、布から差し込む光も無くなっていた。家の中は薄暗く、人の居ないこの空間は寂しさを感じさせた。
僕は灯りをつけないまま、魔導書の入った鞄を部屋の隅に放り投げ、昼間ユノが寝転んでいたベッドへ身を投げ出した。
(お腹空いたな…)
食べるものあったかな、と考えるが、いつも以上に魔法を使った体は、僕が思う以上に疲れ切っていた。体を起こすことすら面倒くさく感じさせる。
気が付くと、布を被せた隙間から朝日が漏れていた。
(朝…?)
結局、食いっぱぐれてしまった。父も帰って来た様子はどこにもない。目を擦り、体は起こしたものの、頭が全然働かない。何か約束があった気がする…。なんだったかな。思い出そうと、頭をフル回転するが、眠気が襲う。
ウトウトとしていると、静寂を破るように腹が鳴った。
(何か食べるか…。)
仕方なくのそのそと動き出し、冷蔵庫に手を伸ばす。中には野草や、ブツ切りにされたルルクの肉が入っていた。
(ルルクなら食べれるか。)
フライパンを棚から引っ張り出し、火で熱する。ブツ切りのルルクと、野草の中でもサッパリとした味のものを選んで、炒める。最後にピリッと少しだけ舌を刺すような刺激を感じる粉をかける。
この世界で料理をしようとするのは、とても珍しいらしく、ちゃんとした作り方の載った本はほとんど売られていない。みんな、魔法を使って何かしら作れるということなのか…。家の中でしか調理をしないため、他の人たちがどうやっているのか、実の所は何も知らない。
ある程度、火が通った食材を、フライパンのままテーブルに持っていく。我ながらいい出来だ。
(あ、そうか。今日はユノ達と父さんのとこに行くんだった。)
咀嚼をしていると、だんだんと頭が起きてくるようだった。約束も思い出せたことだし、急いで飯を終わらせ、着替える。時間が決まっているわけではないが、待たせてしまうのは気が引けた。
使ったものを洗い、いつもの鞄を斜め掛けして、ほうきを掴む。布をめくり、ほうきに跨ると、そこから下に飛び降りるように、地面を蹴った。宙にふわりと浮く感覚を掴む。
(そういえば昨日から玄関使ってないな…。)
そんな当たり前のことを思いながら、昨日のケーラの実がなる木まで飛ぶ。今日はいつもより真っ直ぐ飛べている気がする…。周りを飛ぶ人たちから、変な目線もない。
(ふふ…)
ケーラの木の幹まで辿り着くと、ついつい、笑みが零れた。ここまで上手く飛べたこと、ただそれだけでも嬉しかった。透き通った風がとても気持ちが良い。
「アル、お待たせ!」
「早く行こう!!」
前からユノとリリーが飛んでくる。僕の前まで飛んでくると、2人はその場に浮いたまま止まった。「ほら。」とユノに促されて、ケーラの木に立て掛けていた自分のほうきに手を伸ばした。ほうきに跨り、木を蹴り飛び降りるが、グラグラとバランスを崩す。
(全く…敵わないよな。)
さっきまでの順調だった飛行が嘘のようだった。少しばかり、ガッカリしてしまう。
そんな僕の様子に気付いているのか、気付かないでいるのか、ユノとリリーは何も変わる様子もなく、「行こうか。」と一緒に学校へ向かって飛ぶ。
学校は谷底の崖の壁を抜けたところにある。入園のパスポートを持っていない人物は壁を抜けることさえ出来ない壁だ。パスポートを忘れたり、無くしたりすると学校に入れないどころか、下手すると退学処分だ。僕たち生徒はほうきの先にパスポートを括り付け、常に外さないようにしている。成人と生徒を見分ける時はほうきを見れば一目で分かるというわけだ。
(うわ…とっとっとっと……わわわ…なんでまっすぐ飛ばないんだよ!)
グラグラとバランスが取れずに、進む僕を、ユノもリリーも笑わずに、ペースを合わせて近くを飛んでくれる。
「アル、少しだけ魔法かけてやるよ。」
そう言うとユノは、自分の杖を懐から取り出し、今にもほうきから落ちてしまいそうな僕に向かって杖を振り、呪文を唱える。キラキラと小さな粒子が僅かに飛んできたかと思うと、今までグラグラしていたほうきは、真っ直ぐに飛び始めた。
「どうやったの?」
「ほうきに大丈夫だよ。って教えたげたんだ。お前、先生に会いたくないんだろ?不安でほうきが、学校に向かって飛んでいいのかわかんなくなってたぞ。」
そうか。グラグラしてたのは僕の気持ちのせいだったのか。ほうきがそんなに持ち主の気持ちに左右されるなんて、知らなかった。授業でも聞かないということは、それは魔法使いにとっては根本にある常識ということなのか。もしかしたら、すっかり忘れているだけで、僕も父にほうきを買ってもらった時に聞かされていたのかもしれないが、全く記憶にない。
「ごめん、ありがとう。」
「いい報告をするんだもん。怖がらなくても大丈夫だよ。」
風にツインテールを靡かせて、リリーは僕のほうきと並走する。実の父親に会いに行くのに、何故こんなに不安定になってしまうのだろう。
「よし、行こうか。」
ユノの声に、気を引き締める。崖の壁に向かって飛び込むのは、何度やっても緊張してしまう。
「よーーし!!」
そんな中、真っ先にリリーは飛び込んで行く。いつも楽しそうに、嬉しそうに通学する姿が、僕にとってはとても羨ましい。悩みがないなんて、思わないが、少なくとも魔法を学ぶことが好きなのだろうと感じる。
(そういえば…夏休みだからと、みんな私服で来てしまったが、制服を着なくても大丈夫だったかな。)
「アルが先に行きなよ。」
そんな僕の疑問を、考える余裕もなく、促される。ユノはリリーの入っていった壁を見つめて、なかなか入れないでいる僕の背中を、トンと押す。虚無の壁を見つめていると、服の心配なんて一瞬で忘れてしまった。そんな事より、途中でほうきが止まってしまったらと思うと、怯んでしまう。何度やっても、慣れることはないかもしれない。
「大丈夫だから。」
いつまでも動けない僕に、ユノは強めに、念を押した。ユノの芯の強い瞳と目が合う。
僕は頷くと、意を決して、壁に向かって進んだ。
(要は気の持ちようだと、さっき知ったじゃないか。大丈夫。ちゃんと今回も学校まで飛べる。)
壁にぶつかる瞬間、目を閉じた。しかし、その衝撃は感じることなく、ほうきはぐんぐん前へ進む。違和感を感じながらも、恐怖で目を開けることが出来ない。飛ぶ勢いが弱まったのを感じ、ゆっくりと目を開くと、そこは見慣れた場所だった。
薄暗い空気の中、城のような大きな建物がそびえ立ち、2つの背の高い塔が左右にどっしりと構えている。下には軽く数メートルはありそうな大木が生え、その幹が建物を支えている。幹の更に下には、小さな集落のように見える建物がちらほらと建っていた。
この城のような建物が、僕たちの通うティズマヤ学園だ。
「ほら、行けただろ?」
後ろからの声に、咄嗟に振り返る。
ニヤッと笑うユノがいた。後ろでハーフアップに束ねた薄茶色のサラサラの髪。片方だけ髪から出ている耳元で光る赤い宝石が、薄暗いこの空間でもとても目立つ。
「ありがとう、ユノ。」
「アルー!ユノー!」
ユノに向かって微笑むと、同時に前方下の方からとても聞き馴染みのある大きな声がした。声のする方を向くと、リリーが校門の前で大きく手を振っている。
僕たちは顔を見合わせ、急いでリリーの方へ飛んで行った。
「そんなの5日もすれば学校も始まるんだし、何も明日行かなくてもいいだろ。父さんだって帰ってくるかもしれない。」
「でも、いつもみたいに帰ってこないかもしれない。…教えてあげたいじゃん。夏休み終わり頃になるまで、手もつけられなかった課題が終わったんだろ?」
リリーに反論してもすぐさま、横からユノがリリーに応戦する。帰ってこないかもしれない。という、ユノの言葉にドキリとした。僕は2人が一緒になるといつも言葉でも魔法でも勝てない。
「それだって、ユノが手伝ってくれたから…」
少しでも反論したい気持ちについ、情けなくなってそっぽを向いてしまった。教師の息子だと言うだけで、目立ってしまうのに、それがこんな落ちこぼれなもんだから、学校でも変に有名になってしまった。
教師である父は、よく生徒に慕われる優秀な魔法使いだというのに。
「俺の課題もアルが居なきゃ出来なかったんだから、そんなことで引け目感じんなって。」
気に登ってきたユノにグッと僕の腕を引っ張られた。グラッと体のバランスを崩したが、倒れずに済む。落ちこぼれの僕を、気にせず対等に扱ってくれるユノのおかげで気持ちが少しだけ、軽くなった気がした。本当にユノには敵わない。
じゃあ、また明日。この木の下で集合しようという話でまとまり、そのまま僕たちは解散した。
家に着くと、リリーが吹き飛ばしてしまった、家の窓だった場所がやけに目立っていた。しかしこの世界では、そんなに変わった光景でもないので、近所の人たちは皆、気にもとめない。
(どうやって元に戻そうかな…)
召喚魔法しかまともに使えない僕には、治す術がない。家の修理は全て父がやってくれている。…でもユノが言う通り、今日ちゃんと帰ってくるとも限らない。
(とりあえずこの辺の布でも被せておけばいいか。)
床に敷いていたラグや、制服のマントなど、布地の多い物を選び、寄せ集める。そして家の穴を隠すように、布地を被せた。
ふぅ…と息をつく頃には、腹も減り、布から差し込む光も無くなっていた。家の中は薄暗く、人の居ないこの空間は寂しさを感じさせた。
僕は灯りをつけないまま、魔導書の入った鞄を部屋の隅に放り投げ、昼間ユノが寝転んでいたベッドへ身を投げ出した。
(お腹空いたな…)
食べるものあったかな、と考えるが、いつも以上に魔法を使った体は、僕が思う以上に疲れ切っていた。体を起こすことすら面倒くさく感じさせる。
気が付くと、布を被せた隙間から朝日が漏れていた。
(朝…?)
結局、食いっぱぐれてしまった。父も帰って来た様子はどこにもない。目を擦り、体は起こしたものの、頭が全然働かない。何か約束があった気がする…。なんだったかな。思い出そうと、頭をフル回転するが、眠気が襲う。
ウトウトとしていると、静寂を破るように腹が鳴った。
(何か食べるか…。)
仕方なくのそのそと動き出し、冷蔵庫に手を伸ばす。中には野草や、ブツ切りにされたルルクの肉が入っていた。
(ルルクなら食べれるか。)
フライパンを棚から引っ張り出し、火で熱する。ブツ切りのルルクと、野草の中でもサッパリとした味のものを選んで、炒める。最後にピリッと少しだけ舌を刺すような刺激を感じる粉をかける。
この世界で料理をしようとするのは、とても珍しいらしく、ちゃんとした作り方の載った本はほとんど売られていない。みんな、魔法を使って何かしら作れるということなのか…。家の中でしか調理をしないため、他の人たちがどうやっているのか、実の所は何も知らない。
ある程度、火が通った食材を、フライパンのままテーブルに持っていく。我ながらいい出来だ。
(あ、そうか。今日はユノ達と父さんのとこに行くんだった。)
咀嚼をしていると、だんだんと頭が起きてくるようだった。約束も思い出せたことだし、急いで飯を終わらせ、着替える。時間が決まっているわけではないが、待たせてしまうのは気が引けた。
使ったものを洗い、いつもの鞄を斜め掛けして、ほうきを掴む。布をめくり、ほうきに跨ると、そこから下に飛び降りるように、地面を蹴った。宙にふわりと浮く感覚を掴む。
(そういえば昨日から玄関使ってないな…。)
そんな当たり前のことを思いながら、昨日のケーラの実がなる木まで飛ぶ。今日はいつもより真っ直ぐ飛べている気がする…。周りを飛ぶ人たちから、変な目線もない。
(ふふ…)
ケーラの木の幹まで辿り着くと、ついつい、笑みが零れた。ここまで上手く飛べたこと、ただそれだけでも嬉しかった。透き通った風がとても気持ちが良い。
「アル、お待たせ!」
「早く行こう!!」
前からユノとリリーが飛んでくる。僕の前まで飛んでくると、2人はその場に浮いたまま止まった。「ほら。」とユノに促されて、ケーラの木に立て掛けていた自分のほうきに手を伸ばした。ほうきに跨り、木を蹴り飛び降りるが、グラグラとバランスを崩す。
(全く…敵わないよな。)
さっきまでの順調だった飛行が嘘のようだった。少しばかり、ガッカリしてしまう。
そんな僕の様子に気付いているのか、気付かないでいるのか、ユノとリリーは何も変わる様子もなく、「行こうか。」と一緒に学校へ向かって飛ぶ。
学校は谷底の崖の壁を抜けたところにある。入園のパスポートを持っていない人物は壁を抜けることさえ出来ない壁だ。パスポートを忘れたり、無くしたりすると学校に入れないどころか、下手すると退学処分だ。僕たち生徒はほうきの先にパスポートを括り付け、常に外さないようにしている。成人と生徒を見分ける時はほうきを見れば一目で分かるというわけだ。
(うわ…とっとっとっと……わわわ…なんでまっすぐ飛ばないんだよ!)
グラグラとバランスが取れずに、進む僕を、ユノもリリーも笑わずに、ペースを合わせて近くを飛んでくれる。
「アル、少しだけ魔法かけてやるよ。」
そう言うとユノは、自分の杖を懐から取り出し、今にもほうきから落ちてしまいそうな僕に向かって杖を振り、呪文を唱える。キラキラと小さな粒子が僅かに飛んできたかと思うと、今までグラグラしていたほうきは、真っ直ぐに飛び始めた。
「どうやったの?」
「ほうきに大丈夫だよ。って教えたげたんだ。お前、先生に会いたくないんだろ?不安でほうきが、学校に向かって飛んでいいのかわかんなくなってたぞ。」
そうか。グラグラしてたのは僕の気持ちのせいだったのか。ほうきがそんなに持ち主の気持ちに左右されるなんて、知らなかった。授業でも聞かないということは、それは魔法使いにとっては根本にある常識ということなのか。もしかしたら、すっかり忘れているだけで、僕も父にほうきを買ってもらった時に聞かされていたのかもしれないが、全く記憶にない。
「ごめん、ありがとう。」
「いい報告をするんだもん。怖がらなくても大丈夫だよ。」
風にツインテールを靡かせて、リリーは僕のほうきと並走する。実の父親に会いに行くのに、何故こんなに不安定になってしまうのだろう。
「よし、行こうか。」
ユノの声に、気を引き締める。崖の壁に向かって飛び込むのは、何度やっても緊張してしまう。
「よーーし!!」
そんな中、真っ先にリリーは飛び込んで行く。いつも楽しそうに、嬉しそうに通学する姿が、僕にとってはとても羨ましい。悩みがないなんて、思わないが、少なくとも魔法を学ぶことが好きなのだろうと感じる。
(そういえば…夏休みだからと、みんな私服で来てしまったが、制服を着なくても大丈夫だったかな。)
「アルが先に行きなよ。」
そんな僕の疑問を、考える余裕もなく、促される。ユノはリリーの入っていった壁を見つめて、なかなか入れないでいる僕の背中を、トンと押す。虚無の壁を見つめていると、服の心配なんて一瞬で忘れてしまった。そんな事より、途中でほうきが止まってしまったらと思うと、怯んでしまう。何度やっても、慣れることはないかもしれない。
「大丈夫だから。」
いつまでも動けない僕に、ユノは強めに、念を押した。ユノの芯の強い瞳と目が合う。
僕は頷くと、意を決して、壁に向かって進んだ。
(要は気の持ちようだと、さっき知ったじゃないか。大丈夫。ちゃんと今回も学校まで飛べる。)
壁にぶつかる瞬間、目を閉じた。しかし、その衝撃は感じることなく、ほうきはぐんぐん前へ進む。違和感を感じながらも、恐怖で目を開けることが出来ない。飛ぶ勢いが弱まったのを感じ、ゆっくりと目を開くと、そこは見慣れた場所だった。
薄暗い空気の中、城のような大きな建物がそびえ立ち、2つの背の高い塔が左右にどっしりと構えている。下には軽く数メートルはありそうな大木が生え、その幹が建物を支えている。幹の更に下には、小さな集落のように見える建物がちらほらと建っていた。
この城のような建物が、僕たちの通うティズマヤ学園だ。
「ほら、行けただろ?」
後ろからの声に、咄嗟に振り返る。
ニヤッと笑うユノがいた。後ろでハーフアップに束ねた薄茶色のサラサラの髪。片方だけ髪から出ている耳元で光る赤い宝石が、薄暗いこの空間でもとても目立つ。
「ありがとう、ユノ。」
「アルー!ユノー!」
ユノに向かって微笑むと、同時に前方下の方からとても聞き馴染みのある大きな声がした。声のする方を向くと、リリーが校門の前で大きく手を振っている。
僕たちは顔を見合わせ、急いでリリーの方へ飛んで行った。
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