豪雨被災小説(外部サイト)一覧

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◎こちらの作品はノベル形式ではなく台本形式になっています。 ボイスドラマを目的に台本として書いており、ボイスドラマを制作中です。続きはボイスドラマの各話がアップするごとに更新いたします。 [サガンパーV~プロローグ~] 佐賀県を舞台にオリジナルのキャンピングカーブランドを立ち上げていく若き女性起業家の物語。 令和元年 8 月 28 日…。 その日を決して、忘れることはないだろう…。 「雨…」滝のような降る雨…。道だった場所が激流の川となって、みんなを襲った。 後に令和元年の佐賀豪雨と呼ばれる激甚災害…。そして、その中心部にいる私…。 私が住む会社の社員寮があたり一面が凄い勢いで茶色い水に覆われていく、1 歩歩くことさえ困難な強い水の抵抗…。 足元から上昇してゆく泥水。助けを誰かの呼ぶ声と、どこからか聞こえる飼い犬達の悲痛に吠え続ける声…。 1 人では逃げることもできない大災害。 空を飛ぶヘリコプターの音、救助船のエンジン音。 これが私の最初の被災体験…。 数日の避難所生活を送り、私は勤める会社が復興するまで寮から実家通いとなった。 泥水まみれになった会社での仕事は数か月、ひたすら災害ごみを捨てる作業と床拭きや消毒作業などのハードな肉体労働…。因みに私が勤める会社Sカンパニーはキャラクター商品の企画や開発をする企業。でも、その仕事でさえ最低限もできない状況だった。 会社を復興させる為の融資のお願いに回る社⻑の姿…。近所のスーパー、飲食店、コンビニでさえも、水害でいつ復帰するか分からない。まともに食料も調達もできず、栄養補給という名の非常食を食べる日々が続く…。唯一の救いは、ボランティアで来てくれるキッチンカーの炊き出し弁当。泥まみれになり、全身筋肉痛の私の体の中に染み渡る温かいご飯。 時は流れ以前の生活に戻りつつある矢先の翌年、次は世界中を未知のウィルスが襲いかかった。 豪雨復興の糸口として始めた自社のキャラクターを使った喫茶店もその影響を多大被害を受けた。インバウンドで観光客が多いと言われていた観光地がゴーストタウンに変貌した。 その時だった。ちょっと変じ…少し変わってる社⻑の一声。 「炊き出しのキッチンカーで救ってもらった経験から、私たちでキッチンカーとキャンピングカーの新会社を起こすわよ!会社名は佐賀のキャンピングカーだから、そのままサガンパー!社⻑はあなたね!」この人は冗談を冗談にしない人(笑) この日から私の生きる道は決まった…。まさか、この翌年、更に未曾有の水害被災にあうとも知らずに…。
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登録日 2021.12.02
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