あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

頭のいい人が「夜に勉強する」のをお勧めしない訳

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キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備校や専門学校に頼らず一人で勉強するのはうまくいかないものです。いわゆる「独学」が難しいといわれる理由は――人間の意志がそもそも弱いからです。ただし、人間の意志は弱いという事実を受け入れることで、独学の成功率を高めることができます。この本には、忙しい社会人でも実践できる、独学を成功させるためのノウハウが満載です!
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朝中心か、夜中心か

勉強スタイルには大きく分けて、朝中心と夜中心のタイプがありますが、このうち、朝の勉強を重視することをすすめます。さらに言えば、早起きして学習時間のなるべく多くを朝のうちに終えることが効率的です。

悪いパターンから考えてみましょう。
日中は仕事に集中し、19時半に帰宅、夕食と入浴を終え、21時から勉強するとしましょう。翌日も仕事があり、7時に起床するならば、遅くとも午前1時には寝たほうがよいでしょう。そうすると、勉強時間が最長でも4時間しかとれません。
仕事を終えると、普通はとても疲れています。お腹いっぱいになって体が温まると、徐々に眠気が襲ってきます。テキストを読んだり、問題を解いたりしていても、集中できずに時間だけが過ぎてしまいがちです。
また、夜は多くの人が休んでいる時間帯です。面白いチャンネルの生配信も夜に行われることが多いですし、飲み会や友人との食事に誘われることもあるでしょう。そのような誘惑と戦いながら、机に向かうことは精神的にもつらいものです。
頑張りすぎもよくありません。障害に打ち勝って順調に勉強できたとしても、深夜まで勉強すると翌日に響きます。始業時間を自分の都合で遅らせることはできないので、勉強する時間が長くなると、睡眠時間を削ることになり、仕事中に眠くなってしまいます。そうすると、ミスにつながってストレスがたまり、仕事での疲労が増加します。疲れとストレスで勉強にも集中できなくなり、悪循環に陥ってしまいかねません。
このように、社会人が夜中心で勉強するには、様々な困難があります。これらに負けずに勉強を続けるには、鉄のように固い意志が必要です。

別の視点で考えると、夜は自分でコントロールできない突発的な事態が起こりやすいことも問題です。
もっともわかりやすいのは残業です。定時で帰るキャラを貫いていても、ときにトラブルが起こった場合は、残業をせざるをえません。そのような日が何日も続くことがあれば、勉強のノルマを果たせない日々が続いてしまいます。そうすると、学習効率が下がってしまいます。
このように、社会人が夜中心の勉強をするには、困難な点が多数あります。

「朝に勉強する」の利点

それに比較しておすすめしたいのが、早起きして朝中心に勉強するスタイルです。

一番のメリットは、もっともフレッシュな状態で勉強に取り組めることです。頭の回転が夜に比べて速くなるので、問題を解くスピードも上がりますし、テキストを読んだときに記憶にも残りやすいです。眠気に耐えながら勉強するより、学習効率が高くなります。
また独学の場合、くじけそうなときに助けてくれる先生はいませんし、励まし合える仲間もいません。専門学校などに通う場合と比べて続けられなくなりやすいので、精神的に余裕のある、疲れていない時間帯を中心に勉強するほうが、負担は少ないでしょう。
これは誤解している人が多いのですが、難関資格試験において重要なのは、暗記ではなく理解です。すべての論点について暗記するのは不可能なので、根底にある原理原則を理解し、問われている内容について、理解している事項をもとに、その場で応用して答えを導くことが、得点につながります。ですから、質の低い勉強を積み重ねることより、集中して論点の本質を理解するように努めることが、合格への近道です。
疲れている夜よりも、朝のほうが勉強の質が高くなることは、言うまでもありません。

第二のメリットは、時間制限があるので集中できることです。
夜は自由時間のため、ついだらだらしてしまいがちです。朝は始業時間から逆算して家を出る時間を動かせないので、起きた瞬間から残り時間が明らかになります。5時に起きて7時に家を出るルーティンだと、出社準備を30分で終えるとしたら、1時間半の時間を確保できます。疲れていない状態で、ゴールがあらかじめ見えていることから、比較的集中しやすいと言えます。

第三のメリットは、ルーティンを崩されるケースが少ないことです。
早朝は夜勤のある会社や24時間営業の店舗を除いて、多くの人が仕事をしていません。日中が業務時間である会社に勤めていれば、海外部門への対応など例外的なケースを除いて、仕事に時間を割くことはとても少ないでしょう。また、魅力的なコンテンツの配信も少ないため、勉強の邪魔になる誘惑もありません。
そのため、一度早起きして勉強するルーティンを確立できれば、夜に比べて定期的な習慣をつくりやすいはずです。

このような理由から、仕事と勉強を両立し、独学で勉強する社会人受験生にとっては、朝中心の勉強が効率的だと思います。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

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石動龍 /
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