真中流マネジメント

真中満からのラストメッセージ
「3年間の思い出と最後の贈る言葉」

2017.10.27 公式 真中流マネジメント 第38回

3年間で、最も思い出に残る試合は、
15年石川雅規の気迫のピッチング

昨2016シーズン開幕と同時に始まったこの「真中流マネジメント」も、いよいよ今回で最終回。2年間、どうもありがとうございました。今回は改めて、3年間の監督生活を振り返りつつ、来季のヤクルトへのメッセージをお届けしたいと思います。

「3年間の監督生活でのベストゲームは?」と、しばしば聞かれます。いくつか頭に浮かびますが、まずは監督1年目の最初の試合(15年3月27日・対広島東洋カープ戦)です。この試合は延長11回の長い試合となり4対2で勝利しました。このときは、「いきなりこんなに緊張感たっぷりの試合で、一年間身体がもつのかな?」と不安になりました(笑)。

そして、何と言っても忘れられないのはこの年の9月27日、東京ドームでの読売ジャイアンツ戦です。この試合はエース・石川雅規が気迫のピッチングを見せて、2対1と勝利しました。この試合で優勝マジック3が点灯したのですが、10月2日の優勝を決めた一戦よりも緊張し、興奮したのがこの巨人戦でした。

もちろん、延長戦の末に阪神タイガースを破って優勝を決めた試合も思い出深いです。一年間の達成感はもちろんなのですが、それよりもむしろ解放感の方が強かったように記憶しています。選手たちに胴上げされている瞬間、「あぁ、監督をやっていてよかった」と胸が熱くなりました。でも、心から喜べたのは3年間で、この一瞬だけでした。あとは厳しく、大変なことばかりでした。

特にきつかったのが、今年の連敗期間中でした。監督就任1年目にも9連敗を記録しましたが、このときはまだ「可能性のある連敗」でした。投打の歯車が崩れていてチーム全体のバランスが整っていなかったけれども、連敗中でさえもなお、「状態さえ待ち直せば何とかなる」という可能性を僕は感じていました。

しかし、今年の14連敗、10連敗中には「低迷脱出の可能性」を見出すことはできず、僕自身がもがいている状態でした。今年に関して言えば、先発投手陣の数は少なく、中継ぎは崩壊気味で、点数もなかなか入らない。まったく見通しが立たない状態での連敗でした。これはやっぱりきつかったです。僕がこんなことを言ってはいけないけれど、正直に言えば「力負けしているな」と感じることはしばしばありました。と同時に「ベンチにできることには限界があるな」とも感じました。よく、「やまない雨はない」と言いますけど、ちょっとやんでも、またすぐに土砂降りになる。そんな感じの一年でした。

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プロフィール

真中満
真中満

1971年栃木県大田原市出身、宇都宮学園高等学校を経て日本大学卒業後1992年にドラフト3位で東京ヤクルトスワローズに入団。
2001年は打率3割を超えリーグ優勝、日本一に貢献。2008年現役を引退。
2015年東京ヤクルトスワローズ監督就任1年目にして2年連続最下位だったチームをセ・リーグ優勝に導く。
2017年シーズン最終戦をもって監督を退任。

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