2023ヤクルト髙津流 躍動の燕マネジメント

山田哲人、塩見泰隆の復帰がもたらすもの
勝ちきれない状況でも粘り強く戦う――!

2022年、盤石といえる強さでセ・リーグ2制覇を果たした髙津ヤクルト。主力、ベテラン、若手がそれぞれの役割を果たし、まさにチーム一丸となって勝利をもぎとった。
追われる立場の今シーズン、髙津監督はどんなビジョンを持ち、ここからどのようにチームを進化させていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、髙津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――ペナントレースも100試合を過ぎ、いよいよ佳境に差しかかりました。現在は6連戦がずっと続くハードスケジュールの真っただ中です。どのような心境で、日々の戦いに挑んでいるのですか?

髙津 ただでさえ8月の暑くてしんどい時期ですから、選手の表情であったり、体調であったりっていうのは、しっかりこちらが観察してやっていかなきゃいけないなと思っています。さらに今月は4週連続で6連戦が続くというしんどさもあります。もちろん、この暑さの中で移動してゲームをするという大変さもあります。いずれにしてもいろいろ対策を立てるというか、いろいろ注意深く見ていかなきゃいけないでしょうね。

――8月はドラゴンズと9試合も組まれているというイレギュラーな日程ですね。

髙津 もちろん、日程の組み方に関しては文句を言うつもりはないです。ただ、WBCの影響かもしれないですけど、今年の日程は変則的ですよね。だけど、中日戦に関して言えば、ビジターのバンテリンドームでの試合が9試合中6試合もあるので、移動するしんどさはあるにせよ、めちゃくちゃ暑い外の神宮球場でやるよりは身体的には楽ですけどね。

――そう考えるとジャイアンツ戦は2カード6試合がすべて東京ドームなので、移動の大変さもなく、屋内球場での試合となりますね。

髙津 それに、11日~13日のタイガース戦は京セラドームです。本拠地・神宮球場は別として、ビジターゲームは25~27日のマツダスタジアムだけが屋外球場で、ほとんどドームなので、その点はラッキーかなと思います。

――やはり、選手たちに万全のコンディションで試合に臨んでもらうこと。そのために、首脳陣は少しでも負担を減らしたり、体調管理に細心の注意を払ったり、より一層のケアが必要になるということなんですね。

髙津 もちろん、夏場だけに限らず、常に選手の動向には注意を払わなければいけないですけど、これだけ連日の猛暑日が続く中での過密日程ですから、いくら注意をしても、しすぎるということはないと思っています。その点は、僕たちもさらに気をつけて臨むつもりです。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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