小川流2018燕改革!

激動の2018年シーズンを総括
そして、「躍進」の2019年へ

2018.12.28 公式 小川流2018燕改革! 第19回

いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

来季に向けての喫緊の課題は、
選手層の底上げと中村の独り立ち

――「96敗」という屈辱の2017年シーズンを経て、「再起」を掲げて挑んだ18年も暮れようとしています。監督復帰初年度となった18年シーズンを終えた今、改めて見えてきた課題、問題点があれば教えていただけますか?

小川 今季の戦いを通じて感じたのは、「青木宣親の存在感の大きさ」ですね。今季は青木の離脱とともに、チーム成績が悪くなっていたのが現実でした。青木一人が抜けるだけで、打線は機能しづらくなりましたし、選手層の薄さが浮き彫りになったのも事実でした。全体的に去年よりも故障者が少なかったので、シーズンを通じて戦うことはできたけど、それでも選手層はまだまだ厚くしなければなりません。

――確かに、6月30日の阪神戦での危険球退場以降、青木選手が復帰するまで8連敗を喫し、同じく青木選手が負傷欠場中のクライマックスシリーズ(CS)でも、巨人に2連敗を喫しました。

小川 もちろん、青木ほどの選手の穴はそう簡単に埋まるものではないのは当然です。でも、怪我人が出たときに全員でカバーするためにも、チーム力の底上げは急務だと感じました。それは青木に限った問題ではなく、投手では石山(泰稚)、近藤(一樹)、打者では坂口(智隆)などに頼ってしまいがちです。でも、特定の選手に頼り切るのではなく、彼らに万全なコンディションで試合に出てもらうために、他の選手を併用しながら起用することが望ましい。そうなると、若手の育成、選手層の底上げが急務になってきます。まぁ、これは永遠の課題なんですけどね。

――「選手層の底上げ」の他に、何か課題は見えてきましたか?

小川 どうしても、CSの話になってしまうんですけど、油断というのか、小さなミスがまだまだ多いことも課題ですね。CS初戦の1回表。巨人・二番の田中俊太にフォアボールを出して、三番・マギーの初球に盗塁を許しました。この盗塁は事前に想定していたし、対策もしていたのに、それでも走られてしまった。防げる部分をきちんと防がないと、あのように主導権を握られてしまう。こういうことを一つ一つなくしていくのが今後の課題だと思います。マウンドの小川(泰弘)、そしてキャッチャーの中村(悠平)、それぞれの隙を突かれたプレーでした。

――前々回のインタビューでは、中村捕手はこのプレーをとても反省し、レポートにも書いていたということでしたね。

小川 そういう意味では「中村のさらなる成長」も、チームにとっては課題かもしれません。今年は「何とか、中村を一人前にしよう」という思いでスタートしました。そのための刺激の一つとして、シーズン序盤には新人の松本(直樹)や、2年目の古賀(優大)を起用したこともあります。その後は井野(卓)との併用になりましたが、実際は「中村にチームを引っ張っていってもらいたい」という思いは強くありますね。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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