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4,幸せになりたいだけなのですが。
しおりを挟むエルヴィスの部屋から出て少し歩いたところで、リヴィウスが振り返る。
「お前はもっと賢いと思っていたが」
「…え?」
「もう暗い。そんな時間までエルヴィスといた。何を噂されても文句は言えまい」
「陛下、それは……夢中になっていて、」
「夢中?なにをだ?なにに夢中になっていたと?」
「疚しいことではありません、話に…」
「つまり私と話すよりもエルヴィスと話すことの方が楽しいということか!」
なにいってんの、この人。
そもそも話す内容が違いすぎる。
「…私はずっと旅に出てみたかったので、エルヴィス様の話が新鮮でした。なので夢中になったということで…」
「なんだと?旅なんて出れるわけがないだろう!」
「わ、分かってますケド…」
夢くらい見せてくれてもいいのに。エルヴィスのように、楽しい話を。
「…まさか俺にねだるつもりか?エルヴィスと旅に出ることを許せなど、間違っても言うなよ!?」
「へ、陛下…」
「いいか、もうエルヴィスには近付くな。王命だ、分かったな?」
「何故…」
「何故、だと?私以外の男と二人になりたいというのか!」
「そんな…間違いなんて、女でもあるまいし起きるわけがないのですから」
「起きるわけがないと油断していたらお前はやりそうだからな!何を考えているのやら…!」
…めんどくさ。
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