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魔物を倒せば、素材や装備が手に入る。強い魔物ほど良いものを落とす――とは限らない。そこら辺に蠢いている雑魚が、とんでもない希少品を落とすことだってある。
だから冒険者は今日も魔物を狩る。金のため。装備のため。そして何より、まだ見ぬレア泥のため。
「あと一回で殺すの止めてあげるよ。その代わり、レア泥寄越してね? ほら、僕たちって友達じゃん? ね、頼むよー」
欲しいものに限って出ない。
要らないものに限って出る。
千体狩っても出ないのに、隣の新人は三体目で出す。
これは、そんな理不尽な確率に一喜一憂し、出なさすぎた魔物にはクソみたいなあだ名を付け、それでも「次こそ出る」と狩場へ向かう――物欲センサービンビンな冒険者の生態を描いた物語である。
文字数 12,080
最終更新日 2026.09.21
登録日 2026.09.21
聖騎士スタン・カルティエを殺せ。
白髪と赤眼を持つ暗殺者カガンが受けたのは、それだけの依頼だった。標的はイェレミア王国騎士団長。民を守り、異形を討ち、人々から「聖騎士」と称えられる男。善人だろうが悪人だろうが、カガンには関係ない。殺して、報酬を受け取る。それで終わるはずだった。だが、暗殺を決行しようとした夜、王都の空が裂けた。
千年前に倒された魔王の呪いとされる怪物――「異形」が王都へ降り注ぐ中、カガンは奇妙な異変に襲われる。
スタンから離れるほど、胸が痛む。
理由を確かめるため戦場へ向かったカガンは、やがてスタンと接触する。
その瞬間、二人の鼓動が重なった。
燃え尽きた街。巨大な魔術式。見知らぬ人々の祈りと憎しみ。そして、自分たちによく似た二人の人影。
その記憶が流れ込んだ直後、王都を襲っていた異形は一斉に灰となった。
なぜ、二人は同じものを見たのか。
なぜ、互いから離れることができないのか。
そしてなぜ、異形は死の間際に人の言葉を口にするのか。
答えを求める二人は、やがて千年前の魔王討伐に隠された真実へ近付いていく。
英雄が魔王を倒したという歴史は、嘘ではない。
魔王が世界を滅ぼそうとしたことも、嘘ではない。
ただ一つ、人類は知らなかった。
なぜ魔王が生まれたのかを。
文字数 51,602
最終更新日 2026.09.09
登録日 2026.09.05
パーティの盾役として、今日も魔物にボコボコにされて死んだパラディソ。死に戻った彼は、下着一枚で宿屋のベッドの上にいた。
「……なんでオレだけ毎回殴られてんだ?」
高耐久だけが取り柄のパラディン。だが、火力の低さに限界を感じたパラディソは、誰もやらない狂気のビルドへ手を出す。
防御? 捨てた。
耐性? 知らん。
必要なのは、攻撃速度と運だけ。
AGIとLUKに極振りし、当たらなければ死なない理論で最強を目指すことにしたのだ。しかし、レベル1に初期化された彼を待っていたのは、ゼリスヨに顔面を溶かされ、装備をロストし、下着一枚で街を疾走する地獄だった。それでもパラディソは止まらない。
「武器がねぇ? 殴りゃ良いんだよ!」
これは、守るだけだった男が、拳と幸運だけで世界をぶん殴る物語。
文字数 20,178
最終更新日 2026.05.22
登録日 2026.05.22
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