関白の息子!

アイム

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秀頼ルート 黒幕捜査1

容疑者(エロ度☆☆☆☆☆)

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 さて、そんなこんなもあったが、桜には一先ず忍びに復帰してもらうことになった。
 毒の話のせいで一旦そっちのけになってしまったが、天海を調べる件だ。

「南光坊天海を調べる、ですか?」

「ああ。どうにも各大名とのつながりや、行長、ひいては大陸との繋がりがあるんじゃないかと思ってな」

 こじ付けに近い話ではある。
 だが、やはりどうにも気になる。

「・・・・・・正直に申しますと、疑わしいという段階ですらないのですが、私たちも気になっていた者がいるのです」

「ん? 天海以外にか? 誰だ?」

「林羅山という者です」

 その名前に思わず茶碗を落としてしまう。

「どうしてその者を?」

「そ、それより秀頼様、火傷は!?」

「いい。大丈夫だ。それよりなぜ林羅山の名が出てくる?」

 歴史が変われば、耳にすることもない名だと思っていた。
 正直に言えば、天海と同様に徳川家によって召し出されなければ、表舞台に立つことはない者だと・・・・・・。

 だが、豊臣崩壊の原因を創った者達の名が、今この時にこうして出てくると言うのは偶然ばかりではないだろう。
 しかし、彼らが関わっているとして、その結果が徳川家を滅ぼすとはなんと言う皮肉か。

「陛下はその者をご存知で?」

「・・・・・・儒学者、だろう?」

 それも方広寺の鍾銘事件に関わった、な。

「その通りですけど、よくご存じでしたね」

「そんなことはどうでも良い。・・・・・・で?」

「10年前の徳川との戦。あれはそもそも偽りの謀反で、正当性のないものであったと言う説を自著で述べています。また、主君であるべき天皇陛下と同格、引いてはその上に昇ろうとしていると陛下を非難していると言う噂があります。徳川ゆかりの将などがその言葉に耳を傾けていると言うことで、内偵を始めようと思っていたところでした」

 徳川ゆかり、か。
 言ってしまえば、縁のない大名の方が少ないのかもしれない。
 (細川)忠興や(黒田)長政だって、あの時は俺の近くにいたから徳川に付く機会すらなかっただけで、当初はどちらかと言えばあちらに付きたいと言う印象は受けていた。
 如水のおかげで無理矢理に仲間に引き込めたが・・・・・・。

 (伊達)正宗とて、正史なら五郎八は家康の子の嫁にしている。
 その前に戦となり、その話は立ち消えとなったが、徳川に付く意志は見せていたのだ。

「成る程な・・・・・・。林羅山の方の内偵は進めてくれ」

「はっ! 天海の方はいかがしましょう?」

「・・・・・・明日、会いに行く」

「・・・・・・は?」

 今、天海は比叡山にいるらしい。
 で、あれば、馬で駆ければ大して時間はかからない。

 まぁ、現職の僧侶が寺でいきなり殺そうとするとは思えないが、一応身分は隠していった方が良いだろう。

「また豊秀と呼べよ?」

「・・・・・・もしかして気に入りました?」

 いやいや、遊びでやるわけじゃないんだから!
 まぁ、ちょっとだけ、ほんの少しだけ楽しみではあるけど。


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