話が面白い人はそれだけで魅力的です。職場でも学校でも、テレビの世界でも動画の世界でも、頭一つ抜けて人気者になるのは、やはり話が面白い人です。また、話が面白い人はビジネスにおいても高いパフォーマンスを発揮することが多く、会社で重宝され、出世するのも早いと言われています。 さらに、AIの進化にともない、あらゆる人間の活動がAIに代替されるようになりましたが、AIは面白く話すのがそれほど得意ではないようです。面白く話す力は、AIに代替されづらい、人間ならではの能力の一つだとされているのです。
では、どうしたら話が面白い人になれるのでしょうか。 この連載では、元QuizKnockで、登録者数31万人の大人気YouTuberのだいふくさんが、動画配信をするなかで培ってきた、AIには真似できない「話が面白い人になるための技術」を解説していきます。
これまで、話が面白くない人がやりがちなことを大きく分けて2つほど解説してきました。一応復習しておくと、1つ目が「本人が面白そうに話していない」、2つ目が「相手が興味あることを話していない」です。
そして最後の3つ目は「構造化ができていない」です。話が構造化ができていないと「話がとっちらかっている」「何が言いたいのかわからない」と言われがちです。話が面白くない人がよく言われてしまう欠点ですね。
さて、話をする際の「構造化」とは何でしょうか。うまく説明できますか?
なんとなくはわかっているかもしれませんが、実際に説明しようとすると意外にこれが難しいものです。たとえば、大学のよくわからないけどなんか就活がうまくいった先輩から「就活の面接で大事なのは構造化して話すことだ」とえらそうに語られた経験はないでしょうか。……ほとんどの人はないと思いますが、なんかあるような気がしてきますよね。ただ、仮にそんな先輩がいたとして、彼もたぶんうまく構造化について説明できていたかは怪しいです。
「構造化」という言葉はカッコいいので使いがちですが、ちゃんと言語化して理解されていないものです。ちなみに正直私もここで記事を書くまではあまりちゃんと言語化できていませんでした。そして私は大学のころ後輩に「就活で大事なのは構造化だ」と言ったことがあります。
ごたくはさておき、構造化を簡単に説明すると、
①全体を把握する
②把握した全体を要素分解する
③それぞれの要素を適切な粒度に整理し関係性を示す
の3段階に分けられると私は考えています。このあたりは具体例があったほうがわかりやすいと思うので、具体例を交えて説明していきます。たとえば「どうすればプレゼンがうまくなるのか」を説明するときに、
「声が大きくて、内容が分かりやすくて、見た目も整っていて、スライドもきれいで……」
といったように、よいプレゼンの特徴を適当に列挙していった場合、その説明はわかりやすいでしょうか?
おそらく聞く側は全然頭に入ってこないですよね。
話が面白くないと思われやすい人は、思いついたことを適当に列挙してしまうのに対し、構造化ができている人はまずこれから話そうとすることの「全体」と「大きな構成要素」を整理します。「どうすればプレゼンがうまくなるのか」を説明する際には、頭の中で以下のように整理しています。
「プレゼンがうまい」の構成要素
①話す内容が魅力的である
-内容が聞き手の需要に合わせて調整されている
-構造化ができている
-話す順番がTPOに応じて適切に選ばれている
②話し方の基本ができている
-話すペースが心地いい
-はっきりと発声できている
-人を惹きつけるパフォーマンスができている(表情/目線)
③資料がわかりやすい
-デザインの基本4原則「近接」「整列」「反復」「対比」に則っている
-直感的に理解できるよう図を使用している
-スライド1枚の情報量が適切
こんなふうに、全体と大きな構成要素をとらえたうえで、それぞれの要素についての関係性を示しつつ話していきます。説明する具体的な順番としては、最初に「全体」を示してから「大きな構成要素」について話し、それから細かい要素についてくわしく解説していくというものです。次のように話します。
「プレゼンがうまい人の特徴は3つあって、1つ目は話す内容が魅力的であること。2つ目は話し方の基本ができていること。3つ目は資料がわかりやすいこと。1つ目について解説すると、まずプレゼンの基礎ができている人は話す内容自体が魅力的で……」
人は「この話の全体はこれだけの量ですよ~」と、最初に全体像を示されてからのほうが、その後の話も頭に入ってきやすいものです。
私はYouTubeの解説動画を作るなかで、この最初に全体を示す、ということを大事にしています。私の解説動画を見たことがある人はわかると思いますが、基本的に動画の冒頭に「動画の構成」というコーナーを設けています。「今日話すことは全部でこれだけですよ~」という明示ですね。それに加えて、YouTubeの場合は気になるところだけ見たいという方もおられるのでタイムスタンプもつけています。