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 1129年正月。高平太と呼ばれていた少年は元服し、平清盛と名乗った。この少年は後に、人臣の位を極め、一門の半分を公卿に昇らせ、「平家にあらずんば人にあらず」と言わしめるまで出世する。  清盛は春の除目で破格の待遇を受けた。このことにより、「彼の本当の父親が忠盛ではなく、白河院ではないのか?」という噂の信憑性が増した。街中を歩いているときに絡んできた藤原頼長から、彼についての衝撃的な事実が明かされる。そして、その事件をきっかけに、自分の願いの一部分に気づく。  清盛はたくさんの人たちと出会い、別れ、そして時に楽しく、時に傷つきながら、一人の武士として、そして人間として成長してゆく。  だが清盛は、感情が昂ったとき、自分の記憶が無くなっているという不思議な現象に気づく。その答えを知る忠盛に話を聞いてもらおうとしたが、亡くなってしまう。  父の死後起きた保元の乱では、美福門院の命令、母親と信西の薦めで後白河天皇方について勝利を治める。だが、これは栄光への架け橋となると同時に、親友源義朝とすれ違う原因となってしまった。  1159年12月。藤原信頼に唆された義朝は、清盛の不在を突いて反乱を起こし、後白河院を幽閉。「天皇親政」をスローガンにその息子二条帝を担ぎ上げ、信西を殺害する。  もう一人の友人信西(藤原通憲)を殺されたことを知った清盛は、怒り、その仇を討つために京都へ駆けつける。女装して御所から脱出した二条帝を保護し、官軍となった平家の軍勢は勢いづき、都の郊外で源氏を迎え撃つ。  勝者となった清盛は、近江で捕まった義朝の息子頼朝と対面。  清盛は頼朝をこの場で殺そうとしたが、母親と頼盛といった家族からの反対の声に負け、伊豆の蛭が小島へ流罪とすることに。  1167年清盛は武家で初めて太政大臣の位に就く快挙を成し遂げ、まず最初に病床の家貞に報告する。これを聞いた家貞は満足そうな表情を浮かべ、天国へと旅立た。  そして熱病にかかったとき意識を失ったとき、その奥底に住む清盛の肉体の本来の持ち主、平将門が現れる。  意識の奥底で清盛は、将門と戦うが、圧倒的な力の差で負けてしまい、肉体を乗っ取られてしまう。  出家した清盛(将門)は、生前叶えられなかった、「平氏の王朝」を建てるために、後白河院と対立する。 (カクヨム、なろうにも連載しています)
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文字数 39,404 最終更新日 2022.05.30 登録日 2020.11.07
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