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ファンタジー 連載中 短編 R18
慈愛の女神リュナ・エルシア。その権能《ゼロ・グレイス》は、対象の人生に“慈愛”そのものを重ねる神の奇跡。発動と同時に因果律を停止し、運命そのものを浄化する――解析も、対処も不可能な絶対権能である。 この能力が反転すると、女神は神鳥《ルミナ・フェニックス》と融合。太陽の女神として昇華し、全ての悪を不死鳥の炎で赦しながら滅する。彼女は、敗北という概念を知らない。 そんな彼女の創造者であり、物語世界の「原作者」を消し去ろうとする勢力が現れる。 別次元より来訪した〈反女神組織〉。女神を倒す手段がないならば――「いっそ、創造そのものを阻止すればいい」 原作者が彼女を描かなければ、女神は存在しない。因果の根源を断ち切る。それこそが、唯一の勝機。 この結論に幹部たちは一致する。 だが、相手は“全知全能”の存在。動けばすぐに気づかれる。ゆえに慎重に、時間軸を操作しながら過去に潜入し、原作者の人生そのものに介入する――そのはずだった。 だが彼らは知らなかった。 “慈愛の女神”は、すでにその動きを見通していたということを。 「――おかえりなさい。私の創造主に、何のご用かしら?」 これは、神の目さえ欺けぬ者たちによる反逆の物語。 そして“創られし存在”が、“創り手”を守るためにすべてを凌駕する、慈愛の奇跡である。
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文字数 7,401 最終更新日 2025.05.23 登録日 2025.05.22
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