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第3章 王都にて(後)

第71話 ようやく終わるよ

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「二人とも!!

ちゃんと僕の言うことを聞いてよ!!

エレンは僕に優しくしてくれただけだよ!!

エレンはリカルド兄上にとりいろうとなんかしてない!!

エレンを悪く言うな!!」

ユーリは体調が悪い身体に鞭を打って、

力を振り絞るように二人の姉にむかって叫んだ。

姉たちのことは嫌いじゃなかったが、

エレンを悪く言われるのは我慢できなかった。

力いっぱい叫んだあと、

ゼェゼェと肩で息をするユーリをみて、

二人の姉は驚きすぎて固まった。

ユーリも体力の限界が近かったので、

ユーリの部屋は沈黙に包まれた。

「はいはい。二人とも。

ユーリは体調が悪いんだ。

今はゆっくり寝かせてあげてはくれないかい?」

沈黙を破ったのはうさんくさい爽やかな笑顔でユーリの部屋に入ってきたリカルドだった。

「「お兄さま!!」」

ユナとサナは同時に叫ぶとリカルドにとびついて、

「お兄さま!

ユーリがユーリが、あの可愛かったユーリが私に口答えを!?」

「お兄さま!

エレンとかいう小娘に何かされませんでしたか!?」

二人はそれぞれ涙目になりながらリカルドを揺さぶった。

「はいはい。

とりあえずユーリの部屋から出ようね。

ユーリ、二人を止められなくてごめんね。

ちょっと母上のお説教受けてる間に二人が帰ってきちゃって、

何をどう聞いたんだか、

暴走してユーリの部屋に突撃しちゃったみたいで。」

これでも急いで来たんだけどとリカルドは言い訳した。

「お説教!?お兄さまがお母様から!?

やっぱりエレンって子のせいで!?」

リカルド命のサナは懲りずに金切声をあげた。

「はいはい。エレン嬢はなにも悪くないよ。

ちょっと別の部屋でちゃんと話し合おう。」

リカルドは若干無理やり二人を部屋から押し出した。

「ユーリ、あの二人にはちゃんとうまく言っておくから、

安心してお休み。」

リカルドはそう言い残して、

ゆっくり扉を閉めて部屋を出た。

やっぱり兄上には敵わないと回らない頭で考えると、

力を使い尽くしたユーリはベッドに倒れこみ、

ユーリは深い眠りについた。

ユーリの嵐みたいな一日は漸く終わりを告げた。
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