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明治から大正へ。馬車から自動車へと移り変わる頃の美しい土塀の町。
英国企業に勤める紳士の義父をもつ佳世は、賑やかな日常の傍ら、実家へと通う日々を送っていた。
目的は、和裁士として類稀なる腕を持つ姉・梨世の手伝い。
いつも眼鏡をかけ、堅物で気難しく見える姉。
だが佳世は知っていた。姉が曇ったレンズを外した瞬間に見せる、煽情的なほどの美しさを。
そして、実家を訪れる高名な日本画家と、姉との間に流れる、静かで濃厚な空気の正体を――。
激動の時代、自分の世界とともに生きた姉・梨世。
妹の佳世の目を通して描かれる、時を超えて受け継がれる「恋」と「手しごと」の優美な記憶。
文字数 22,537
最終更新日 2026.07.16
登録日 2026.07.04
出征する兄の親友を見送った、玉砂利の白い道。
「待っとる」と泣いた少女に彼が残したのは、一本の万年筆だった。
歳月が流れ、戦後の復興に沸く町で再会した隼人は、かつての面影を失い、夜の街で派手な女性たちと虚ろな笑みを浮かべていた。
――私の知らない、遠い世界の人。
諦めようとする美夜だったが、桜舞う川沿いで、二人の止まっていた時間が再び動き出す。
戦争が残した深い傷跡と、一途な想いが重なる夜。
「花あかり」の下で明かされる、彼の真実とは。
この物語は、ここから始まる長編『土塀の町で兄の親友に恋した私。凍る大地からの帰還兵とメープルホテル』の前に執筆したショートエピソードです。
戻ってきた隼人が連れていた女性は誰なのか?
動き出した戦後の町で、美夜の恋はどう動いていくのか?
本編では、メープルホテルを舞台にした再会と、過酷な運命を乗り越えた人々の再生を詳しく描いています。続きが気になった方は、ぜひ本編も覗いてみてください。
文字数 8,330
最終更新日 2026.04.11
登録日 2026.04.11
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