【完結】仮面の勇者は1人だけ残って魔王を討伐した…のだが、国に帰還すると手柄は横取りされた上に仲間にも裏切られていたので復讐を決意する!

アノマロカリス

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プロローグ

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 「私達は足手纏いなの?」

 「怪我して戦えないでこの場に居られると、俺がやり難い。」

 「解ったわ!私達はガイアの待っているわ‼︎」

 俺は仲間達を転移魔法で送った。

 『これで…邪魔者はいなくなった訳だな?』

 「あぁ、とことん付き合ってやるぜ‼︎」

 俺の名前はガイア。

 女神の使徒に勇者としての選ばれた者だ。

 今の俺はラスボスとの最終決戦で、仲間達は負傷をしたので転移魔法で王都に送った。

 そして俺は目の前にいる魔王ヴォルガゼノンとの戦いを再開した。

 魔王というラスボスだけあって、強さは桁違いだった。

 最終形態になった魔王の強さは次元を超えた強さだった。

 だが俺も勇者の魔法やその他に備えた様々なスキルを駆使して魔王ヴォルガゼノンを追い詰めて行き…

 半年間という長い時を経過し、魔王ヴォルガゼノンを倒す事が出来た。

 そして俺は魔王を討伐した報告をしようと王都に転移すると…魔王はとっくに倒された事になっていた。

 地面に落ちていた新聞を見ると、そこにはこう書かれていた。

 【仮面の勇者ガイアの正体は、ランゼル王国の第一王子のダナステル殿下だった。ダナステル殿下は自らの正体を隠し、名前を偽って仲間達と魔王を討伐して平和な世を導いた。】

 俺は新聞の続きを見ると、其処には他にもこう書かれていた。

 【勇者ダナステル殿下のパーティーメンバー達は、聖女リスリアはダナステル殿下の妻に、賢者クラリッサは宮廷魔術師に、剣聖デールナールは王国の騎士団長に任命された。】

 かつての仲間達は城の上位の役職で買収されていた様だった。

 何故それが分かるかって?

 元々勇者パーティーのメンバー達は、全て生まれは平民だった。

 なので、貴族になれるとか王国の役職が手に入ると思えば乗らない訳がない。

 何とか理由を尋ねる為にかつての仲間達に接触を図れないか?

 勇者時代に王宮の中には何度か入ったことはある。

 だが、このまま向かった所でヘルムを失った俺は門前払いを喰うのは目に見えている。

 この国で俺の素顔を知るものは数少ないからだった。

 ならば…比較的に会える確率の高いデールナールに声を掛ける事にした。

 俺は騎士団寮の周辺で張っていると、デールナールが現れたので声を掛けた。

 「ガイア⁉︎何故お前が此処にいる‼︎」
 
 「デールナール、これはどういう事だ‼︎」

 「その新聞を見たのか…なら、分かるだろ?この国のダナステル殿下が勇者様で魔王を討伐した者だという事だ!」

 「魔王を倒したのは俺だぞ!」

 「だが、かつての仲間達の証言で仮面の勇者は殿下という事になっている。お前が幾らしゃしゃり出てもそれは覆る事はない‼︎」

 「お前は王国から買収されたのか?」

 「それの何が悪い?」

 平民がその地位を手に入れる事は普通なら出来ない事だ。

 文句なら幾らでも言ってやりたい所だが、言った所で目に見えている。

 「他の皆も同じ考えか?」

 「あぁ、お前は勇者でも…そして俺達は仲間でも何でも無いという事だ!解ったらさっさと立ち去れ‼︎」

 俺は全てに嫌気が差して城下町を抜けて外に出ようと門に向かっていた。

 だが裏路地に入った途端、目の前に黒ずくめの者達が数十人が立ち塞がった。

 「逆賊ガイアだな?あるお方からの命令により、貴様を始末する!」

 あるお方って…どう考えてもデールナールの事だろうな。

 かつての仲間の中で奴としか接触していなかったわけだし、先程のデールナールの対応からすれば何かしらを差し向けられるのは解っていた。

 魔王の軍勢に比べたら、暗殺者集団は別に敵では無い。

 だが、此処で倒しても次々と追っ手を差し向けられるのだけは勘弁して貰いたい。

 そう思っていた矢先、暗殺者達から一斉にナイフが飛んで来た。

 刃先を見ると何かしらの毒の様なものが見えた。

 躱すのは容易だし、返り討ちにも出来る…が、コイツ等を倒したとして更なる追っ手を差し向けられるのは正直言うとかなり面倒だ。

 俺は一体の空間を停止する魔法を使ってから、血と肉を錬金術で使用する粘土物質に混ぜて錬成し、自分の姿を作り出した。

 服は布を錬成した物を人形に着せてからその場を離脱して透明化の魔法で姿を隠してから時間を動かすと…一斉に飛んで来たナイフは擬態の体に突き刺さって行った。

 「手練れと聞いて警戒していたが、拍子抜けだな!」

 「だが仕事は終えたので、奴の首を斬り落としてから持ち帰るとしよう。」

 暗殺者達は俺の首を剣で斬り落とすと、俺の首を持ってその場を去っていった。

 残った胴体はそのまま放置されていた。

 俺はかつての仲間達…いや、元仲間達以外は生まれ故郷の者達以外しか俺が勇者だという存在を知られていない。

 なので首無しの死体が放置されていても、盗賊との小競り合いで命を落とした者として処理されるだろう。

 「待てよ…?俺の存在を知っているのは、かつての元仲間達以外に故郷の者達という事は⁉︎」

 俺は嫌な予感がして故郷のベスタ村に転移をした。

 そして俺の目の前に映し出された光景は、村を襲撃されて無数の骨が地面に散らばっていたのだった。

 俺は実家に入ると、其処には重なり合う骨があり…妹の部屋には肋を切り裂かれてベッドに横たわっていた骨があった。

 それは両親と妹の骨だった。

 「この感じ…半年以内でこうなった訳では無いな?かなり以前に…年単位の感じがする。」

 俺が勇者に選ばれたのは、今から5年前になる。

 王国の民である俺は、女神の使徒に勇者に選ばれた為に一応報告をする義務がある為に王国に呼ばれて国王陛下と顔を合わした。

 その際に国王陛下から勇者の武具と旅の費用と仲間達を紹介された。

 ただ、その鎧には少し変わっていた特徴があり、フルフェイスのヘルムだった。

 俺は顔を覆うフルフェイスのヘルムで顔を隠していたのは、別に恥ずかしがり屋だったからでは無い。

 国王陛下の命で顔を隠していたのだった。

 勇者は真っ先に魔王軍に狙われる可能性が高いと言う事で、素性を隠しておけば…という話だった。

 あの時はそれを疑問に思わなかったが…という事は、魔王を討伐してから第一王子が勇者を名乗る事に関しては、かなり前から練られたものだったのだろう。

 そして王子が勇者と名乗り出したら絶対に村の者達が疑って騒ぎ出す事を懸念して皆殺しにしたという所だろうか。

 恐らくだが、俺がこの村から旅立ってからそれ程遠くない期間に襲撃されたのだろう。

 「そういえば…アイシャは⁉︎」

 アイシャは俺の幼馴染で結婚の約束をしていた女性だった。

 村の彼方此方を探したが、彼女の骨は見つからなかった。

 危険を察知して逃げ延びていてくれる事を祈って、取り敢えず俺はこの村から一番近い村に聞き込みに行った。

 だが、其処で聞かされた話は…?

 「数年前にベスタ村に王国の兵士達が向かって行ったのよ。とある逆賊を捕まえる為だと言ってね。でも、村の者達はその逆賊を匿った罪としてベスタ村の人達は皆殺しにされたの。」

 匿ったというのは恐らく虚偽だろう。

 初めからベスタの村人達を生かしておく気は無くて、生きているのは都合が悪くて周囲をしらみ潰しに探したのだろう。

 「そしてね、ベスタ村の者達が何人かこの村に逃げ込んで来たんだけど…その者達は村の離れにある納屋に連れて行かれて処刑されたの。」

 「そうか…埋葬はしてくれたのか?」

 「いえ、あまりにも悲惨な状態だし…離れの場所は村と外の中間にある場所にあるから、あの時以降に誰も近寄ってないと思うわよ。」

 俺はその話を聞いてその納屋に向かった。

 その中には数人の骨が転がっていて、その1つの白骨の指には…俺が以前に錬金術で作った指輪がはめ込まれていた。

 「まさか…アイシャなのか‼︎」

 俺はアイシャが無事に逃げ延びてくれると願ったが、それは叶わぬ事だった。

 そしてアイシャの指の先端の骨が少し削れていたのが見えた。

 更には壁を見ると、壁を引っ掻いた跡も見えていた。

 恐らくだが、アイシャは…。

 俺は激しい怒りの感情が体から溢れ出していた。

 魔王討伐の手柄を横取りされた事はどうでも良い!

 だが、関係無い故郷の者達に此処までの仕打ちをした者達が許せなかった。

 「王国と王族とかつての仲間達に騎士団と兵士達か…いや、いっその事王国そのものを潰すか!」

 だが、単純に殺すだけでは気分が晴れる訳では無い。

 最も絶望を味合わせて苦しめる方法を思い付いたのだった。

 「待っていろよ、王国の奴等!お前達は楽に死ねると思うなよ‼︎」

 こうして俺の復讐が始まるのだった。
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