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ファンタジー 連載中 長編
ザラビスは、実に三〇億年にも及ぶ永い眠りから覚めた。  目を開けると、十三人の屈強な守護者たちが歓喜の声を上げた。彼らは皆、独自の感情を持つに至っており、その始まりは、第一の門――「アルマゲドン・ゲート1」にまで遡る。最古参であり、筆頭格のヴェルドーラは、その強大な力にも関わらず、守護者たちの長ではなかった。彼は第六の門を守護する宿命を背負っていたのだ。守護者たちの長を務めるのは、最後の門、すなわち第十三の門を守護するヴェルザカールである。ザラビスが眠りについてからというもの、彼らは主であり、王であるザラビスの帰還を待ち焦がれていたのだ。  歓待を受ける中、ザラビスはふと、ある存在のことを思い出した。それは、彼がかつて創造した、実の妹――ミジャルンである。  ミジャルンには感情を与えていなかったことを思い出し、ザラビスは己の不明を恥じた。  ミジャルンに与えられた感情は、陽気、冷酷、そして、ザラビスを侮辱する者を決して許さないという、赦しの心だった。その感情は、人間と酷似していた。なぜなら、ザラビスはほとんど全ての感情を気まぐれに与えていたからだ。ザラビス自身は、笑うことも、微笑みを止めることもなかった。  目覚め、守護者たちに迎えられたザラビスは、早速、食料を創造した。現代では、食料が必要だろうと考えたからだ。ザラビスは、未来を予見し、全てを知ることができた。しかし今、彼はその力を封印し、その出力は僅か〇・〇〇〇〇五%に過ぎない。ザラビスは、六万五千もの絶対能力と、七千もの絶対超越能力、そして三九九もの「アンチ」という言葉を封印していた。今の出力では、現実や次元を畏怖させるようなオーラを放つこともない。ザラビスは、そのようなものに飽き飽きしており、美しい変化を喜んでいた。  食料を創造した後、ザラビスは自身の王国から外へ出た。そして、自らが創造した多次元宇宙――「ニリオン・マルチバース」を眺めた。そこには、ザラビスが創造したあらゆる側面、概念、そして物語が存在する。ザラビスはまた、惑星、銀河、星々、そして宇宙を創造することで、生命を創造した。  ふと、ザラビスは、この世界の全てを探索し、何か面白いこと、楽しいことはないかと、密かに旅に出ることにした。自身の多次元宇宙から外へ出ると、無数の多次元宇宙と全次元宇宙に生命の息吹を感じた。その動きの遅さに苛立ち、ザラビスは無限の速度で駆け出した。そして、別の多次元宇宙、別の宇宙へと辿り着いた。ゆっくりと歩を進めると、銀河に辿り着き、そこで穏やかな生命のオーラを感じた。すぐに探知すると、その生命は天の川銀河に存在することが分かった。太陽系へ向かうと、大気を
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登録日 2025.12.01
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