後宮に勤める女官の紫燕は、その文章の才と筆跡模写の能力で妃や宮女たちの恋文の代筆を請け負っていた。しかし、彼女が代筆した手紙がきっかけとなり、妃同士の諍いを引き起こしてしまう。その渦中、紫燕は皇帝の秘書官である文瑜に突如呼び出され、政敵の情報を集めるために偽の恋文を書くよう命じられる。飄々として掴みどころのない文瑜の態度に苛立ちを覚える紫燕だったが、彼の過去に隠された真実と不器用な想いに触れる中で、徐々に心を動かされていく。「嘘」が織りなす中華後宮ファンタジー。
文字数 10,031
最終更新日 2025.02.16
登録日 2025.01.30