cueのププププレゼン力

第6回 2016.06.22

毎日、美アンテナはってます
シンデレラ♥LOVE
NEWミューズをさがして

さぁ、皆さん。朝はいいですよ~

「おはようございます」5時起き。
さぁ、今日はやる気満々。モデル、フォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイクアーティスト、コピーライターにプロデューサーと、スタッフが続々スタジオに大集合してきました。

最近は深夜までのクリエイションを控えて早めに寝るようにして、朝の時間を上手く使いまさに朝活しています。美しくきちんと寝た後はフレッシュ!に脳みそがフル回転。冴え渡っていてPOWER MAXです。
半年前から続けて愛飲しているパワーベジタブル長命草のおかげであるかも?です。

5月31日、只今、撮影スタジオ。モデルにヘアメイクをしている時間がだいぶあるのでこの時間を有効活用してこの原稿を書いているNOW。美術さんが可愛いバックセットを担いでやってきました。

まさか『マジョリカマジョルカ』のADに就任

今日は13年続いている人気♥コスメティックブランド『マジョリカマジョルカ』の秋のキャンペーンメインビジュアルの撮影です。メイキャップブランド『マキアージュ』『インテグレート』とクリエイションしてきた僕がアートディレクターに就任しました。

パッケージがめちゃくちゃ可愛いくて大人気で、おまけにリーズナブル! でも機能性は抜群! 『マジョリカマジョルカ』のマスカラを愛用しているお客様は多いのです。アジアにもコアファン♥が沢山います。
オリジナリティあるブランドイメージでコスメティックの魔法★のように毎回、メイキャップとスタイリングでNEWビジュアルをクリエイションし、世界中の女子心をGET! 可愛さ、美しさの夢をひらいてガールズの♥をワクワクときめかせています。

このブランドのメインモデルは今年高校を卒業したばかりの琉花(るか)ちゃん、18歳です。2006年から顔として活躍しています。僕とシューティングをするのは実は今期からが初めてでありますが、彼女とは以前から面識もあり、可愛くお話する仲。

……なのに全く忘れていたのですが、琉花ちゃんを資生堂で起用した方がいい!
と騒いでめちゃくちゃ推薦したのは僕でした……
ふらっと手にした雑誌『装苑』を見て、「誰? この娘♥! めちゃくちゃ可愛い!おとぎの国のお姫様ガールみたい!」と。
大興奮してセクションで「この娘♥を起用した方がいい!」と叫びました。
今日はどんなビジュアルクリエイションに仕上がるのが楽しみです。

140年以上、日本の美を牽引してきた顔

資生堂は140年以上、お客様の美♥を更に美しくしようと考え続けている化粧品会社です。日本はもちろん、今は世界に発信するグローバルブランドを目指し、ヨーロッパ、アメリカ、アジア等々、世界にどんどん広がっています。日本でのブランドイメージよりも、海外でのブランドイメージはハイランク。高級品としての認知が高いです。

その化粧品を説明するには、モデルが不可欠です。スキンケア、ヘアケア製品にももちろん必要ですが、なんてったってメイキャップ商品はモデルがその商品を使用した後の顔が説明になりますから。
だから誰をモデルに起用するかは非常に重要であります。
その起用により、売れるか? 売れないか? が決まるし、ブランドの顔となるのでありますから。

僕は資生堂にクリエイターとして入社した当時から、商品の顔となるシンデレラ★を選ぶ仕事がしたかったのでありました。
小さい頃からCMを見ては、キラキラした映像美の中にいるお化粧をした美しきシンデレラガールにときめいていました。数々のモデルが資生堂の美をまとい、スターの階段を駆け上り、更に開花していく――そんなクリエイションを僕もしてみたいと思っていました。
だから資生堂のさまざまなブランドに起用され出演しているモデルの方々は、キャスティングする僕の趣味やアイデア、意見が影響していることがけっこうあります。

シンデレラを発見! ラブリーに生きろ♥

今、資生堂の顔の一人となっている若手人気♥女優の小松菜奈ちゃん。
『ラブリーに生きろ♥』のキャッチコピーでメイキャップブランド『インテグレート』のミューズ(女神)であります。
またロングヒットのヘアケアブランド『マシェリ』(使って頂けてるかしら?)のミューズにも、この春から小松菜奈ちゃんが抜擢されています。

何を隠そう、この小松菜奈ちゃんを資生堂のモデルとして起用した方が絶対にいい! とHAPPYに叫んだのはこの僕です。

ご覧になられましたでしょうか?
『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『告白』と、どれも大好き♥な映画です。
これらの映画を撮られた中島哲也監督の最新作『渇き。』のNEWSがあちこちに露出しはじめたころ、相変わらず気になるガールCHECK!をしていた僕の目にとまったのが、この小松菜奈ちゃんでした。そのとき見ていた雑誌は『日経エンタテインメント!』。好きなんですよね~。

『渇き。』のヒロイン。女子高生を演じる期待の新人として、黒髪ロングストレートヘアでセーラー服を着た彼女が紹介されていました。
小さな記事でしたが、見つけてしまったのです。
もちろん中島哲也監督の映画は期待大♥ではありましたので、封切られてからすぐ観に行きました。菜奈ちゃんの動いているところをCHECK!したいとも強く思っていました。

2時間後。

大興奮♥この問題作を見て「見つけちゃった!」と実感しちゃいました。
速攻、起用したい! 抜擢したい! クリエイションしたい! と♥は高鳴りベルが鳴り止みません。
彼女は絶対これから注目されて時の人になる。人気が加速してメディアにもどんどん出ていく人になっていくし、女優として開花していくはず!と思いました。

足取りはルンルンに軽く、恋するクリエイションの気持ちは溢れ、彼女と実際にお会いする機会を設けて欲しいとセクションに要望し、告白LOVEコールをしちゃいました。ま、いつものことなんですが。ミューズを見つけたときは速攻動きます。

初対面はすぐにやってきました。同じセクションのクリエイター仲間も一緒に会いたいと、上司、後輩もたくさん集まりご対面を果たしました。もちろん僕が1番最初にお話ししましたが。
やはりNEWタイプの独特な可愛さを持つ美♥少女で大大大好印象!
クリエイター魂に火が着いちゃいました。
クリエイタースイッチON!

僕がアートディレクターとして担当していたブランドでの起用にはなりませんでしたが、僕が大興奮したのがきっかけで資生堂のミューズとなり、今に至っています。活躍、人気は見ての通り。映画にCM、雑誌にと、小松菜奈ちゃんを見ない日はありません。
あ~~~いつか一緒にクリエイションしてみたい!
神様★お願い致します。

シンデレラは1本の電話からやってきた

今、僕がアートディレクターとしてクリエイションしている資生堂商品に、ヘルスケアブランド『ピュアホワイト』があります。美容食品『ピュアホワイト』は、自然由来の原料にこだわり、「輝きわたる澄んだ白」への思いをこめて、今年2月に生まれ変わりました。
このリニューアルにあたってのモデルを起用したキャンペーンプロジェクトに、僕が昨年7月抜擢されました。

NEWパッケージのデザインは既に決まっておりましたし、候補のモデルの名前も挙がっていました。
が、僕はどうもテンション上がらず「うーむ。何かが違うな」とまったくしっくりきませんでした……

そんなとき、PRの仕事をしている友人から電話がありました。
資生堂近くにこれから行くので、ある新人ニューカマーモデルをどうしても紹介させて欲しい! と言われました。
グッドタイミング。では1時間半後に面会しましょうということになり、せっかくなら文化部から発行している『花椿』の編集部にも声をかけました。

1時間半後、マネージャーさんらと一緒に来たのは前髪パッツン軽やかなロングストレートヘアが特徴的な、手足が長くすらっとしていて、可愛さも持ち合わせている萬波ユカちゃん。モデルとしての活動はまさにこれからで、写真もほぼなく事務所で撮影された数枚のみ。
だが、すこぶるめちゃいい! かわいい! お洒落! この娘♥くるわ!
と一目惚れしてしまいました。iPhoneで写真を撮らせていただき、お別れ。そしてその10分後の『ピュアホワイト』のスタッフミーティング。

ミラクル! 出会って3時間後にはミューズ♥が誕生

マーケッター、クリエイティブディレクター、コピーライター、プロデューサーと前回に引き続き、キャンペーンコンセプトを考え、メインキャッチコピーを話し合い、モデルの話になったとき、切り出しました。

「やっぱりどうしてもこの方だとテンションが上がらない。美しいし安定しているが、話題にはならない。『美しい人がいる』というアイコンでしかないと思う。実は今さっき新人モデルで凄くいい娘♥と会いました。リニューアルで『ピュアホワイト』を更に進化させていくためにも、美しいシンデレラとしてこのブランドと一緒に成長していけるニューモデルの起用というのは凄くありだと思うのです!」
と萬波ちゃんの資料をどーんと出しまして、プレゼンテーションをしました。

チームの反応は「この娘♥いいかも!」と好印象!
速攻その場で電話をし「申し訳ないのですが戻ってきて再度、顔見せをしていただけませんか?」とお願いしました。
プロジェクトメンバー全員で彼女とご対面し、人となりを知ってもらいました。
萬波ちゃんが帰った直後、すぐに「彼女にしよう!」とテンション高く決定。ミューズがまさにその場で誕生♥となりました。

ミラクルです。
出会ってたった3時間で資生堂の顔となることが決まった彼女は相当なLUCKY★GIRLです。こんなことは今まで関わったプロジェクトでもありませんでしたが、決まる人は決まるものです。

キャッチコピーは『飲めば、きらり★』
キラキラ降り注ぐ太陽の下、緑溢れる高原で純白なドレスを着てHAPPYにピュアホワイトを飲んでいる萬波ちゃんを撮影したビジュアルになりました。

今、彼女はファッションモデルとして国際的ハイブランドのランウェイモデルとして海外のコレクションに引っ張りだこ。ルミネの春夏のキャンペーンガールとしてもビルボードにどーんと登場。ファッション雑誌はこぞって彼女を取り上げています。まだモデルデビューしてから1年もたっていない萬波ちゃんは今、世界中から注目を集めています。『萬波、きらり★』と。

キラ★キラ★ガールを見つけたらご連絡ください

日常に溢れている、目に触れるものから僕は常にNEWヒロイン♥を、ミューズをさがしています。140年以上日本の美を創りあげてきた資生堂の次の顔となるシンデレラを求めて、僕は世界中を隈なく、楽しく、真剣に探しています。

とうとう好きがこうじて新人モデルを発掘するプロジェクトにも関わるここになりました。皆様、素敵なキラ★キラ★ガールを発見しましたら、御一報ください。

よろしくお願いします。

 


本連載が書籍に? 資生堂アートディレクター成田久氏が、銀座一丁目の森岡書店にて「ププププレゼン力」展を開催中! 2017年12月19日(火)~28日(木)まで。詳細はこちら

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プロフィール

成田 久
成田 久

アートディレクター・アーティスト。1970年生まれ。多摩美術大学・東京藝術大学大学院修了し、1999年に資生堂入社。宣伝・デザイン部に所属。アネッサのCMで蛯原友里を起用し、楽曲にBONNIE PINK「A Perfect Sky」を使用したことで一躍話題に。そのほかマシェリやマキアージュ、ベネフィーク、HAKU、インテグレート、unoなど多彩なブランドのアートディレクションを担当。更にTSUBAKIで初めて男性キャストとして福山雅治を起用するなど、資生堂商品のブランディングに大きく貢献する。
社外活動では13年NHK大河ドラマ「八重の桜」のイメージポスターのアートディレクションを担当するほか、多数のアーティストのCDジャケットやMVのアートディレクション等を手掛ける。更に雑誌「装苑」にて演劇レビューを連載するなど活動範囲は留まるところを知らない。

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