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本編
第二十六話 瘴気の正体
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私はゼーヴェンス王国の街の中にあるバーンシュタット魔法道具店に到着した。
私は扉を開けてから中に入ると、様々な薬品が並んでいたり、花の香りがする香水の匂いが漂って来た。
「いらっしゃい…マーテルリア⁉︎」
「お久しぶりです、ルーナリア先生!」
「もう…先生じゃないんだけどね。」
私は久々に会うルーナリア先生のと再会を喜んでいた。
すると店の奥から緑色の長い髪の女性が現れた。
「ルナの知り合いの子?」
「この子はゼーヴェンス王国で私の教え子よ、お姉ちゃん。」
「初めまして…」
髪の色は全く違うけど、二人とも姉妹なのか顔がそっくりでした。
「初めましてね、私はルナ…ルーナリアの姉でレオナリアです。」
「本当はマーテルリアの先生は姉になる筈だったんだけどね、姉は出産関係で私が代わりにね。」
私は魔力視をしてレオナリアという女性を見た。
すると…ルーナリア先生とは比較にならないほどの強い魔力を秘めていた。
ルーナリア先生もかなり強い魔力の筈なのに、桁違いの魔力で驚いてしまった。
「魔力視を使ったのね? どう、私の魔力量とは桁違いでしょ?」
「桁違いというか…一瞬伝承に出てくる魔王かと思いました。」
ルーナリアは魔力視を私に向けて使用して来た。
「マーテルリアも教えを守って魔力量がかなり増えたわね…ん?」
ルーナリア先生は私の左手を取ってから、手の甲を見た。
「何故貴女に聖女の印があるの⁉︎」
「あ…これは!」
私は今迄の経緯を説明した。
するとルーナリア先生は、頭を押さえて悩んでいるようでした。
「王子との婚約が破談になったのは想像がついたけど…まさかそんな方法で聖女を受け継がれたなんて。」
「聖女…そういえば、ゼーヴェンス王国には瘴気が噴き出すと言われるギアスの大穴があったわね?」
「今回この店に来たのは、先生に会いに来たというのもあるのですが…魔力回復ポーションがないかと思って来ました。」
「魔力回復ポーションはあるにはあるけど…」
ルーナリア先生は商品棚を見ながら言った。
そんな事を話していると、パケットが店に現れた。
「あ、パケット! どうだった?」
「その話の前に…レオナリア様、パテット隊長はおりませんか?」
「パテットなら、少し前にピケットと手合わせをするって出て行ったけど…」
「パテットさんが必要な話なの?」
レオナリアさんとルーナリア先生がパケットに質問をしていた。
そしてパケットは私達に瘴気の話をしました。
「隊長とピケットには後で話すとして…リア、聖女の魔法に物理系の魔法がある理由が分かった。 この大陸の瘴気は、一定量が集まると魔物に姿を変えるという物らしい。」
「遥西方にあるバルキサレイス帝国付近のベーレスの大穴にも瘴気が噴き出す場所があるけど、そっちの瘴気は魔物になるなんていう話は聞いた事がないわね…」
「多分…先代と先々代の聖女が浄化を放棄した所為で濃密な瘴気が魔物になったとか?」
「それもあるかもしれないけど、この土地の瘴気は昔からそんな感じだったらしい。 ただ、数百年前はそこまで強力な魔物にはならなかったみたいだから、今程キツくはなかったらしいけど…」
パケットは魔物の詳細を詳しく話し始めた。
それは大小様々な魔獣が穴の底で蠢いていて、今にも神殿が使用している魔道具の結界を破壊する勢いだという話だった。
「それでパテットやピケットの事を聞いて来たのね。」
「そういえば神殿側も聖女の魔法が取得した際に、ギアスの大穴にすぐにでも連れて行かせたい感じだったし…」
「パケットから見て結界は後どれ位持ちそう?」
「猶予はあまり無さそうですね、3日保てば良い方ではないでしょうか?」
パケットが先程言っていた魔獣の話を聞く限り…例え聖女の魔法でも、ううん…魔法でも敵わない様な気がする。
家族や周りの話じゃないけど、聖女の使命を果たそうとすれば私の命も危ないかもしれない。
考えが少し甘かったかなぁ?
「ルーナリア先生、魔力回復ポーションをあるだけ買わせて戴けませんか?」
「マーテルリア、貴女まさか…?」
「パケットも無理をしないでね。 危なくなったら…」
私はそれ以上の言葉が出なかった。
するとルーナリア先生は私の肩に手を置いて言った。
「弟子が辛い目に遭うと聞かされて黙っている訳には行かないわ!」
「そうね、まだ恋愛もした事がない子を逝かせる訳にはいかないわ!」
「ルーナリア先生、レオナリアさん…」
パケット以外に先生とお姉さんが協力してくれるのは凄く嬉しい。
「ちょっと隊長と弟を探して来るから、私は後で合流するから!」
パケットはそういうと、店から出て行った。
私達はパーティーを組む事になった。
そして…私達はギアスの大穴に潜む強大な魔獣に戦いを挑む事になるのでした。
私は扉を開けてから中に入ると、様々な薬品が並んでいたり、花の香りがする香水の匂いが漂って来た。
「いらっしゃい…マーテルリア⁉︎」
「お久しぶりです、ルーナリア先生!」
「もう…先生じゃないんだけどね。」
私は久々に会うルーナリア先生のと再会を喜んでいた。
すると店の奥から緑色の長い髪の女性が現れた。
「ルナの知り合いの子?」
「この子はゼーヴェンス王国で私の教え子よ、お姉ちゃん。」
「初めまして…」
髪の色は全く違うけど、二人とも姉妹なのか顔がそっくりでした。
「初めましてね、私はルナ…ルーナリアの姉でレオナリアです。」
「本当はマーテルリアの先生は姉になる筈だったんだけどね、姉は出産関係で私が代わりにね。」
私は魔力視をしてレオナリアという女性を見た。
すると…ルーナリア先生とは比較にならないほどの強い魔力を秘めていた。
ルーナリア先生もかなり強い魔力の筈なのに、桁違いの魔力で驚いてしまった。
「魔力視を使ったのね? どう、私の魔力量とは桁違いでしょ?」
「桁違いというか…一瞬伝承に出てくる魔王かと思いました。」
ルーナリアは魔力視を私に向けて使用して来た。
「マーテルリアも教えを守って魔力量がかなり増えたわね…ん?」
ルーナリア先生は私の左手を取ってから、手の甲を見た。
「何故貴女に聖女の印があるの⁉︎」
「あ…これは!」
私は今迄の経緯を説明した。
するとルーナリア先生は、頭を押さえて悩んでいるようでした。
「王子との婚約が破談になったのは想像がついたけど…まさかそんな方法で聖女を受け継がれたなんて。」
「聖女…そういえば、ゼーヴェンス王国には瘴気が噴き出すと言われるギアスの大穴があったわね?」
「今回この店に来たのは、先生に会いに来たというのもあるのですが…魔力回復ポーションがないかと思って来ました。」
「魔力回復ポーションはあるにはあるけど…」
ルーナリア先生は商品棚を見ながら言った。
そんな事を話していると、パケットが店に現れた。
「あ、パケット! どうだった?」
「その話の前に…レオナリア様、パテット隊長はおりませんか?」
「パテットなら、少し前にピケットと手合わせをするって出て行ったけど…」
「パテットさんが必要な話なの?」
レオナリアさんとルーナリア先生がパケットに質問をしていた。
そしてパケットは私達に瘴気の話をしました。
「隊長とピケットには後で話すとして…リア、聖女の魔法に物理系の魔法がある理由が分かった。 この大陸の瘴気は、一定量が集まると魔物に姿を変えるという物らしい。」
「遥西方にあるバルキサレイス帝国付近のベーレスの大穴にも瘴気が噴き出す場所があるけど、そっちの瘴気は魔物になるなんていう話は聞いた事がないわね…」
「多分…先代と先々代の聖女が浄化を放棄した所為で濃密な瘴気が魔物になったとか?」
「それもあるかもしれないけど、この土地の瘴気は昔からそんな感じだったらしい。 ただ、数百年前はそこまで強力な魔物にはならなかったみたいだから、今程キツくはなかったらしいけど…」
パケットは魔物の詳細を詳しく話し始めた。
それは大小様々な魔獣が穴の底で蠢いていて、今にも神殿が使用している魔道具の結界を破壊する勢いだという話だった。
「それでパテットやピケットの事を聞いて来たのね。」
「そういえば神殿側も聖女の魔法が取得した際に、ギアスの大穴にすぐにでも連れて行かせたい感じだったし…」
「パケットから見て結界は後どれ位持ちそう?」
「猶予はあまり無さそうですね、3日保てば良い方ではないでしょうか?」
パケットが先程言っていた魔獣の話を聞く限り…例え聖女の魔法でも、ううん…魔法でも敵わない様な気がする。
家族や周りの話じゃないけど、聖女の使命を果たそうとすれば私の命も危ないかもしれない。
考えが少し甘かったかなぁ?
「ルーナリア先生、魔力回復ポーションをあるだけ買わせて戴けませんか?」
「マーテルリア、貴女まさか…?」
「パケットも無理をしないでね。 危なくなったら…」
私はそれ以上の言葉が出なかった。
するとルーナリア先生は私の肩に手を置いて言った。
「弟子が辛い目に遭うと聞かされて黙っている訳には行かないわ!」
「そうね、まだ恋愛もした事がない子を逝かせる訳にはいかないわ!」
「ルーナリア先生、レオナリアさん…」
パケット以外に先生とお姉さんが協力してくれるのは凄く嬉しい。
「ちょっと隊長と弟を探して来るから、私は後で合流するから!」
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私達はパーティーを組む事になった。
そして…私達はギアスの大穴に潜む強大な魔獣に戦いを挑む事になるのでした。
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