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第二章 マルシカの町に入り宿に泊まる町を観光する

6、マルシカの町の観光案内 町の噂と水切り遊び

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「外はどうだった?」

『『『楽しかった~、また行く~』』』

 満足してくれたようだ。明日は、メインストリートを回って川の橋と水車を見に行く。
 その先の農業区は人もまばらで、遠くに農作業をする人を見るくらいらしい。

「明日も、外に行くよ」

『『『カイト、だいすき~』』』

 ぽち、たま、うさ子が、飛びついてくる。お昼の後は、うとうとと眠りに入ったので、今は元気いっぱいだ。
 いつもなら、午前中にやる人間アスレチック、人間遊園地のメニューをこなしていく。

『カイト、もっと~』『『もっと~』』

 けっこう、よいトレーニングになる。本当に……ちょっ、きつい。



 次の朝、食堂にいると。

「「おはようございま~す」」

 マリウス君が、今日も来ている。うん、重度のシスコンのようだ。

『『『マリウス、しすこん~』』』

 ぽち、たま、うさ子……。変な言葉を覚えないように、気をつけなければ。念話で繋がってるから、ボクが使わないように……無理なのか?

 皆で、メインストリートに向かう。美味しい屋台の店を教えてもらい、最近の流行や町の出来事を聞く。

「武器店に、強盗が入って店主が殺されたらしいです」

「門でチェックしてるのに?」

「出るときは、何も無いので。犯人は、もう町を出ているでしょうね」

「でももう、どこの町にも入れないね」

「うん、外で死んじゃうと思う」


 武器店の主人て、あのアンブロスの腕輪を売ってくれた人だよね。気を引き締めよう、町の中でも気をつけないと。
 日本でだって、年々犯罪発生率は上がっていた。絶対的な安全なんて、あり得ないんだ。

 服飾店によったので、何かプレゼントしようと言ったら断られた。
 何故? そんな事をしたら報酬は別で貰っているので、レベッカさんに怒られるらしい。

 成金ちらつかせて、嫌われたかと焦ったよ。
 何か理由か……?

「じゃあボクの服を全部、アリスちゃんメアリーちゃんで、コーディネイトしてくれるかな?
 そのお礼に、一点ずつということでどう?」

 一回、半袖を却下した。服は長袖でないとダメだ。
 アンブロスの腕輪を展開して、見えるのが手首から先だけなら、ギリギリ許せる範囲になるだろうからね。


 少し後悔した、待ち時間が長い。……マリウス君もごめんね。

 
 メインストリートを出て北へむかう。途中に、神殿があるというので寄らせてもらう。
 この大陸で、広く信仰されている女神ミューズ様の神殿だ。

 お祈りをささげると……。うん、ちょっと期待したが、テンプレ展開は無かった。
 自動サポートだものね。

 橋や水車は、見に来て良かった。レトロな手作り感。それでいて、しっかりとした技術。ボクには作れないだろう。

 石を投げて水切りをするのに、良さそうな場所をさがした。
 水切りに向いている石の形を教え、入魂の投石。おおっ、なんか新記録だ。どう見ても30回を軽く超えている。

「こんな、感じです。新記録? 40回くらい行ったかな……ハッハハ」

「おおっ、何か跳ねる感じが、面白いですね」
「「うん、面白い」」

「僕達も、やってみますね」

 そう言えばマリウス君なんてスキル持ってるし、アリスちゃんメアリーちゃんも練習してるんだよね。
 マリウス君、軽く100回は超えてるはず、アリスちゃん、メアリーちゃんも50回は超えているだろう。
 さっきの「新記録?40回~」発言を忘れていてくれる事を祈る。

『カイト~しんきろく、わすれたよ』『『40回、わすれた~』』

『うん、忘れてくれたか……。ありがとう』



 農業区の田園風景を眺めて、お昼ごはん。
 ポテチとキットカットの抹茶と苺、ベストミルクチョコを添える。

 アリスちゃんおめでとう。ボクの持っているお菓子は、これで全制覇したハズだ。
 新鮮な狂喜乱舞は、今日が最後なのだろうか? 記念にスマホ動画を取っておこう。


 今、スマホは二台持っている。二台目を生成した時に、電池だけ外して解析した。内臓電池はMP2で生成できる。
 以来、スマートフォンは気軽に使えるようになった。

 さらに、雷魔法で充電が出来るか試している。電池切れしたら充電魔法の実験に使う。

 
 食べ終わると、マリウス君が昨日同様、お菓子の包みをまとめて、ボクに仰々しく返してよこす。何故?
 

 一通り、マルシカの町の観光が終り、ぽち、たま、うさ子が外で人目に付かない場所も見つけられた。


 まだ異世界で、ボク以外の日本人を見かけない。
 この町には、いないのか?

 出会うには、何れは世界に旅立つ必要があるのだろうか?

 その時まで、ぽち、たま、うさ子の成長を見守って、強くなっておこう。


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