真中流マネジメント

宮出隆自打撃コーチが語る真中ヤクルト②
チームの未来を背負う若手育成のために

2017.09.08 公式 真中流マネジメント 第35回

耐えるしかなかった14連敗中、
一軍コーチとして考えていたこと

2015年、真中満二軍監督が一軍監督へ就任すると同時に、僕も二軍から一軍の打撃コーチになりました。現役時代から真中さんにはかわいがってもらっていましたが、プライベートも含めて、「ミスター正義感」と呼べるほど、曲がったことが嫌いな方です。少しでも筋の通らないこと、理屈に合わないことに関しては「それは絶対に間違っている」と一歩も譲りません。実際に相手選手への報復行為などは絶対に認めませんし、正々堂々と戦うことを徹底されています。

二軍監督時代の真中さんは本当に楽しそうに選手と向き合っておられました。若い選手と一緒に汗を流すことが性に合っていたのでしょう。一方、一軍監督になってからは楽しさももちろんあるのでしょうが、勝利の喜びも大きい分、敗戦の悔しさもより大きく、より責任を感じておられると思えます。ご承知の通り、今年のヤクルトは苦しい戦いが続いています。そして、8月22日には真中監督自ら、今季限りでの退任を発表しました。監督の力になれずに、僕自身も悔しい思いと、責任の大きさを痛感しています。

7月には14連敗という屈辱も経験しました。正直言えば、本当に苦しかったです。でも、真中監督も、僕らコーチ陣も、そして選手たちも、こういうときは耐えるしかありません。けれども、ただ手をこまねいて見守っているわけにもいきませんから、何とかして起爆剤となるような打開策を模索します。しかし、故障者が続出しているチーム事情では、そう簡単に打開策が見つかるものではありません。やはり、原点に戻って基本に立ち返ることが重要なのかもしれません。

僕自身も、かつては現役選手でした。相手投手が絶好調で、絶妙なコントロールを誇っているときには、ベンチの作戦でどうにかなるものではありません。その難しさは十分に理解しています。その上で、現在一軍コーチである僕が今やるべきこと、できることとは、「チームの約束事を徹底すること」です。「相手投手の球数を多くするために、少しでも粘れ」とか、あるいはその反対に「追い込まれる前に早めのカウントから勝負しろ」と伝えたり、あるいは「みんなで●●を徹底しよう」と指示したりすることです。

プロ野球というのは日々戦いが続くものですから、その日の結果を踏まえた上で、すぐに課題を見つけて、次の対戦に備えて早急に対策を練る必要があります。ゆっくりと準備ができるキャンプ時と違って、シーズンが始まれば、翌日には次の試合が控えているし、広島や名古屋や大阪へも移動しなければなりません。ペナントレース中のコーチというのは常に時間との戦いが待っているのです。

ご感想はこちら

プロフィール

真中満
真中満

1971年栃木県大田原市出身、宇都宮学園高等学校を経て日本大学卒業後1992年にドラフト3位で東京ヤクルトスワローズに入団。
2001年は打率3割を超えリーグ優勝、日本一に貢献。2008年現役を引退。
2015年東京ヤクルトスワローズ監督就任1年目にして2年連続最下位だったチームをセ・リーグ優勝に導く。
2017年シーズン最終戦をもって監督を退任。

出版をご希望の方へ