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始発の電車に揺られて、とれない疲れを背負って出勤する。
だから、途中居眠りしてしまうのも、仕方ないと思っていた。
夢と現実の境目をゆらゆらと揺蕩っていると、となりに乗ってきた乗車客の荷物の角がするりと太腿をなぞった。
――ふと体が思い出したのは、かつて付き合っていた恋人とのセックスだった。
耳にかかる温かい吐息と、蜜口をなぞる骨ばった指が脳裏によみがえる。
腰を掴み奥を抉る挿入に、こぼれてしまう嬌声を必死に飲みこんだ。
うたた寝の夢の中なのか、それとも現実なのか。
いけないと思いながら耽る淫靡な行為に、奥底に沈められていた官能がよみがえる。
文字数 5,685
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.17
意識が戻ったかと思えば婚約破棄の場面だったとか、朝になって起床したら知らない世界でしたなんて、ド定番だろ?普通はそんなのありえないわけだ。――だけど、それを証明できる奴っているのか?
俺なんかド定番を斜め上にいって、マジどうしようかって現状にいる。
「ここはどこ?」「俺は誰?あなたはどなた?」「今何月何日?」「状況の説明を!」
まさかリアルでいうとは思わなかった。はた迷惑な面倒ごとに巻き込まれた感が否めないのだが。
――降りかかる火の粉は、俺らしく振り落としていきますか。
文字数 51,249
最終更新日 2025.09.21
登録日 2024.11.03
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