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死んで、猫になって、獣になった。
冷めた心のまま、虚しく死んだはずだった女。次に目を覚ましたのは、見知らぬ森の中。白い髪、猫の耳としっぽ——前世の記憶を抱えたまま、猫獣人シロナとして異世界に転生する。
慣れない体、慣れない世界。それも悪くない、と思い始めた矢先に気づいてしまう。獲物を斬るたびに、命のやり取りをするたびに——この身体は発情する。疼き、昂るその熱とともに、弱った者をいたぶることに、たまらない愉悦を覚えてしまう自分がいることに。
誰も知らない。誰も気づいていない。それでいいはずだった。
けれど、ある日、恐ろしい牙を剥いた怪物と対峙したとき、シロナは見てしまう。弱者をいたぶり、愉しむその瞳に——自分自身の影を。
強くなることは、化け物に近づくことなのか。悩み、葛藤しながらも、隣を歩く者たちの体温は、思いのほか温かい。
前世で誰にも期待しなかった女が、「悪くない」と思える世界で、自分の中の獣とどう向き合うのか——猫耳の転生者が紡ぐ、欲望と孤独と、ほんの少しの救いの異世界転生ファンタジー。
※本作はノクターンにも同時掲載しています。
文字数 5,093
最終更新日 2026.08.12
登録日 2026.08.12
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