第13回絵本・児童書大賞

第13回絵本・児童書大賞

選考概要

年々応募作品数が増えている絵本・児童書大賞。第13回となる今回の応募数は916作品にものぼり、前回を超え過去最高のエントリー数となった。
大賞候補作となったのは、「バクの夢」「できそこないと呼ばれても」「パン屋さんのいぬ」「みんなで うさうさダンス」「ママは乳がん二年生!」「ドングリぼうやのたびだち」「普通じゃない世界」「とら・とらとら・とらら」「あしながマーキュリー」「よるのはじまり」「ほんとうは?」「おやこ」「なんでもできる うんちくん」「フーガのながいよる」「きいろぼたん」「いそがしい」「たまごそうせんきょ」「とんとんとうばん」「モジュモジュコクナイ」「かいじゅうをやっつけろ!!」「ニャンコクイズ」「あっぽ~」「すき!」「トムとピピの絵探しクイズ」「ねむれないときのえほん」「おやすみなさい ろうそくぼうや」「かいとう ちょびっと」「びろんびろんのうた」の28作。
最終選考の結果、いずれも個性はあったものの、ストーリーそして絵本の場合は画力も含め、突き抜けたレベルの作品はなかったため、残念ながら大賞はなしとした。次点として、絵本としての完成度が高い「トムとピピの絵探しクイズ」と「おやこ」を優秀賞に、予想外の展開が見事で編集部からの評価も高かった「ほんとうは?」をアイデア賞に選出した。また、これらの作品に次いで評価が集まった「パン屋さんのいぬ」「よるのはじまり」「びろんびろんのうた」の三作に特別賞を授与。その他、最終選考に残ったものの惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。寝かしつけに関する作品は多数見られたものの、残念ながら抜きん出た作品がなかったため、寝かしつけ絵本賞は該当なしとなった。

「トムとピピの絵探しクイズ」は、絵の中に隠れている熊のトムと鳥のピピを探す知育系絵本。緻密に描かれたイラストが美しく、トムとピピをはじめとする動物のキャラクター達も魅力的でレベルが高かった。

「おやこ」は、動物や人間の親子の一幕を描いたほのぼのとした作品。物語の雰囲気にあった温かみのあるイラストと、乳幼児の絵本として好まれる王道的な繰り返しが良く、全体的なクオリティの安定感が評価された。

「ほんとうは?」は、おばけの正体が実は青虫で、でもその中身がまた別の生き物(?)で……と、次々に変化していく意外性のある作品。本当は何なんだろうと最後まで読ませる力があり、まさにアイデア賞に相応しかった。

「パン屋さんのいぬ」は、食パンの形をした犬とパン屋さんのほっこりするお話。焼いたパンが犬になるという設定が面白く、可愛らしいキャラクターも評価を集めた。

「よるのはじまり」は、コミカルなおばけ達が夜な夜な体操するという内容。小さくなったりくっついたり、変化に富んだおばけ達の動きや擬音が楽しかった。

「びろんびろんのうた」は、わき毛や鼻毛など、「毛」をテーマにしたユニークな作品。絵や言葉のリズムが面白く、子供達、特に男の子が喜びそうな内容だった。

開催概要はこちら
応募総数 916作品 開催期間 2020年12月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。水彩風の幻想的なタッチが魅力的でした。楽しい夢はもう食べないと決めたバクや、バクの気持ちに寄り添うクマが織りなす優しいストーリーに、多くの読者がひきつけられたのだと思います。


編集部より

カラフルな色使いと生き生きとした動物のキャラクター達がとても魅力的で、明るく楽しげな雰囲気が多くの子供達に好まれそうです。また、街中から海、宇宙と変化する場面に合わせて、乗り物や恐竜といったモチーフが取り入れられていて、子供達の興味を引きそうです。ページをめくるのが楽しみな作品でした。


編集部より

親子のふれあいを柔らかいタッチの絵で見事に表現した作品でした。どのページも、動物の特徴をとらえていて、文章もリズム感が心地よく、全体的に優しい表現で見事に調和していました。子供だけでなく親もほっこりとした気持ちになる、まさに小さな子供向けの読み聞かせ絵本としてぴったりの一冊だと思います。


編集部より

ページをめくるごとに、オバケがアオムシに、アオムシがダルマにと、どんどん違うものになっていくアイデアが非常に秀逸でした。読んでいて純粋に楽しかったですし、予想外のものに変化するので心地よい驚きも味わえました。まさに、アイデア賞にふさわしい作品だと思います。

なし


編集部より

とても可愛らしい食パンいぬくんとパン屋さんとのほっこりするストーリーでした。短い物語の中にうまく起承転結が盛り込まれていて、子供にも分かりやすくまとめられていると思います。


編集部より

夜になっておばけ達が集まり、体操をする様がとても可愛らしい作品でした。変な顔をしたり、くっついてむぎゅーっとしたりと親子で実際に動いて楽しんだ読者も多いと思います。


編集部より

子供の素朴な疑問から「毛」を題材としている点がユニークでした。キャラクターが可愛らしく温もりがあり、子供達も親しみやすそうです。子供と一緒に体を動かしながら楽しめる絵本だと思います。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

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