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公爵令嬢リディア・フロースは、王都の夜会で突然、婚約者であるフェルディナンド王子から婚約破棄を言い渡される。
理由は“聖女”のように慕われる令嬢セラフィナへの数々の嫌がらせ。だがそれは明らかに不自然な断罪だった。誰一人味方のいない中、リディアの前に現れたのは、“呪われた怪物伯”と恐れられる北方辺境伯ルシアン・アルヴェイン。彼はリディアに契約結婚を提案する。
追放同然で向かった辺境は、王都の華やかさとは程遠い、冬と疲弊に沈む土地だった。
しかしリディアは、帳簿、物流、備蓄、人材配置に優れた“再建の才”を持っていた。暮らしを見つめ、現実を整理し、人々の力を活かしながら、彼女は荒れた領地を立て直し始める。
守ることしか知らない辺境伯と、居場所を作ることしか知らない令嬢。
婚約破棄の裏に隠された王都の思惑と、リディアの母方の血筋にまつわる秘密を抱えながら、二人は奪われた人生と名誉を取り戻していく。
これは、すべてを失った令嬢が辺境で生き直し、やがて本当の幸福を見つける再建と溺愛の異世界ロマンス。
文字数 5,145
最終更新日 2026.04.23
登録日 2026.04.23
世界は七度滅んだ。
そのすべてを覚えている少年レイン・ヴァルハルトは、八度目の始まりで再び十五歳の朝を迎える。だが、神託に与えられた職能は、王国で外れ職と蔑まれる“召喚士”だった。
人々は神託を祝福だと信じている。
職を与え、役割を示し、人生を導く光だと。
けれどレインだけは知っている。いや、正確には忘れられない。神託とは救済ではなく、世界を管理し、人間を振り分け、滅びさえも繰り返させる仕組みの一部であることを。
レインの力《終焉契約》は、生き物を呼ぶ普通の召喚術ではない。
敗北した世界に残された“最後の選択”を現在へ引きずり出し、戦いへ変える危険な契約術。誰かが守れなかった盾、誰かが捨てなかった一太刀、誰かが届かなかった祈り。そのすべてが、七つの敗北を越えて彼の力になる。
王都では、祈るたびに記憶を削られる聖女候補セレスティアと出会い、裏通りでは教会の秘密を嗅ぎ回る少女ミレイアと手を組む。さらに、崩壊世界の断片夢を見続ける男カイン・レヴァンが現れ、レインへ「また同じ女を救えなかったのか」と問いかける。
教会地下で見つかるのは、顔を削られた英雄の壁画。
黒い獣を従えたその英雄は、なぜか今のレインと酷似していた。
そして石板にはこう刻まれている。
――七巡目の失敗を確認。
世界は偶然繰り返されていたのではない。
誰かが認識し、管理し、失敗のたびに記録を隠し、顔を消し、やり直していたのだ。
最弱職と蔑まれる召喚士が、神に与えられた役割そのものを踏み砕く。
これは、七つの敗北を抱えた少年が、八度目の世界で初めて“違う勝ち方”を掴もうとする反逆と救済の物語である。
登録日 2026.04.23
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