Z世代を甘やかすな

「退職代行使おうかな」「転職サイトに登録した」Z世代社員の辞める辞める詐欺がついに取り返しのつかない事態に……

2026.09.04 公式 Z世代を甘やかすな 第18回
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「残業したくないんですよね」「それって僕の仕事ですか?」「飲み会ダルいんで行きたくないです」「そのやり方タイパ悪くないですか?」

指示は素直に聞かず、指導をすれば「それってパワハラですよね?」と口答え。世間は「価値観のアップデート」を強いてきて、Z世代への指導はどんどん弱腰になってしまう。好き勝手にふるまうZ世代部下のおかげで、職場の空気は弛緩する一方です。つけあがってさらにモンスター化するZ世代部下は、あらゆる職場に出現し、管理職を困らせています。そんな現状に、書籍『Z世代を甘やかすな』の著者黒坂岳央さんは「Z世代を甘やかしてはならない」と警鐘を鳴らします。Z世代部下にかき回された職場を正常化するために、Z世代を甘やかさない、毅然としたコミュニケーションを身につけましょう。

「退職」をカードとしてチラつかせてくるZ世代部下

Z世代部下が明確なミスを指摘したため、改善を求めたとたん思い詰めたような顔で「こんなに精神的負荷がかかるなら、今の仕事は自分には向いていないと思います。辞めることも考えています」と口にする。あるいは人手不足なので中堅に差し掛かるZ世代部下に少し難度の高い業務を振ったら、聞こえよがしに「給料と仕事内容が釣り合ってない。退職代行に相談しようかな~」と匂わせる。

昨今の深刻な人手不足の中、Z世代のそのような言動に管理職は一気に青ざめる。若手が離職すれば人事からマネジメント責任を問われ、下手をすると「ハラスメント上司」の烙印を押されかねない。管理職は結局「まあ待て、少し業務量を調整しよう」「言い方がきつかったなら謝る」と慌てて引き留めに入るしかない。結果、Z世代部下の不手際は周囲が尻を拭き、いつまでも一人前の業務量を捌かないため、部署全体が負担を背負う。唯一、Z世代部下だけが味を占めてより幅を利かせるようになる。

「辞めたい」を連呼するのに組織にしがみつくZ世代

Z世代部下は「売り手市場&人手不足」という社会情勢を背景に、交渉カードとして退職をちらつかせている。かつての「お前の代わりなんていくらでもいる」という「解雇脅し」が企業側にとっての最強カードだった時代は遠くに過ぎ去った。正反対に、今や「あーあ、そんなに僕をないがしろにするんだったら辞めちゃおうかなー」という「退職チラつかせ」が労働者側の最強カードになった。Z世代部下は企業が若手の離職を恐れていること、そして管理職が自分の評価を気にして退職者を出したくないという「組織の急所」を本能的に、あるいはSNSの知識として完全に把握している。

なお、薄々勘づいていると思うが、Z世代が「辞めます」というカードを切る時、本当に辞めたいわけではないケースが多い。目の前の不快なタスクから逃げたい、あるいは上司からのプレッシャーをマイルドにさせたいという「環境改善のための交渉術」として、この絶対無敵のカードを切っているのだ。一度でもこのカードを切って上司が折れ、自分の要求が通ったという成功体験を与えてしまうと、彼らは味を占める。負荷がかかるたびに「辞める」と脅迫し、自分の思い通りに職場をコントロールし始めるモンスターへと変貌する。

ここで管理職が捨てるべき思い込みは、「部下が辞めるのは自分の責任だ」「引き留めなければならない」という過剰な抱え込みである。会社にあわない人間、負荷に耐えられず義務を放棄する人間が去るのは、組織の新陳代謝において極めて健全なプロセスである。彼らの脅しに屈するほうが、真面目に働いている他の社員の士気を下げ、長期的には組織にとって致命的なダメージとなる。

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プロフィール

黒坂岳央
黒坂岳央

経営者。ビジネスジャーナリスト。1981年、大阪府生まれ。
関西外国語大学在学中、デポール大学(米国)へ留学、会計学を専攻する。卒業後、ブルームバーグ、現SpireX株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社を経て独立。現在は経営の傍ら、幅広い人脈を活かした取材力を武器にジャーナリスト・コラムニストとしても活動。新聞やWebメディアへの寄稿をはじめ、テレビ・ラジオなど多彩なメディアに出演し、独自の視点から情報発信を行っている。『なめてくるバカを黙らせる技術』(アルファポリス)をはじめ著書多数。

著書

Z世代を甘やかすな

黒坂岳央 / 著
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なめてくるバカを黙らせる技術

黒坂岳央 / 著
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