貧困からの再生 小説(外部サイト)一覧
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今から10年前、楓雅とアンナはせんべい布団を飛行船にして、
毎夜、誰もさわれない国を目指していた。
パン耳と期限切れの牛乳があれば、
それで世界は完璧だった。
怯えるアンナの手を握りしめて、
「怖くないよ。ここは俺たちの国だから」と
まだ4歳の楓雅は約束した。でも、飛行船はどこにも着陸できなかった。
――誰かが着陸させてくれるまで。
登録日 2025.12.19
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