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第六章 安寧

十五話 冒険者ギルド 二

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「要するに、その村で手に負えないから、街まで依頼が来たんですか」
「あぁ、そうだ。その依頼を受けたんだが、思った以上に手強くてな。やれると思ったんだが……」

 馬車の荷台でキリアンと名乗った獣人の男性が、暗い表情で事情を語っている。獣色が強い熊の獣人である彼は、一見すると熊そのままに見えてしまうほどだ。

「何とか死なずに逃げられたんだけど、ポーションを使わないとキリアンが危なくて、その時は慌てていて、余り考えずにギルドからツケで買ったのよ」

 ヴェラと名乗ったエルフの女性も、キリアンと同じく暗い表情で語る。長い金髪を背中に垂らし、エルフらしく整った顔立ちをしているが、どこか影がある印象を受ける。

「オーガが五匹ぐらいだったんですよね? 俺は最近本格的に始めたんで、よく分かりませんが、シルバーだと結構厳しくないですか?」
「本当はもっと人数がいるグループがやるような依頼なんだが、その……金額に目がくらんでな……。おびき出せばいけると思ったんだ」
「だから私は辞めようって言ったのに!」
「そんなこと言ったって、お前だって依頼を達成したら新しい服を買うとか言ってたじゃないか!」
「まあまあ、落ち着いて」

 これで何度目の仲裁だろうか。多分本来仲は悪くないのだろうが、ギルドに借金をしてしまい、かなり気が立っている気がする。
 まあ、これを失敗したら一文無しか奴隷になるかもしれないし、気が気じゃないか。その日暮らしの冒険者は思った以上につらい生活なんだな。

「オーガ程度なら、問題ないですから喧嘩せずにいてくださいよ。とりあえず、先ほど話したように、俺が三匹倒しますから、後は二人で頑張ってみてくださいね」
「ゼンもシルバーだろ? 本当に大丈夫なのか? 探知で強さが分からないほどの隠密があるのだろうが、あれは奇襲だけなんだぞ。……冷静に考えると、俺より子供に命を張らせるのか……」
「もしかして、私たちとんでもないことしてるかも……」

 気持ちは分かるが、さっきから感情の起伏が激しすぎるだろ。もう少し落ち着いて行動してくれよ。

「子供って言っても、俺一六ですよ。お二人もそんなに変わらないですよね」
「俺は二三だ。しかし、一六か……成人してるが、人族ならそれでも若いだろ」
「私は……」
「今年四十二だろ。何を恥ずかしがるんだ」
「貴方ねぇ……」

 獣人もエルフも、俺から見たら全く何歳か分からねえよ。これは人族なら、比較的普通のことらしいから、俺が特別な訳ではない。
 獣人の寿命は人とそれほど変わらないが、エルフは倍近く生きる。ヴァンパイアはもっと生きるらしいし、古竜は二千歳とか言っていた。
 これほど寿命が違う種族がいるのだが、余りその辺りは気にしている様子がない。初めからこの仕組みの中に生きていれば、当たり前のことなんだろう。

「村が見えてきましたね」

 同じ村の出身だと言う二人と馬車から降りる。
 彼らはシーレッド王国から流れてきたと言っていた。何やら、人族以外が住みづらくなってきているらしく、どうせならと隣国のエゼル王国へやってきたのだ。

「村には寄らずに、このままオーガの棲家へ向かう」
「村の様子を見ないで良いんですか?」
「……そうだな。ゼンだけで行ってみてくれないか?」

 こいつらもしかして、一度失敗したから顔出したくないんじゃ……。まあいいや、オーガの数匹ぐらい、さくっと討伐して今日中に帰ろう。実はもう少し面白い展開があるんじゃないかと、内心楽しみにしてたのに……

 村に向かうことはせずに、オーガが住み付いたという場所を目指す。
 ラーグノックの街から真東に位置するこの場所は、エゼル王国東部を縦断するフィオン山脈の最南端に当たり、シーレッド王国北部に跨がるヘルヴァン山脈にほど近い場所でもある。
 その麓の森の中へと俺等は進んでいく。

「近づいてきやがった……奴らの気配をビンビン感じるぜ……」

 確かに探知に気配は掛かっているが、至って普通のオーガの気配だ。いや、シルバー冒険者にしたら、かなりの相手か。つい最近まで、勇者やら三天やら魔王ばかりを相手していたので、ちょっと感覚がおかしくなってるな。
 魔王は別として、フリッツや三天は冒険者で言えば、最上位のダイヤモンドを卒業しているような奴らだ。この二人と比べることが間違いなんだよな。

「では、予定通り俺が他の亜人を押さえますから、お二人はその間にオーガを一体ずつ倒してくださいね。まあ、負けても良いですよ、即死でなければ何とかなりますから」
「そ、そうか? ゼンを信じるからな、頼んだぞ!」
「危なくなったら逃げても良いからね?」

 そう言う二人に軽くうなずき先へと進む。
 俺の探知には話に聞いていた通り、オーガ数匹を捕らえているのだが、聞いていた数より多い。それに加え、ゴブリンやトロールまでいるのを感じる。
 これだけの数がいるのは少し気になるが、二人を守りながら相手しても問題ないだろうと思いながらも進んでいると、少し様子がおかしい事に気付いた。

「ん? あっ、まずいですね。二人は帰ってください。数が多すぎます」

 多少なら大したことはないと思っていたのだが、急に探知が相当な数を捕らえた。多すぎて分からないが百はいるのではないだろうか。

「えっ、俺の探知にはゴブリンみたいなのは掛かってるが、他にはいないぞ」
「俺の探知はキリアンさんより上ですから、その先にいる奴らも捉えてます。倒すのは問題ないですが、百以上いるみたいなので、二人は飲み込まれたら死ぬかもしれませんよ?」
「やだっ! キリアン帰りましょ! 死ぬぐらいなら奴隷として生きるわ!」

 あぁ、奴隷になるほど金ないのか。しかし、死ぬぐらいなら奴隷か。人によるだろうが、生きてれば何とかなるからな。けど、これ程の数がいれば、ギルドも違約金は免除する気がするんだよな。
 あっ、ポーション代があったか。まあ、それはとりあえず後だな。

「お、俺は残るぞ! 村から出ていきなり奴隷になるなんて耐えられねえ!」
「お願いキリアン! 今は引くべきなのよ!」
「男には引けない時があるんだ。ヴェラ……お前は生きろ。こんな時だが、愛していたぞ」
「ッ! キリアン……」

 俺の後ろで何かが始まっている。そんなことをしているぐらいなら、早く逃げればいいのに……。自分と彼らの状況に対する温度差を感じて、何だか妙に心が落ち着いてしまった。
 今にも抱き合いそうな二人を見つめていると、オーガたち亜人が動き出すのを感じた。俺は隠密があるので、亜人にも気付かれないのだが、この二人にその能力は皆無だ。
 あちらにもその手の進化をしている奴らはいるだろうから、発見された可能性が高い。

「亜人がこっちに来てますけど、どうします?」

 手を取り顔を近づけている二人に俺は話しかける。すると、悲劇を演じていた二人はビクリと体を震わせて、急いで離れると俺の方へと向き直った。

「俺はやるぞ!」
「キリアンが戦うなら私も!」

 妙にやる気を出した二人だが、キリアンは多くの気配が探知に掛かり出したのか、急に辺りをキョロキョロと見回しては、一歩二歩とゆっくりと後退しだした。
 この状況、俺にしたら最早ギャグに見えてくるのだが、二人は死を覚悟する状況だ。予定では今日中に帰るつもりなので、彼らは気にせずにやることにしよう。

 俺はマジックボックスから【英霊の杖】と【草原の鐘】を取り出して、まずは【英霊の杖】を振るう。
 そして、召喚された四十体のスケルトンの内、二十体を二人の護衛として、残りのスケルトンは一列に隊列を組ませ、こちらに迫る亜人へと備える。

「はっ……?」
「ア、アンデット召喚?」

 これだけでは少し不安なので、【草原の鐘】でスノアを呼び出す。
 清らかな音を奏でる鐘を鳴らすと、空間が歪んでそこからスノアが現れ出した。
 亜人がこちらに迫る前にスノアは召喚され、深々と俺に頭を下げる。

「スノア、この二人を守れ。余裕があるなら攻撃しても良いぞ」

 俺の命を聞いたスノアは、「仰せのままに」とグゥと鳴くと、スケルトンに囲まれ固まっている二人の近くへと移動する。

「りゅ……う」
「ヒッ!」

 本来スノア一体でも全て討伐できる程度の相手なので少し過剰だが、スケルトンだけだと押されてしまうかもしれない。ファイヤーエレメンタルを呼べれば、ちょうどいいと思うのだが、今はそのちょうどが無理なんだよな。いや、森の中で火は不味いか。

 用意はできたので、固まっている二人はスノアに任せ、俺はスケルトンたちを伴って、こちらに向かってくる亜人の方へ歩いていく。
 中にはスノアの気配を感じ取ったのか、急いで逃亡している奴もいるのだが、大体の気配は変わらずにこちらに向かってきていた。

 戦いは一方的だった。大した進化をしていない亜人ばかりで、数も百程度だ。この数は昔キマイラが相手をしていた数だ。キマイラ程度に苦戦しなくなった俺にしたら問題がない数だった。投擲術を使わなくとも、【テンペスト】だけで全てを倒すことができる。スキル上げを兼ねて、弓術でも使うべきだったかもしれない。

 広範囲に散らばった亜人の死体を、スケルトンたちに集めさせる。そして、まだ生きている亜人を数匹集めて尋問だ。

「何故これだけの数がいたんだ?」

 話しかけてきた俺に、一匹のオークは傷に顔をしかめつつも驚きの表情を浮かべる。話は通じているはずだが答えないので、そいつは放って置きスケルトンに軽く剣でケツを突かせる。
 同じ質問をその隣で見ていたゴブリンに向ける。
 ゴブリンは怯えた表情を浮かべながら、自分たちは東から逃げてきたと語り出した。
 生き残っていた数匹の亜人たちも、みんな東から逃げてきたらしい。

 更に話を聞いてみると、どうやら東に亜人の大集団が出来上がり、周辺の縄張りを食い散らかしていると言う。
 周りの亜人たちもただやられるだけではなく、それに対抗すべく種族を超えた大連合が出来上がり、更にはそこに北の山を越えてきた亜人魔獣混合の勢力も加わり、大混戦の様相を見せているらしい。
 彼らはその争いに巻き込まれ、崩壊した群れから離れ安全なこちらに逃げてきたのだ。

「で、その東ってのはもしかして、東の大森林のことか?」

 俺の質問に亜人たちは何度も首を縦に振る。
 これはもしかして、あいつらなのか……?
 東の大森林と言えば、どうしてもゴブ太君たちのことを思い出す。この亜人たちの話を聞く限り、それは間違いなさそうだ。

 しかし、これ程の数が逃げ出す程の戦いか……。
 一瞬俺が行ってどうにかできないかと考えたが、ちょっと無理そうだよな。脳筋アンド脳筋な奴らを止められる気がしない。
 それにあの群れのボスはもうゴブ太君だ。俺がとやかく言うことではないだろう。
 ……でも、面白そうだから、落ち着いたら見学してみようかな?

 生き残った亜人たちは、人の地から立ち去ることを条件に解放した。行き先はもう山を越えるしかないのだが、あそこを超えるには亜人と言えどもかなりの危険が伴うだろう。戻るとしても炎竜の縄張りをもう一度通るのか。運良く食われずに抜けることを祈ろう。

 殺した亜人は全て回収して、残してきた二人の下へ向かう。
 少し歩くとスケルトンに囲まれて、スノアに怯えている二人の姿があった。

「終わったんで帰りますか。今回の件はギルドに報告すれば、違約金は発生しないと思いますよ」

 そう言いながら近づいてみると、周りには亜人の死体が多数転がっていた。切り傷などが殆どなので、スノアの出番はなかったかもしれない。

「…………」
「ち、ちょっと何か言いなさいよ……」

 完全に引いている二人に帰る旨を伝えると、黙って俺の後ろを付いて来る。歩きながらスノアには、大き目なワイルドボアを一頭マジックボックスから出して、背負わせ固定する。手は届かないが、帰れば炎竜がいるので大丈夫だろう。

 空に飛んで行ったスノアを見送りながら森を抜けた。短時間で片付いたので、まだ日は高い位置にある。これなら今日中に帰れそうだ。
 一応村に寄って被害があるか確認したが、何事もなく安心する。村の人たちを安心させるためにも、オーガの死体を数体出してやると、村長さんまで出て来て大げさに礼を言われた。
 しかし、同じく礼を言われていたキリアンとヴェラは、物凄く居心地が悪そうだった。

 帰りの馬車に乗り、暫くするとやっとヴェラが口を開いた。

「これ、私たちどうなるの……?」
「どうなるって、依頼達成しましたし、金になりそうな死体も手に入れたので、とりあえず奴隷にはならなくて良いんじゃ?」
「何もしてないんだけど……」

 今回はちょっと例外過ぎるので、彼らにも多少の取り分は分けるつもりだ。この状況で独占する程、俺は鬼ではない。

「何故シルバーなん……ですか?」

 キリアンが恐る恐ると言った様子で話しかけてくる。完全に怯えた熊ちゃんになってしまった。

「今まで、冒険者ギルドで仕事をしてなかったからですよ。依頼数をこさないとランク昇格試験を受けられないですから」
「はぁ……」

 今まで俺の力は散々他の人にも見せてきたが、ここまで引かれたのは初めてだ。でも、これが普通の反応なのかもしれないな。戦場でも多くの人が俺を見てるけど、あそこは一種異様な空気が支配していたからな。
 まあ、彼らもこれで助かるんだ。別に悪いことをした訳でもないし、余り気にせずに行こう。

 その日の陽が落ちる前には、ラーグノックの街に辿り着いた。微妙に間に合わなそうだったので、馬車を引く馬に強化魔法を掛けたら間に合った。

「ちょっと……ギルドマスター呼んできます。絶対に帰らないで下さいよ?」

 冒険者ギルドに辿り着き、確認の為付いてきた受付嬢が、頬を引くつかせながら走って行った。

 冒険者ギルドに隣接している、倉庫の中で今回倒した亜人の死体を取り出したのだが、その数は百を超えており、山のように積みあがっている。
 結構損傷も激しいので、解体をする職員は物凄い嫌そうな顔をしているが、出さないことには証拠にはならないし、俺だって二度手間は嫌なので、分ける事をせずに一度で終わらせたい。
 でも本来は、部位だけ持ってくるのが普通だから、嫌な顔もするか。

「なるほど、それでは今後はあの地域の警戒が必要ですね。レイコック卿……はまだお帰りじゃないのでしたな。ニコラス様に相談することに致します」

 これだけの数が出れば、領主も対応せざるを得ないだろう。後は名代をしているニコラス様が何とかしてくれるはずだ。

「それで……ゼン殿。いい加減昇格してもらえますかね? 実力者が低ランクにいられると、色々と問題がありますし、示しがつかなくなるので……」

 今のこの状況もおかしいのだろう。シルバーランクにギルドマスターが丁寧な話し方をして頭を下げている。何だか迷惑な客みたいな感じになってるじゃねえか……。

「……分かりました。今日はもう遅いですし、腹も減ったのでまた明日来ますね。依頼の報酬は三分割、素材は亜人の死体は処理費用を引いた分で、七割が俺、残りを彼らにあげて下さい」

 一体幾らになるかは分からないが、とりあえずこんな物だろう。ポーション代は余裕ででるだろうから、余った金は装備なり何なりを買って頑張ってほしい。

「それじゃあ、お二人ともお疲れ様でした」

 帰る前にボーっと突っ立っていた、キリアンとヴェラに別れの挨拶をする。ヴェラは何度もお辞儀をしていたが、キリアンは気の抜けた様子でいて、ヴェラに背中を叩かれて、ようやく挨拶を返してくれた。

 夕食には遅れてしまった。だが、再度暖めてくれた食事は腹が減っているからか何時もの数倍美味く感じる。今日は何があったのかとナディーネに聞かれたが、亜人百匹を狩ったと言っても、「大活躍ね!」ぐらいの反応しかない。
 慣れって怖いってことか?

 次の日の昼ごろに冒険者ギルドに入ると、いきなり丸テーブルに座っていた五人の集団に囲まれた。

「ゼンさんっ! すげえッス!」
「聞いたッスよ! 亜人虐殺の武勇伝を! かぁ~っ、やっぱ違うッスわ」
「うッス、自分調子に乗ってたッス。昨日はすみませんでした!」

 スッス言う奴が一人増えている。
 なんでこいつらこんなに首をヘコヘコすんだよ……。
 しかし、亜人虐殺の武勇伝か……、虐殺とか人が聞いたら勘違いするだろ!

「ゼンさん! 何もしてない俺らに、分け前を有り難うございます。これで、冒険者を続けられます!」
「今後は心機一転、できる依頼をやっていきます! あっ、これは余った金貨です」

 キリアンとヴェラが、昨日の様子とは一変、笑顔で俺に金貨数枚を渡してくる。ここで要らないと言っても、面倒なやり取りがありそうだから貰っておくか。

「何で一緒にいるの?」
「実は昨日ゼンさんに助けを求めたのは、チャラスさんたちに話を聞いたからなんです」
「私たちもゼンさんの凄さに触れて、今その話をしてたんです!」

 なるほど、そういうことだったのか。でも、テンション上がり過ぎだろ。もしかして、チャラ集団に引きずられてるのか?
 てか、チャラスって……。

「何か気が合うんで、俺ら五人で組むことにしたんッスよ」
「これもゼンさんの力ッスかね。人を引き合わせる力も伝説級レジェンダリーッスか!?」
「……そうなんだ、頑張ってね」

 俺は段々とこのテンションに付いていくことが出来なくなり、逃げるように受付へと向かった。

「これが、報酬と亜人討伐の常時募集している依頼分です。それに、素材になる部位を足して、解体費を引いた額がこちらになります。更に追加報酬があります。あれだけの亜人が村を襲ったら、滅んでいたでしょうから、その手当です」

 渡されたのは大金貨二枚と金貨が数枚。一日の儲けとしてはかなりの額な気はする。

「そしてこれが新しいギルドカードです。はい、おめでとうございます」

 渡されたのは銀よりも白く見えるプラチナカード。ゴールドを飛び越えて、一気に昇格したらしい。
 俺の後ろで五人組が、渡されたギルドカードを覗き込み五月蠅くしている。喜んでくれるのは嬉しいのだが、喜び方がやかましい。

 これで俺も晴れてプラチナ冒険者か……。全く達成感がないよ!

 こうして俺の短い冒険者生活は、一度幕を下ろしたのだった。
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