9 / 28
9
しおりを挟む
「ヨーネリアァァァーーーッ!!」
静寂と秩序が支配する宰相執務室に、悲痛な叫び声が響き渡った。
バンッ!
扉が乱暴に開かれ、クラーク殿下が転がり込んでくる。
その姿を見て、私は思わず眉をひそめた。
「……殿下。入室時の騒音レベルが基準値を超えています。鼓膜の修繕費を請求しますよ」
「金なら払う! いくらでも払うから、戻ってきてくれぇぇ!」
殿下は私のデスクの前までダッシュし、あろうことかその場に崩れ落ちた。
見事な土下座である。
王族が床に這いつくばる姿など、前代未聞だ。
しかし、私の心は凪のように静かだった。むしろ「床掃除の邪魔だな」くらいにしか思っていない。
「……どうなさいました? ミーナ様との愛の巣で、幸せなティータイムを過ごしていたのでは?」
「地獄だ! あそこは地獄だ!」
殿下は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。
「ミーナは可愛い! 確かに可愛いんだ! でも……でも、何もできないんだ!」
「それは存じております。彼女の特技は『存在すること』ですから」
「僕が『お茶』と言っても出てこない! 『書類』と言っても『どれですかぁ?』と首を傾げるだけ! 靴下も揃わないし、ネクタイも結べない! 今朝なんて、僕が自分でボタンを留めたんだぞ!?」
「まあ。五歳児のような偉業を成し遂げましたね。拍手を送ります」
パチパチパチ。
私が無表情で手を叩くと、殿下は「馬鹿にするな!」と叫んだ。
「不便なんだ! とにかく不便で仕方がない! お前がいなくなってから、僕の生活は崩壊した! 息をするのも面倒くさい!」
「それは呼吸器系の疾患の可能性がありますので、医務室へどうぞ」
「違う! お前が必要だと言っているんだ!」
殿下は立ち上がり、私の机をドンと叩いた。
「わかったよ、ヨーネリア。僕が悪かった! 婚約破棄は撤回する! お前を再び『王太子妃候補』に戻してやるから、今すぐ僕の部屋に来て片付けをしてくれ!」
殿下は「これで解決だろ」と言わんばかりのドヤ顔を見せた。
彼の中では、私が泣いて喜ぶと思っているのだろう。
「……はあ」
私は深いため息をついた。
酸素の無駄遣いをしてしまった。
「殿下。現状認識能力が著しく低下していますね」
「な、なんだと?」
「私は現在、アレクセイ閣下と雇用契約……および、婚約を結んでおります。二重契約は法律で禁止されています」
「あんなの無効だ! 僕の方が身分が上だぞ! 王太子の命令だ、戻れ!」
殿下が手を伸ばして、私の腕を掴もうとした。
その瞬間。
シュッ。
私が動くよりも早く、一通の封筒が殿下の顔面に突きつけられた。
「……なんだこれは」
「請求書です」
私は封筒で殿下の手をガードしながら言った。
「私が殿下の元へ戻るには、以下の未払い金を清算していただく必要があります」
「み、未払い金?」
「はい。ご覧ください」
殿下は震える手で封筒を開け、中の明細書を取り出した。
「えーっと……『早朝モーニングコール代・五年分』『ネクタイコーディネート料・一回金貨一枚×三千回』『公務代行手数料・深夜割増含む』『精神的苦痛に対する慰謝料』……」
殿下の顔色が、読み進めるごとに青から白、そして土気色へと変わっていく。
「……し、〆て、金貨八億枚……!?」
「はい。市場価格に基づき、適正に算出いたしました。これをお支払いいただければ、再契約の『検討』くらいはして差し上げます」
「は、払えるかこんな額! 国家予算レベルじゃないか!」
「では、お引き取りください。金のない顧客に用はありません」
私はピシャリと言い放った。
「そ、そんな……。昔はあんなに尽くしてくれたじゃないか! あれは愛じゃなかったのか!?」
「愛? いいえ、あれは『投資』です」
私はきっぱりと否定した。
「将来、私が王妃になった際に、夫である貴方が無能だと私が苦労します。だから、少しでもマシな人間にしようと教育的指導を行っていただけです。……まあ、投資詐欺に遭ったような気分ですが」
「さ、詐欺だとぉ!?」
殿下が逆上し、私に掴みかかろうとした時だった。
「――そこまでだ」
室内の温度が急降下した。
背後から伸びてきた腕が、私の腰を抱き寄せる。
アレクセイ閣下だ。
先ほどまで隣の部屋で会議をしていたはずだが、殿下の声を聞きつけて戻ってきたらしい。
「あ、アレクセイ……」
「私の婚約者に、何か用かな? クラーク殿下」
閣下の瞳は、完全に据わっていた。
絶対零度の視線。もし視線で人が殺せるなら、殿下は今頃アイスピックで滅多刺しにされているだろう。
「彼女への接触は、全て私の許可を通してもらおう。今の彼女の時給は非常に高い。貴方の無駄話に付き合っている時間はないのだ」
「む、無駄話じゃない! これは国家の重要事項で……」
「復縁要請だろう? 却下だ」
閣下は即答した。
「彼女はすでに、私の『永久就職先』に内定している。違約金を払う用意があるなら話を聞くが……先ほどの八億枚に加えて、私からの『制裁金』も上乗せされるぞ?」
「せ、制裁金……?」
「ああ。私の大事なパートナーを不快にさせた罪だ。……金貨、百億枚ほどかな」
「ひぃぃぃッ!!」
殿下は悲鳴を上げた。
百億枚。国が三回くらい買える金額だ。
「わ、わかったよ! 諦めるよ! くそぉ、どいつもこいつも金、金、金! 守銭奴め!」
殿下は涙目で後ずさりした。
そして、捨て台詞を吐いて逃走を図る。
「覚えてろよ! 僕にはまだミーナがいるんだ! 彼女なら無償の愛で……!」
「あ、殿下。お待ちください」
私が呼び止めると、殿下は期待に満ちた顔で振り返った。
「な、なんだ? やっぱり戻ってきてくれるのか?」
「いいえ。靴紐が解けていますよ。転びます」
「え?」
殿下が足元を見た瞬間。
自分の靴紐を踏みつけ、盛大にズッコケた。
ドガッ!
「あ痛ぁぁぁーっ!!」
「……予測通りです」
私は冷静に記録した。
殿下は顔を真っ赤にして這い上がり、今度こそ脱兎のごとく逃げ出した。
廊下の向こうから「ちくしょぉぉぉ!」という負け惜しみが聞こえてくる。
「……やれやれ。嵐のような人だ」
閣下が呆れたように肩をすくめた。
そして、私の顔を覗き込む。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
「ええ。請求書という最強の盾がありましたから」
私は空になった封筒をヒラヒラとさせた。
「しかし、金貨八億枚とは大きく出たな。本気で払われたらどうするつもりだった?」
「払えるわけがありません。彼の財布の紐は、私が握っていたのですから」
「……君を敵に回さなくて本当によかったよ」
閣下は苦笑し、私の頭をポンと撫でた。
「さて、邪魔者も消えた。仕事に戻ろうか。……それとも、少し休憩するか?」
「休憩?」
「ああ。君の口から『投資』という言葉が出たが……私への投資は、順調か?」
閣下の顔が近づく。
甘い雰囲気になりかけた、その時。
「素晴らしいですわ、ヨーネリア様!!」
物陰からミーナ様が飛び出してきた。
「今の塩対応! 完璧でした! 『金のない顧客に用はない』! 名言出ました! メモしました!」
「……ミーナ様、いつからそこに?」
「最初からです! 殿下が土下座するシーン、目に焼き付けました! 後で絵に描いて奉納します!」
「いりません」
「お茶が入りましたよ! 今日は『勝利の祝杯ブレンド』です!」
ミーナ様は空気を読まず(あるいは読みすぎて)、満面の笑みでお茶を配り始めた。
閣下と私は顔を見合わせ、同時に吹き出した。
「……ふっ。勝てないな、彼女には」
「ええ。ある意味、殿下より強敵かもしれません」
復縁の危機は去った。
しかし、私の周りには相変わらず、変な人間ばかりが集まってくるようだ。
それでも、温かい紅茶の湯気越しに見る閣下の笑顔は、金貨八億枚よりも価値がある気がして――私は少しだけ、幸せな気分になったのである。
静寂と秩序が支配する宰相執務室に、悲痛な叫び声が響き渡った。
バンッ!
扉が乱暴に開かれ、クラーク殿下が転がり込んでくる。
その姿を見て、私は思わず眉をひそめた。
「……殿下。入室時の騒音レベルが基準値を超えています。鼓膜の修繕費を請求しますよ」
「金なら払う! いくらでも払うから、戻ってきてくれぇぇ!」
殿下は私のデスクの前までダッシュし、あろうことかその場に崩れ落ちた。
見事な土下座である。
王族が床に這いつくばる姿など、前代未聞だ。
しかし、私の心は凪のように静かだった。むしろ「床掃除の邪魔だな」くらいにしか思っていない。
「……どうなさいました? ミーナ様との愛の巣で、幸せなティータイムを過ごしていたのでは?」
「地獄だ! あそこは地獄だ!」
殿下は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。
「ミーナは可愛い! 確かに可愛いんだ! でも……でも、何もできないんだ!」
「それは存じております。彼女の特技は『存在すること』ですから」
「僕が『お茶』と言っても出てこない! 『書類』と言っても『どれですかぁ?』と首を傾げるだけ! 靴下も揃わないし、ネクタイも結べない! 今朝なんて、僕が自分でボタンを留めたんだぞ!?」
「まあ。五歳児のような偉業を成し遂げましたね。拍手を送ります」
パチパチパチ。
私が無表情で手を叩くと、殿下は「馬鹿にするな!」と叫んだ。
「不便なんだ! とにかく不便で仕方がない! お前がいなくなってから、僕の生活は崩壊した! 息をするのも面倒くさい!」
「それは呼吸器系の疾患の可能性がありますので、医務室へどうぞ」
「違う! お前が必要だと言っているんだ!」
殿下は立ち上がり、私の机をドンと叩いた。
「わかったよ、ヨーネリア。僕が悪かった! 婚約破棄は撤回する! お前を再び『王太子妃候補』に戻してやるから、今すぐ僕の部屋に来て片付けをしてくれ!」
殿下は「これで解決だろ」と言わんばかりのドヤ顔を見せた。
彼の中では、私が泣いて喜ぶと思っているのだろう。
「……はあ」
私は深いため息をついた。
酸素の無駄遣いをしてしまった。
「殿下。現状認識能力が著しく低下していますね」
「な、なんだと?」
「私は現在、アレクセイ閣下と雇用契約……および、婚約を結んでおります。二重契約は法律で禁止されています」
「あんなの無効だ! 僕の方が身分が上だぞ! 王太子の命令だ、戻れ!」
殿下が手を伸ばして、私の腕を掴もうとした。
その瞬間。
シュッ。
私が動くよりも早く、一通の封筒が殿下の顔面に突きつけられた。
「……なんだこれは」
「請求書です」
私は封筒で殿下の手をガードしながら言った。
「私が殿下の元へ戻るには、以下の未払い金を清算していただく必要があります」
「み、未払い金?」
「はい。ご覧ください」
殿下は震える手で封筒を開け、中の明細書を取り出した。
「えーっと……『早朝モーニングコール代・五年分』『ネクタイコーディネート料・一回金貨一枚×三千回』『公務代行手数料・深夜割増含む』『精神的苦痛に対する慰謝料』……」
殿下の顔色が、読み進めるごとに青から白、そして土気色へと変わっていく。
「……し、〆て、金貨八億枚……!?」
「はい。市場価格に基づき、適正に算出いたしました。これをお支払いいただければ、再契約の『検討』くらいはして差し上げます」
「は、払えるかこんな額! 国家予算レベルじゃないか!」
「では、お引き取りください。金のない顧客に用はありません」
私はピシャリと言い放った。
「そ、そんな……。昔はあんなに尽くしてくれたじゃないか! あれは愛じゃなかったのか!?」
「愛? いいえ、あれは『投資』です」
私はきっぱりと否定した。
「将来、私が王妃になった際に、夫である貴方が無能だと私が苦労します。だから、少しでもマシな人間にしようと教育的指導を行っていただけです。……まあ、投資詐欺に遭ったような気分ですが」
「さ、詐欺だとぉ!?」
殿下が逆上し、私に掴みかかろうとした時だった。
「――そこまでだ」
室内の温度が急降下した。
背後から伸びてきた腕が、私の腰を抱き寄せる。
アレクセイ閣下だ。
先ほどまで隣の部屋で会議をしていたはずだが、殿下の声を聞きつけて戻ってきたらしい。
「あ、アレクセイ……」
「私の婚約者に、何か用かな? クラーク殿下」
閣下の瞳は、完全に据わっていた。
絶対零度の視線。もし視線で人が殺せるなら、殿下は今頃アイスピックで滅多刺しにされているだろう。
「彼女への接触は、全て私の許可を通してもらおう。今の彼女の時給は非常に高い。貴方の無駄話に付き合っている時間はないのだ」
「む、無駄話じゃない! これは国家の重要事項で……」
「復縁要請だろう? 却下だ」
閣下は即答した。
「彼女はすでに、私の『永久就職先』に内定している。違約金を払う用意があるなら話を聞くが……先ほどの八億枚に加えて、私からの『制裁金』も上乗せされるぞ?」
「せ、制裁金……?」
「ああ。私の大事なパートナーを不快にさせた罪だ。……金貨、百億枚ほどかな」
「ひぃぃぃッ!!」
殿下は悲鳴を上げた。
百億枚。国が三回くらい買える金額だ。
「わ、わかったよ! 諦めるよ! くそぉ、どいつもこいつも金、金、金! 守銭奴め!」
殿下は涙目で後ずさりした。
そして、捨て台詞を吐いて逃走を図る。
「覚えてろよ! 僕にはまだミーナがいるんだ! 彼女なら無償の愛で……!」
「あ、殿下。お待ちください」
私が呼び止めると、殿下は期待に満ちた顔で振り返った。
「な、なんだ? やっぱり戻ってきてくれるのか?」
「いいえ。靴紐が解けていますよ。転びます」
「え?」
殿下が足元を見た瞬間。
自分の靴紐を踏みつけ、盛大にズッコケた。
ドガッ!
「あ痛ぁぁぁーっ!!」
「……予測通りです」
私は冷静に記録した。
殿下は顔を真っ赤にして這い上がり、今度こそ脱兎のごとく逃げ出した。
廊下の向こうから「ちくしょぉぉぉ!」という負け惜しみが聞こえてくる。
「……やれやれ。嵐のような人だ」
閣下が呆れたように肩をすくめた。
そして、私の顔を覗き込む。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
「ええ。請求書という最強の盾がありましたから」
私は空になった封筒をヒラヒラとさせた。
「しかし、金貨八億枚とは大きく出たな。本気で払われたらどうするつもりだった?」
「払えるわけがありません。彼の財布の紐は、私が握っていたのですから」
「……君を敵に回さなくて本当によかったよ」
閣下は苦笑し、私の頭をポンと撫でた。
「さて、邪魔者も消えた。仕事に戻ろうか。……それとも、少し休憩するか?」
「休憩?」
「ああ。君の口から『投資』という言葉が出たが……私への投資は、順調か?」
閣下の顔が近づく。
甘い雰囲気になりかけた、その時。
「素晴らしいですわ、ヨーネリア様!!」
物陰からミーナ様が飛び出してきた。
「今の塩対応! 完璧でした! 『金のない顧客に用はない』! 名言出ました! メモしました!」
「……ミーナ様、いつからそこに?」
「最初からです! 殿下が土下座するシーン、目に焼き付けました! 後で絵に描いて奉納します!」
「いりません」
「お茶が入りましたよ! 今日は『勝利の祝杯ブレンド』です!」
ミーナ様は空気を読まず(あるいは読みすぎて)、満面の笑みでお茶を配り始めた。
閣下と私は顔を見合わせ、同時に吹き出した。
「……ふっ。勝てないな、彼女には」
「ええ。ある意味、殿下より強敵かもしれません」
復縁の危機は去った。
しかし、私の周りには相変わらず、変な人間ばかりが集まってくるようだ。
それでも、温かい紅茶の湯気越しに見る閣下の笑顔は、金貨八億枚よりも価値がある気がして――私は少しだけ、幸せな気分になったのである。
3
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる