異世界ハーレム漫遊記

けんもも

文字の大きさ
上 下
67 / 107
第五章 魔物の森の変革期編

エルフ族長老会

しおりを挟む
俺はそのまま、王宮に飛んだ。王宮内を検索し、王の執務室にいる、国王を見つけた。
大臣みたいな奴と軍服みたいなのを付けたやつの3人で議論していた。

「国王陛下。冒険者ギルドに、黒目黒髪の人族の討伐依頼を出したのは、真ですか?長老会でも、手だし無用と決定された筈ですぞ。王はこの国を滅ぼすつもりか。」

「参謀長官殿、何をおっしゃるのです。皇太子を殺害されたのですよ。エルフ王国の誇りに掛けて、賊らを捉えなければならいでしょう。冒険者ギルドはその思いに応えて、自主的に討伐依頼を出したのでしょう。」

「この奸臣め。王宮の宝物庫から、われらエルフ族の魂「世界樹の杖」が盗まれそうになったなど、そのような作り話冒険者ギルドの判断だけで出来るわけがなかろう。第一、皇太子の死亡は、我々以外には知られておらん。まさかそのことも話したと言うのか?」

「参謀長官、そう言うな。すでに成したことだ。誰にもわからぬ。我々とは関係ない。単に、冒険者ギルドが賊退治クエストを出しただけじゃ。」

「ですから、そこになぜ、世界樹の杖を出すのです。王宮が裏に居ることが誰の目にも明らかでしょう。」

「そこは、尤もらしい理由をつけませんと。それに、我ら至高の存在であるエルフ族が、たかが人族の子供相手に討伐依頼を出すなど、それ相応の理由がなければあのギルドマスターを納得させられまい。あやつもそんなことはないことは解っているものの、王宮からの依頼を受けるのに、何かはっきりとした理由を示せと言うのでな。」

「その浅はかな考えが、どれだけこの国を危うくしているのかわかっておるのか?
国王陛下、今からでも遅くありません、すぐに依頼の取り下げを行うのです。」

「それは出来ん。出来んのじゃ。エルフ国の国王としての意地じゃ。」

俺は、この部屋を封印し、遮音結界を張った上で、

「理由は解った、しかし、お前らは判断を間違ったな。そこの参謀長官の考えがましだな。」

「誰じゃ」
「何奴」
「・・・」

「すでに、この部屋は封印しているし、遮音結界を張っている。妙なことするな。同じことをして、無駄に命を縮めたやつがいるぞ。」

そう言って、俺は、姿を現した。

「まず、この国の皇太子だった奴を殺したのは、俺だ。奴は俺の警告にも関わらず、俺と俺の妻達に言ってはならぬことを言って俺に敵対した。
そもそも、あの洞窟にあの程度の力で来ていたんだ。俺が殺さなくても、入口のブラックタランチュアの群れにやられてたと思うぞ。何を考えてあんなところに来たんだあいつらは。ともかく、俺がそっちの皇太子を殺したことで、この国が俺に敵対するなら受けて立つ。いくらでもかかってこい。
しかし今度のやつは最悪だ。何の関係もない罪を被せ、聞くところによるとお前達エルフ族の魂に手を出そうとした、極悪人として俺達を世界中に喧伝するとはな。」

「な、お前が、皇太子を。」

「ああ。屑だったからな。お前も屑そうだが。」

「貴さま・・・」

「うざい、黙れ、頭を上げるな。」

俺は、神威を発動して、3人にプレッシャーを掛けた。

人族の前に頭を下げるなど、プライドが許さないのだろうが、神威を当てられて、ようやく、自分達と俺との差を感じたようだ。

「すぐに長老会を招集しろ。できなければこの国が滅ぶ。世界中に散らばっているエルフ族を残さず殺す。そこの参謀長官、すぐに連絡しろ。ただし余計なことはするな。誰にも話すな。長老以外に俺の話を聞いた者はその場で殺す。お前の監視は常についている。行け。」

「王と、丞相は?」

「お前には関係ない。すぐに行け。」

長官だけを外に出し、王ともう一人は土魔法で拘束し睡眠魔法で眠らせた後、この部屋に閉じ込めておいた。俺は参謀長官の所に転移し隠蔽、気配遮断し監視をした。またその時に、長老全員の居場所も確認した。
1時間もせずに、全長老が集まった。参謀長官は俺のことは話さず、エルフ族存亡の危機だから、すぐに集まって欲しいと懇願する手紙を持たせて、1秒でも早く城に集まるようにしたのだ。
長老が集まった後執務室に参謀長官がやってきて、部屋に揃ったことを連絡してきた。
俺は、参謀長官、王ともう一人のやつをつれて、王の間に転移した。
転移魔法で俺達が現れたことで、長老たちはビビったようだ。転移魔法とか見たことないんだ、エルフでも、そんな風に思って長老を神眼でみてみると、おいしいスキルをもってる奴が結構いた。

「俺が誰だかわかっていると思うが、なぜここに来て、この場所にあなた達を呼んだのか、こいつらに説明させる。」

そう言って、王と、もう一人(丞相)の魔法を解き、官房長官に事のあらましを説明した。
説明が終わって、

「わしら、エルフの総意とは違う。そやつらの勝手な行動だ。」

一人の長老がそう言った。
「毒耐性」スキルを頂いた。

「だからなんだ。俺は、お前らエルフの下らんプライドの為に、世界中のやつらにエルフの魂を盗もうとした奴として喧伝されたんだぞ。」

「それについては、あやまろう。しかし、一部のエルフが行ったことを全てのエルフ族に負わせるのは、やりすぎだろう。」

はい、「麻痺耐性」頂きました。

「あなた、900年近く生きているようだが、そんなことも解らないのか?あなたたちが人族や他の種族を見下し、生きているのはあなたの勝手だ。
しかし、謂れのない中傷を生涯受け続け、死後の世界でも、そのように語り継ぐのだろう、あなたたち長命種族は。」

「我々は、そのようなことはせん。」

「ではなぜ、エルフ族と、人族の間に生まれた子供を忌み嫌う?なぜそれがエルフ族の中で当たり前のこととして存在している。そのことも知らないというなら、長老などと名乗る資格はない。」

「・・・・・・」

「はっきり言っておく。俺には、エルフだとか、人だとか、亜人だとか関係ない。俺と俺が守りたい者に敵対するなら、全力で潰す。痕跡も残さずだ。
この国の皇太子だったやつは、俺の忠告にも関わらず俺の妻達に言ってはならないことを言い俺に敵対した。俺に対することなら笑って許していたが、俺の妻達に対しては許さない。俺の妻の一人はあなた達が忌み嫌う、人族とエルフ族の間に生まれた娘だ。
俺がこの国の皇太子を殺したことに対して、怒り、反撃するなら、俺は受けて立つ。
しかし、永遠に一つの種族から恨まれ続けるような罪を擦り付け、俺と、俺の妻の存在を脅かすような行動をとったやつらを俺は許さない。」

「では、われわれは、どうすれば・・・」

責任転嫁をまだするか・・・「睡眠耐性」ゲット

「あなたたちは、本当に、エルフ族の知恵と良心の番人たる、長老会のメンバーなのか?本当にどうすればいいのかわからないのか?なぜ俺が、こんなまわりくどいやり方をして、このゲス王をここに生かして連れてきて、あなたがたを全員集めたのか、本当にわからないと?」

「申し訳ない。人族の方よ。エルフ族を代表して、深くお詫びしよう。
この度の一件は、われわれの意思とは異なるものであったが、エルフの国を束ねておった者の罪、われわれエルフ全体が犯した罪となろう。全エルフ族長老会として正式に謝罪する。」

「・・・・・」

「・・・・・」

「それで?」

「国王を更迭し、ギルドへの依頼も取り消そう。正式な賠償金をだそう。」

「で?」

「・・・・・」

「このゲス王がどうなろうと関係ないし関心もない。ギルドへの依頼を取り消すのは当たり前だよね。賠償金とかいらない。あなたたちなめてるの?」

「ちょっと待ってくれ、われわれも、いろいろ検討をしなければ、決められないことが・・・」

「本当に、危機感が足りないようだな。参謀長官とこのゲス王と、もう一人のゲス野郎との会話で、多少はエルフ国にも話のみえる危機管理がしっかりしている人もいるかと思っていたんだけど。俺は今回の事の顛末には長老会は反対の立場だと思っていたが、どうもそうではないようだな。要は、日和見で問題を先送りにしていただけか。」

それまで、部屋の隅で黙って立っていた、参謀長官が、

「待って下さい。もしもまだ、多少のお慈悲をかけてもらえるのなら、もう少し待って頂きたい。
長老会の皆様、本来であれば私のような者がこの場に入り、あまつさえ、発言をすることなど許されることではありませんが、どうぞお許し下さい。
今私たちは、私達が信仰する風精霊様に判断を迫られているとお考えください。
我らエルフ族に精霊の加護がなくなれば、すなわちそれはエルフ族の滅亡を意味します。
そのような危機的な状況にあるにもかかわらず、取るに足らない、エルフの誇りなどなんの役にたちましょう。そのような瑣事は捨て、エルフ族を存続させるため、成すべきこと、成さねばならぬことをすべきではないでしょうか。
どうぞ、今こそ、エルフの民を救うために、その知恵を働かせて下さい。」

職業欄で、エルフ族最高長老となっているやつが、

「その通りじゃな。我らが間違っておった。改めてお詫び申し上げる。
まず、この度の一件、全てのことを公に明らかにし、これに関わったものは身分の高低に関わらず必ず処分しよう。
また、王国の在り方もかえよう。我らが国を持つ必要はない。我はアルスラン王祖とともに国を作ったが、人族の王より我らの方が優れておると傲慢にも国を割った。我らこそが、人々を治めるにふさわしい種族じゃとな。間違っておった。
そなたの名誉を回復するためにできることはなんでもしよう。エルフ族として、最大限の感謝を込めて、その名をエルフ族の救国の主として称えよう。
また、そなたの妻達の対して、正式に謝罪したい。その機会を与えてくだされ。」

「まずは、そちらの謝罪を受け入れる。その上で、しばらく様子を見させてもらう。
俺達に対する感謝だとか、俺の妻達に対する謝罪は不要だ。すでに、あの皇太子とその取り巻きの命で、償って貰っている。
あとこの国の冒険者ギルド本部のマスターを殺した。今回の騒動の裏を確かめに、奴の所に行き話をしたんだが、俺にナイフをもって向かってきたんでね。デコピンで殺した。そのままにしてるから、処理してくれ。
このゲス王と、その取り巻きは、ここにおいて行く。どうするかは、そっちで決めてくれ。俺はこいつらがどうなろうと、感知しないし、関心もない。
あなたたちならわかっていると思うけど、はるか向こうにある龍の山脈に、龍族や龍神がいるとわかっていて、わざわざそれに手を出すバカはいまい。そこにいるのはわかっていても、何もしないのが一番だろう?
あなたが王祖と国を立ち上げたんだったら、知っていると思うけど、その王祖を見逃した竜、俺が屠ったから。それで俺がどのような存在か察してくれ。」

最後にちょっとだけ、神威を発動して、その場から隠蔽と、気配遮断で消えた。
しばらく様子をみていると

「行ったか。最後の威圧は・・・」

「王祖の竜の話は、真実でしょうか?」

「間違いない。竜が見逃したことを知っている者など、我らを除いて、いないはずじゃ。」

「では、この前の、魔物の森の異変は・・・」

「おそらくそうじゃろう。竜より巨大な力におびえて、魔物たちが森の外へ移動したのだろう。魔物の森の新しい主なのかもしれん。」

「なんてことだ、そのようなものに、われらエルフは目を付けられたと言うことか。」

「手を間違えれば、本当にエルフ族が滅ぶ。あやつが言ったのは本気じゃ。世界中のエルフ族を根絶やしにすることなど容易いに違いない。」

「手を出してはいけない相手に、手を出したのだ。ここで気付けて幸いだったと思うべきだな。」

長老たちの様子をみて、これで問題解決の方向に向かうだろうと安心して、森の家に向かった。途中、ほとんど連絡してなかったから、少し心配していたみたい。
ざっと事のあらましを説明して、取り敢えず、問題解決に向かうだろうから、しばらく様子をみることにした。どのような解決策をだすのか、長老会のお手並み拝見。
その日は、皆に心配をかけたお詫びとして、それぞれの娘と、二人っきりで亜空間部屋に飛んで、じっくりとイチャラブしてあげた。最長は、マリアとの丸2日。一番短いニーナでも丸一日、二人だけで過ごして、たっぷり繋がったから、戻った時には皆満足してくれたみたい。俺は全部で、1週間近く亜空間部屋で過ごしたことになるけど、無問題。
いやほんと、そのまま、あっちで皆とずっと暮らしたいほどだよ。こっちの世界は、本当に厄介なことが多すぎるし。

皆満足して、寝静まった後、これからのこと考えてみた。

まず、エルフの長老たちから貰った、新しいスキルは、亜空間部屋で過ごしている間に、上位スキルへ変化させた。「毒耐性」、「麻痺耐性」、「睡眠耐性」がそれぞれ、「毒無効」、「麻痺無効」、「睡眠無効」になった。
現時点で、毒や麻痺毒を持った魔物と遭遇したことはないけど、闇魔法でも麻痺魔法を使えるようだし、睡眠魔法は、闇魔法LV2で使えるような魔法なので、耐性スキルがあればいいのになぁとは思ってたんだけどね。ただ、基本、闇魔法は精神値に依存しているみたいで、相手の精神力が高いと効果はないみたいで、今の俺達には、死にスキルと言えば死にスキルではあるんだけど。
あと、麻痺魔法発動より、さらに多くのMPを消費する石化魔法と言うのもあるんだよね。これも、自分で実験していて気がついた魔法ではあるんだけど、ともかく石化という魔法がある以上、それにも備えておきたいなぁとは考えている。

と言うことで、当面の目標は
1.エルフ国の動向に注意し観察する。
2.魔物の森の状況を、自分達の家の周囲だけではなく、確認する。場合によっては、現在、森周囲に魔物が出て行かないように、森の辺縁部を中心に狩りをしているけど、中心部から魔物の討伐に向かった方がいいかもしれない。
3.エルフの国の王城の中に、かなり膨大な資料、本を置いている場所があると思われる。そこに行って、この世界の知識を集めるのがいいかもしれない。場合によっては、王国、帝国などの図書館など、大量の資料がある場所に行くのもありかも。盗賊みたいだけど。とはいっても、本をコピーして自分のアイテムボックスに蓄えるだけだけどね。これによって、並列思考の考察力が更に進むみたいだし。
4.できれば、この世界の支配階級とかと関わりたくないって思っていたけど、あっちから関わりあってくる可能性もあるから、場合によっては俺達の地盤を築いていた方がいいのかもしれない。この辺りは、マリア達と相談。

そんなところかな。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

貴方達から離れたら思った以上に幸せです!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:201,777pt お気に入り:12,087

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:9,089pt お気に入り:4,114

超人が異世界に転生したら

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:368

無能のフリした皇子は自由気ままに生きる〜魔力付与出来るのは俺だけのようだ〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,621pt お気に入り:1,099

処理中です...