小川流2018燕改革!

電撃復帰の青木宣親がもたらした
ヤクルトを変えるさまざまな化学変化

2018.04.13 公式 小川流2018燕改革! 第2回

監督として見ていて楽しくなる
期待のホープ・廣岡大志

――さて、今年もいよいよペナントレースがスタートしました。ここまでの手応えを教えていただけますか?

小川 昨年はレギュラー選手が故障した後の穴を埋めるべき控え選手の層が薄かったことが現実としてありました。だから、今年の春のキャンプでは体力強化と、一人一人のレベルアップを目標に掲げていました。そういう意味では、「レギュラーと控え選手の差が縮まったな」とか、「全体の底上げがなされたな」という手応えを感じていますね。

――具体的には誰でしょうか?

小川 鵜久森淳志、荒木貴裕、西浦直亨、山崎晃大朗ですかね。他に、藤井亮太もいるし、奥村展征もいるし……、いずれにしても全体の底上げはなされていると思いますね。

――監督の口から、次々とよどみなく選手の名前が出てくるのが、手応えを覚えている証拠のような気がしますね。

小川 彼ら自身は自分の置かれている立場をよく理解していますね。主力に何かあった場合に、いつでも「自分が出るぞ」という意気込みを感じます。そのために、みんなが必死に練習をしていますから。

――さて、オープン戦にフル出場し、開幕後も「七番・ショート」で、我慢強く起用している廣岡大志選手。彼についてはどのように見ていますか?

小川 廣岡に関しては、2~3年先を見据えた起用をしないといけないと思っています。チーム状況によってはオーダーをいろいろ考えなければいけない時期も来るかもしれない。でも、廣岡に関してはずっと使い続けなければいけない。そんな思いも持っています。実際に、そういう状況になったときにどう決断するか。それは監督としての大切な仕事だと思っています。

――そこまで、廣岡選手にこだわる理由は?

小川 廣岡が期待の逸材であるからというのは間違いないです。でも、それよりも何よりも、彼の場合は、見ていて楽しいんですよ。打ったとか、打たないとか、エラーしたとか、エラーしないとか、そんなこと以前に、彼がグラウンドにいるだけで楽しいんです。そういう選手はなかなかいませんよ。

――確かに! 彼ほど見ていてワクワクする選手はいませんよね。たたずまいに華があるし、大型遊撃手として、そして日本人大砲として、才能の塊のように見えます。

小川 ピッチャーで言えば、寺島成輝もそうです。今年はそういう選手も、どんどん起用して、さらなる底上げを目指していくつもりです。幸いにして、いい開幕スタートを切ることができたので、これからも執念を持って、一つずつ勝利していきます。

 

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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