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最近、隣人の姿を見ない。
タワーマンションの隣室に住む蓮水夫妻は、いつも仲睦まじい二人だった。
爽やかな夫と、春の陽だまりのように可愛らしい「妻」。
けれど、いつからか二人の姿はぷつりと消え、バルコニーに置かれたライムの木だけが、誰にも水を与えられぬまま枯れかけていた。
そんなある夜、隣室から何かが砕ける激しい音が響く。
気になって訪ねた先で主人公が目にしたのは、血まみれになった蓮水だった。
そして部屋の奥には、夫の遺影と、白い骨箱。
死者を愛し続ける男と、そんな男を愛してしまった男。
これは、ひとりの死をきっかけに始まる、残された者たちの、少し不器用で、とても優しい恋の話。
残された者たちの、少し不器用で、とても優しい恋の話。
文字数 6,526
最終更新日 2026.09.10
登録日 2026.09.08
隣国の王家に生まれた第二王子・冬野凪音は、両国の和平を確かなものにするため、若き王・篁宵へ嫁ぐことになる。
愛のない政略結婚。
男である自分は世継ぎを残せない。正妃とは名ばかりの、お飾りとして静かに暮らせればそれでいい――そう思っていた。
けれど婚礼の日、王は何百人もの参列者の前で礼儀を破り、凪音の唇へ口づけを落とす。
「お前は正妃だ」
二十人もの妃を抱えるはずの王が向ける、あまりにも特別な執着。
その真意が分からないまま始まった王宮生活では、妃たちの嫉妬と陰謀が渦巻いていた。
偽りの夫婦として始まったはずの関係は、少しずつ互いの孤独と過去を溶かしていく。
これは、鏡に映る花のように届かないと思っていた想いと、水面に浮かぶ月のように掴めない愛が、本物へと変わっていく物語。
文字数 55,708
最終更新日 2026.08.13
登録日 2026.07.25
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