bitternectar

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ファンタジー 連載中 短編 R15
会社帰りの夜、男は自室のソファで奇妙な鈴の音を聞いた。 子どもの頃、ふざけて鳴らしたはずの音。 「閉じる門の音」と呼んだ、あの鈴の音。 ソファの下から現れた女の頭。 笑っているように細められた目。 生きた人間には作れないほど裂けた口と、汚れた歯の列。 次に目を覚ましたとき、彼は他人の身体の中にいた。 名はアスゴルド・トリトール。 場所は、聖山を戴く大陸モリアハ。 その身体には、すでに傷があった。 罪があった。 名前があった。 そして、本人の知らない運命があった。 獣人、堕ちた騎士、仮面の監視者、心を読む魔女。 神、血族、異種族、戦争、信仰、呪い。 この大陸では、誰も無傷ではいられない。 これは、異世界に選ばれた英雄譚ではない。 他人の身体で目覚めた男が、聖山の影に呑まれた大陸を生き延びる物語である。
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文字数 12,897 最終更新日 2026.07.06 登録日 2026.07.06
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