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 町はずれの何もない草原に建つ不思議な建造物。  原初の姿を保った自然溢れる土地の中にセメント造りという。アンバランス極まりない。  表門と思われるものを潜り、木と鉄で出来た玄関の扉の前に立つと表札があった。  表札には「逢魔ガ時怪異研究所」と表記されている。所々に子供の落書きのようなものも書かれていた。  ここはどんな場所だろうと、皆様も思われるだろう。さて、どう説明しようか...。  ― ”誰にも信じてもらえないような物語”が歩み寄る場所、というのはどうだろうか?  なんだか浪漫があってよいのではないだろうか。    百聞は一見に如かず、さぁ、あがって?見たほうが早い。  おっと、申し遅れました。私は火黒(かぐろ)、この研究所の所長です。  といっても、私一人しかおりませんが....。  あなたが“此処”に来た理由もわかっています。では、お聞かせください。  — あなたが誰に相談しても信じてもらえない“物語”を.......。
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文字数 2,535 最終更新日 2021.08.01 登録日 2021.08.01
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