真中流マネジメント

宮出隆自打撃コーチが語る真中ヤクルト②
チームの未来を背負う若手育成のために

2017.09.08 公式 真中流マネジメント 第35回

多岐にわたる一塁コーチの役割
大切なのは「注意力」と「観察力」

普段、試合中には一塁ベースコーチとしての役割を任されています。ベンチからのサインを塁上のランナーに伝達したり、走者を本塁に向かわせるのか、それとも止めるのかを判断したりする三塁コーチと比べると、一塁コーチがどんな仕事をしているのか、あまり知られていないように思います。中には、単に出塁した打者走者のひじ当てなどの防具類を受け取る担当のように思っているファンの方もいるようです(笑)。

でも、実は一塁ベースコーチも、試合においては重要な役割を任されているのです。たとえば、3塁コーチと同様に、1塁コーチもまたベンチからのサインを選手に伝えるケースがしばしばあります。たとえば、「盗塁」だけでも、5~6種類にも細分化されています。

一塁コーチは、瞬時にベンチからのサインを理解して、それを選手たちに伝えなくてはなりません。そこでは、一つのミスも許されない注意力が要求されます。また、それと同時に打撃コーチとして、自軍の打者のバッティングフォームをしっかりと目に焼きつけておくことも大切な仕事のひとつです。試合中、常に同じ場所から自軍の打者を見続けることで、好調時と不調時のわずかな打撃フォームの違いに気がつくことが増えてきます。ここで大切なのが観察力です。

実際に、連戦が続く夏場になると、選手自身も気がつかないほどの微妙な歯車のズレが生じてきます。好調時をすこしでも持続させ、不調時を少しでも短くするためには、その微妙なズレを早めに指摘して、修正することがとても大切です。

その一方では、相手投手の投球フォームのクセを見抜くことも大切です。あるいは、牽制球を投じるときと、そのまま本塁に投げるときとでは、やはりそれぞれ微妙なクセが現れることがあります。こうした観察眼もまた、一塁コーチに求められる重要な役割なのです。

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プロフィール

真中満
真中満

1971年栃木県大田原市出身、宇都宮学園高等学校を経て日本大学卒業後1992年にドラフト3位で東京ヤクルトスワローズに入団。
2001年は打率3割を超えリーグ優勝、日本一に貢献。2008年現役を引退。
2015年東京ヤクルトスワローズ監督就任1年目にして2年連続最下位だったチームをセ・リーグ優勝に導く。
2017年シーズン最終戦をもって監督を退任。

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