zerozero

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ファンタジーやBLなどの一次創作Web小説を書いています。
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 十年ぶりで、親友が訪ねてきた。  月の明るい晩だった。  彼は僕に缶詰を差し出して言った。 「これを預かってほしい。お前にしか頼めないことだ。よろしく頼む」 「頼むと言われてもなあ。これ、中身は何なんだい?」  参ったなと思いながら、僕は鼻をすすり、缶詰を見下ろした。 「中身は……」  言いかけて、親友はしばし黙り込んだ。  月明かりの中、僕は彼の沈黙に付き合った。 「中身は、俺の狂気だ」  まるで舞台の台詞のようだった。
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文字数 2,059 最終更新日 2018.11.01 登録日 2018.11.01
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