【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス

文字の大きさ
26 / 35
本編

第二十五話 使命

しおりを挟む
 「ついこの間に馬鹿王子との婚約が破棄されて、ようやくマーテルリアに安寧が訪れて喜んでいたと言うのに…」

 「元聖女ダイア…ダイア男爵令嬢か! 大事な妹にこの様な仕打ちをしてくれた事…奴の命で償ってくれるわ‼︎」

 「待ってテリス兄さん! それをするのは少し待って欲しいの。」

 「何故だ! このままではリアは聖女の使命を果たして死ぬかもしれないんだぞ‼︎」

 親や兄弟が嘆いたり憤りを表すのは当然の事だと思う。

 私も魔法が使える能力が無ければ、先に待っているのが絶望しかないとも…

 でも、元聖女ダイアを悔しがらせられる方法を思い付いたので、私はその話を家族に打ち明けた。

 「だが、聖女の使命は必ず命を落とすと言う物ではないのか?」

 「歴代の聖女達は、恐らく聖女の力のみで対応をして来ただけだと思うの。 だけど私には聖女の力以外に魔法の力もあるから、歴代の聖女達に比べたら遥かに有利に働くかもしれないわよ。」

 「だ、だがな…」

 そうはいっても家族達は納得はできなかった。

 今迄の聖女達が使命を果たした後に死亡していなければ、家族達もそんな不安を感じる事は無かったと思う。

 「それに私は1人じゃないしね!」

 私はパケットを見ると、パケットはゆっくりと頷いた。

 「今回の不手際には、私も責任を感じております。 私も責任を持ってリアに助力をするつもりです。」

 「パケット殿…」

 こうして家族とに話し合いを終えた私は、パケットと共に自室に戻って来た。

 そこで私達はこんな話し合いをしていた。

 「ねぇ、パケット…元聖女ダイアの魔法を見た時に変だと思わなかった?」

 「瘴気とは、地獄から噴き出す黒い煙の様な物…の筈なのに、ダイアの使っていた魔法は明らかに実体がある物を相手にする為の魔法に思えたね。」

 「神殿側が何を隠しているのかは分からないけど、聖女の魔法は明らかに浄化をする為の魔法とは思えなかった。 いや、中には浄化魔法もあるかもしれないけど…」

 そう…元聖女ダイアの使った魔法の殆どが、物理主体の攻撃魔法だったのが不思議に思っていた。

 私は翌日には神殿に赴かないと行けなくなる。

 パケットには、瘴気の情報を得てもらう為に別行動をするのでした。

 翌日…私は神殿から迎えに来た騎士達に神殿まで向かう事になった。

 パケットは日を跨ぐ前には既に動いていたみたいだった。

 そこから先は…神殿長の話や聖女の使命などを話されたけど、それを省略して貰ってから聖女の魔法を習って行った。

 「なるほど、聖女の魔法って…その使用したい魔法を頭に思い浮かべると詠唱が頭に浮かんでくるのね。 通りで頭の悪そうな元聖女ダイアが詠唱を覚えていた訳だわ!」

 私は既に魔法の知識があったお陰で、聖女魔法の習得は呆気ない位に早く習得出来た。

 その旨を伝えると、神殿側は今すぐにでも私をギアスの大穴に連れて行きたそうだけど…

 私は他に準備があると言う事で時間を設けて貰った。

 元聖女ダイアの所為で逃げ出さないかと不審がられたけど、私はそんな気はないと言ってから、行き先を告げた。

 「あれから二年くらい経つけど、ルーナリア先生は元気かな?」

 そう…私の向かう先はバーンシュタット魔法道具二号店だった。

 そのお店で私は…意外な人と会う事になるのでした。
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ

タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。 灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。 だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。 ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。 婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。 嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。 その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。 翌朝、追放の命が下る。 砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。 ――“真実を映す者、偽りを滅ぼす” 彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。 地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。

ご安心を、2度とその手を求める事はありません

ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・ それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望

婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。

石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。 やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。 失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。 愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?

今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。 しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。 が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。 レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。 レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。 ※3/6~ プチ改稿中

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

聖女の妹、『灰色女』の私

ルーシャオ
恋愛
オールヴァン公爵家令嬢かつ聖女アリシアを妹に持つ『私』は、魔力を持たない『灰色女(グレイッシュ)』として蔑まれていた。醜聞を避けるため仕方なく出席した妹の就任式から早々に帰宅しようとしたところ、道に座り込む老婆を見つける。その老婆は同じ『灰色女』であり、『私』の運命を変える呪文をつぶやいた。 『私』は次第にマナの流れが見えるようになり、知らなかったことをどんどんと知っていく。そして、聖女へ、オールヴァン公爵家へ、この国へ、差別する人々へ——復讐を決意した。 一方で、なぜか縁談の来なかった『私』と結婚したいという王城騎士団副団長アイメルが現れる。拒否できない結婚だと思っていたが、妙にアイメルは親身になってくれる。一体なぜ?

処理中です...