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(4)弘樹の美少女マスク体験!

鏡の中の美少女

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 マスクというものは視界を制限するものだ。それはプロレスラーのマスクマンの例を出すまでもないことである。目の前に遮るものがあるので当然だ。

 俺は真里亜の美少女マスクを被った時、外の風景は瞳の部分から見る事になるが、その構造は仕様によって異なる。もっとも中には睫毛のところにある穴からみるという変わり種もあったりするが。

 それはともかく、瞳のところの一部が網目構造になっているメッシュ系と曇りガラスのようになっているスモーク系がある。
 今回被っている真里亜はスモーク系で薄っすらとあるが外の風景が見えていた。でも瞳の部分の一部しか見えないので視界は狭かった。

 しかも大変だったのは顎が固定されたようにしゃべりにくかったのだ! まあ「内臓」なのでしゃべる必要などなかったが。

 「乱れた髪を櫛でといであげるからね真里亜ちゃん。そのあとは鏡をみましょうね」

 相川さんは俺を本当の人形のように扱っていたのを感じた。そう今は外から見れば俺は美少女にしかみえないのだろう。そう、コミックフェスの時にたくさん写真を撮った真里亜にしか!

 「はじめてだから歩きにくいだろうけど、こっちに来てね」
 
 相川さんは俺の手を引っ張ってくれた。誰かが言っていたが肌タイの上を触られると別の生物に生まれ変わったかのような感覚になるということだったが、その話は真実だと思った。

 「さあ、大きな姿見の前に来たから真里亜ちゃんになった自分をみてちょうだい!」

 相川さんに案内されたのはダンス教室なんかによくある壁一面に貼られた巨大な鏡だった。そこに映し出されていたのは「アルテミスの美少女」の真里亜だった。内臓が俺の!

 この時、この美少女が俺なのかとマジマジと見つめていた。そして何故か初恋の時の事を思い出した。もちろん相手は志桜里ではなかった!

 こんな可愛らしい彼女がいたらなんて中学生の時にバカな妄想をしたことがあったけど、それって今から思えば幼い恋だったということだった。そんな幼い時の妄想を思い出した俺は、真里亜の内臓になっていることをいいことにとんでもないことをやり始めた。ちょっとエッチなポーズを!

 鏡の中の真里亜は思い通りにファンの野郎どもがみたら悲鳴を上げそうなポーズをしていた。そう、鏡の中の真里亜は俺の奴隷だった!

 そんなことをしていたら、相川さんが軽く頭を小突いてきた。

 「気持ち分かるけどさあ、あんまり真里亜ちゃんに変な事しないでくれる? まあ君には基美ちゃんと一緒にファンには絶対見せれないことをやってもらう事になるけどな!
 それにしても、やっぱり君は先生が言われる通り、真里亜のイメージに合っているよ!
 取りあえず、今日は新型の真里亜の着ぐるみ制作のための採寸させてくれ!」

 新型の真里亜の着ぐるみ? なんだろうかそれって?

 


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