あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

結局「定時で帰る」が最強――資格取得のための時間術

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キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備校や専門学校に頼らず一人で勉強するのはうまくいかないものです。いわゆる「独学」が難しいといわれる理由は――人間の意志がそもそも弱いからです。ただし、人間の意志は弱いという事実を受け入れることで、独学の成功率を高めることができます。この本には、忙しい社会人でも実践できる、独学を成功させるためのノウハウが満載です!
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「定時で帰る」が最強である

集中できる完璧な空間をつくったところで、勉強する時間がなければ元も子もありません。時間をつくりだすのは、独学において非常に重要なテーマの一つです。
以降、勉強時間を捻出する方法を、三つに分けて紹介していきます。
最初となるこの項目では、「定時に帰る」という、もっとも効果のある時間術について解説します。

社会人は専業の受験生に比べると時間がありません。仕事で精神的にも体力的にも疲れるので、集中力も続きません。弁護士や公認会計士などの難関資格を目指す場合、受験層の大半は専業の受験生か、単位を取り終えて負担の少ない学生になります。
令和3年の公認会計士試験で見ると、最終合格者1360人のうち、「学生、専修学校・各種学校受講生」は 924人(構成比 67・9%)を占め、 「会社員」は 111 人(構成比 8・2%)でした。

社会人は勉強時間では勝てないので、効率よく勉強することが合格のポイントです。
ルーティンをつくる大切さは、これまで伝えてきました。勉強にあてる体力と集中力を残すためにも、ルーティンを崩さないためにも、決まった時間に勉強を始めることは重要です。
そのためにも、意識的に定時で仕事を終えることが重要なのです。

たとえば、公認会計士試験の合格には、最低でも3000時間の勉強時間を確保する必要があるといわれています。
2年で合格する目標をたてるなら、休みをまったく取らないとしても、1日約4・1時間は勉強しなければならない計算です。効率と翌日への影響を考えると、平日は24時には布団に入ることが望ましいです。そうすると、18時に仕事を終えたとしたら、寝るまでには6時間しかありません。

仮に、終業までは勉強しない前提でスケジュールを考えてみましょう。
この場合、夕食や入浴など、生活に関わることをすべて2時間以内で終わらせ、残った時間をすべて勉強にあてなければ間に合いません。
これでも相当に無理があります。残業があれば、勉強にあてられる可処分時間はさらに減ります。時間がなくなれば、それに伴って合格する可能性も低くなります。いかに定時で帰ることが重要か、よくわかると思います。

どうしても、残業が続いてしまう環境の人もいるでしょう。
その場合は、転職を検討してもよいかもしれません。定時で仕事を終え、勉強時間を確保するには、環境づくりも大切です。
難関試験に受かれば、人生は大きく変わります。「絶対に合格する」という強い意志があるならば、勉強できる環境を優先して、転職することも現実的な選択でしょう。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

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石動龍 /
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