1
件
言葉に触れられない少女は、言葉を支配する男に出会い、少しずつ変えられていく。発話の苦手なノズには、故郷も、親も苗字も、恋人もいない。安宿で働きながら、マッサージ師として独立するのが、彼女のささやかな夢。
ある日、宿に現れたのは、『ロス・バンディドス』と呼ばれる知の反逆者集団のひとり、言語学者のゼファ。翡翠の瞳と白銀の双刀を持つ美麗な男は、ノズに“声”を与え始める。ただし、彼のレッスンは、接触過剰。
「綴りを教えてやる。ただし、一語だけだ」「じゃぁ、あなた……名前」
舞台は、文字の使用が禁じられた世界。読み書きは支配層の特権とされ、書物の保持は重罪にあたる。叡智で禁忌を犯す男と、沈黙に慣れた少女――ふたりにとって、発音は愛撫に似て、綴ることは触れること。
ノズが話せない理由、文字禁止世界の闇、ロス・バンディドスの目的――が着地点。
*言語学関係の用語が多いです。
*設定重め、世界観暗め、お話は長めです。
*倫理観は現代日本のものと違います(価値観ズレ・犯罪行為許容・性的な乱れ)*繊細な方は、ぜひ自衛なさってください *濃い目R18エピソードには☆付き(薄いやつは予告なし)*「残酷な描写」は、一応タグ付けた程度
文字数 68,023
最終更新日 2025.05.30
登録日 2025.05.08
1
件