2023ヤクルト髙津流 躍動の燕マネジメント

Bクラス確定の悔しすぎる結果――
多くの反省点が顕在化した2023年シーズン

2022年、盤石といえる強さでセ・リーグ2制覇を果たした髙津ヤクルト。主力、ベテラン、若手がそれぞれの役割を果たし、まさにチーム一丸となって勝利をもぎとった。
追われる立場の今シーズン、髙津監督はどんなビジョンを持ち、ここからどのようにチームを進化させていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、髙津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――今シーズンも残りわずかとなりました。まだ全日程は終了していませんが、球団史上初の3連覇を目指したものの、優勝もクライマックスシリーズ(CS)進出もなりませんでした。現在の率直な心境を教えてください。

髙津 優勝できなかったこと、CS進出できなかったことは、率直に言って「悔しい」のひと言です。ありきたりかもしれないけど、「悔しい」としか言えないです。「こんなものじゃない」「もうちょっとできる」と思いながら戦っていたけど、自分の思い描く理想にはまったく届かなかった。そんな思いです。

――監督1年目となった2020年シーズンは最下位に終わりました。このときも「やりたいことはあったけれど、思い通りにできなかった」と話していました。監督1年目の悔しさと、リーグ2連覇を経た今年の悔しさに、何か違いはありますか?

髙津 表現は難しいですけど、1年目については「自分たちはこの程度なのか」という思いもあったし、同時に「まだまだやれるぞ」という気持ちもありました。今年に関して言えば「ここまでは成長している」「ここまではもうすでにできている」と思っていたことが、実はまったくできていなかった。こちらが勝手に、そう思い込んでしまっていた。そんな反省があります。

――監督に就任した際には、「前年最下位チームの立て直し」が求められていました。一方、今年は「球団史上初の3連覇」という高い目標がありました。今シーズンについて言えば、選手たちに求めるもの、期待することは違ったのでしょうか?

髙津 今年についていえば、「シーズンを通じて、選手たちをもっと成長させてあげたかった」という思いがとても強いです。プロ野球選手である以上、ベテランであっても、外国人であっても、もちろん若手選手であっても、常に「野球がうまくなりたい」と思っていてほしいし、僕たちも「野球をうまくなってほしい」と思っています。そういう意味では、技術はもちろんですけど、野球の考え方についても、もっともっと成長させてあげたかったと思います。今季は多くの反省点が見えてきました。

――「野球の考え方」とは、具体的にどういうことですか?

髙津 バッターなら相手バッテリーの考え方、ピッチャーなら相手バッターの心理など、「この場面では、相手はどんなことを考えているのだろう?」といったことも、もう少し指導する必要があるなと感じました。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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