元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第一章

第二十二話 テルパ・ドーラ

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 テルパ・ドーラはとある男爵家の令嬢として生まれた。

 そして神託の儀で【ヴェリエルマスター】というエクストラジョブを取得したのだが?

 とある神官が「この様なジョブは聞いた事が無い、何かの不吉な象徴を示す物だ!」…と叫んでからというもの、テルパは物心つく時から牢屋に幽閉されていた。

 食事は1日に2度あるかないかという酷い扱いで、男爵も母親もテルパには興味が無くて牢屋に入っていても一切会いに行こうとは思わなかった。

 その為にテルパは退屈な日々を過ごしていた。

 そしてとある8歳の日から…何故か食事が一切運ばれなくなっていた。

 どうやら男爵が我が子を餓死させて殺害させる為に仕組んだものだった。

 3日過ぎても運ばれない食事に、ただでさえ細い体のテルパは耐え切れずに横たわった。

 その時に力に目覚めて、【こんな場所に居たくない、別な場所に行きたい!】そう願うと、その願いは叶えられて目が覚めると塔の様に高い建物が多くある場所の中心に立っていた。

 そこは地球で、テルパは異世界を移動出来る力を発動したのだった。

 だが、初めて使用した異世界転移の能力と日頃の栄養失調でその場で倒れて意識を失い…次に目が覚めるとそこは病院の中だった。

 テルパは腕にチューブが刺さった状態でベッドに固定されていた。

 そして来た看護師に声を掛けると、食事が出されて夢中になって食べたのだった。

 そこから暫くして…テルパは病院の中にある休憩室で童話の本を読んでいた。

 文字や言葉は、異世界を移動した際に話したり読める様になっていた。

 そして童話を読み終えてから、次に漫画を手に取り…終いにはライトノベルも読める様になっていた。

 テルパはそのライトノベルから魔法に関係する知識を取り入れていた。

 本のタイトルは、【魔境育ちの全能冒険者オールラウンダーは異世界で好き勝手に生きる‼︎追い出したクセに戻って来いだと?そんなの知るか!】だった。

 そこで転移魔法や収納魔法、属性同時出現や複合統一魔法、更には魔法や剣術の基礎や応用、薬学の知識などを学んで行った。

 テルパは異世界に渡っても能力は使用出来ていた。

 なのでラノベから学んだ知識を応用して、この世界で記憶拡張と収納魔法が使用出来る様になっていた。

 更には病院にある図書室で本を読み漁っていた。

 病院の図書館なのだから医療関係の本しかないのだが、テルパはジャンルを問わずに全て読み終えたのだった。
 
 そして1ヶ月が過ぎた辺りで強制的に元の幽閉されていた牢屋に戻されたのだった。

 旅立った後と戻って来た時間の間隔がほんの数秒しか過ぎていなかった。

 テルパは収納魔法から食べ物を取り出して食い繋いでいた。

 そしてたまにメイドが来て確認するが、まだ死んでない事を確認すると戻って行ったのだった。

 それから暫くはメイドが確認には来ないので、その間の時間はラノベから得た知識を応用して過ごしていた。

 牢屋の中では時間はたっぷりあるので、日々を過ごすのは以前ほど苦ではなかった。

 そして魔力が回復した後に再び転移魔法で異世界に転移して、そこの図書館で本を読破する為に読み込んで行った。

 経済学や法曹関連、交渉術や歴史に科学など…ジャンルを問わず多くの知識を頭に入れていった。

 そして強制的に戻されてから魔力回復してから転移を繰り返していき…テルパは10歳になっていた。

 だが、この頃から…男爵と母親が不信がっていた。

 食べ物を与えられていない筈なのに、体がやせ細っている感じはない。

 それどころか…体はふっくらとしていて、同年代の子よりも多少背が低い感じだったが元気な子供と遜色がなかった。

 テルパが転移を繰り返している時から3年くらい経過した時には、強制的に戻される年数も変わっていた。

 テルパは異世界でお世話をしてくれる人に出会ってから、バイトをしたり学校に行って学んだりしていたのだった。

 そして元に戻れば子供の姿に、そして転移をした世界ではその年齢に…そうしてテルパは奨学金で高校を卒業してから大学に通う事が出来て、その際に様々な知識を取り入れて行ったのだった。

 調味料の作成や食品加工の技術、飲食店の料理の作成や店舗経営など…そしてやり過ぎてしまい、店で就職しないかとまで言われた事もあった。

 そして大学のサークル活動で合コンに参加したり、その中で男の扱い方も学んでいったのだった。

 異世界で基礎を学び、元の世界に戻っては応用を復習する。

 こういった事でテルパの知識は豊富になっていったのだった。

 この時のテルパは異世界では成人だったが、元の世界では12歳だった。

 そして男爵はというと、このまま牢屋に幽閉していても埒があかないという事でテルパを男爵家から追い出したのだった。

 その時にテルパは、テルパ・ドーラ・バーニュッシュの名前から男爵家のバーニュッシュの名前を捨てて、テルパ・ドーラと名乗る事にした。

 そして変身魔法で女の姿を封印してから男の姿になって生活をし始めたのだった。

 家を追い出されたテルパは冒険者ギルドに登録して、持てる知識や魔法の技術で異例の速さでのしあがっていった。

 その後、運命的な者達と出会い…【闇の閃光】というパーティーに所属してSランクまで上り詰めて行ったのだった。

 更にある程度の資金を貯めてから秘密裏にドーラ商会を立ち上げると、異世界で得た知識を元に様々なものを生み出していった。

 料理に関係する食材や調味料、養蜂や養蚕による虫を使った甘味や布材の作製、染料による染め物、美容や化粧に関する薬剤などを錬金術で作り出した。

 この世界ではそういった娯楽や芸術品や美に関係するものは馴染みが薄いので、それらは飛ぶ様に売れて行き…たった数年でドーラ商会は業界最大手になって行った。
 
 だが、冒険者として活動していたテルパはある依頼で大怪我を負ってしまった。

 冒険者としては致命的といわれた怪我も杖を突けば歩ける様になる位に回復していた。

 冒険者を引退しても、テルパにはドーラ商会があるので生活をする分には困る事は無かったが…だがテルパは冒険者に携われる仕事をしたいと思って、ギルドマスターから英雄学園の講師になる話を請けた。

 そして現在に至る。
 
 テルパはこの先…どうなって行くのだろうか?
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