チームに芽生えつつある
「全員で戦う」という強い意識

2018.04.27 公式 小川流2018燕改革! 第3回

いまだ記憶に新しい2017シーズンの屈辱的な戦績。ドン底まで低迷したチームを立て直すべく舞い戻った小川監督は、宮本慎也ヘッドコーチを要に据えたチーム改革を断行した。ハードワークに見られる「厳しさ」の追求は、選手達の意識をどのように変え、チームにどんな変化をもたらしているのか――。インタビュアーにライター長谷川晶一氏を迎え、小川監督のスワローズ改革に迫っていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

負けが続いても、「戦う意識」は高い
控え選手も含め、全員で戦えている

――開幕から20試合を終えて9勝11敗、同率4位という成績です(4月23日現在)。15日から19日にかけては5連敗も経験しています。チームの現状をどう見ていますか?

小川 5連敗については、もちろんいろいろな要因、反省点があります。防げるミスは防がなければいけないし、技術的なミスならば練習するだけです。ただ、負けてはいるけれども、「チーム全員で戦っている」という雰囲気は、昨年まで以上に強くあると思います。

――「チーム全員で戦っている」というのは、どのようなところから感じられますか?

小川 抽象的な言い方になるかもしれませんが、試合に出ていない控え選手たちのベンチでの振る舞いに、その意識を感じます。それに、開幕前から選手たちに言い続けてきた「執念」も強く感じます。正直、勝負ですから追いついていたところをひっくり返されたら、人間なのでその瞬間はシュンとなります。でも、そこですぐに切り替えて、「まだまだ諦めるな」という雰囲気が生まれています。それはチーム全体に「戦う意識」が芽生えているからだと思っています。

――開幕からずっと「1番・山田哲人、4番・青木宣親」という布陣で臨んでいましたが、21日のDeNA戦からは「1番・青木、3番・山田、4番・バレンティン」とスタメンオーダーが変更されました。打順についての監督の狙いを教えて下さい。

小川 青木を4番から1番にしたのは、なかなか調子の上がらない青木に、何か「きっかけ」を与えたかったからです。6年間、日本のピッチャーと対戦していない中で、「4番」を任せるのは重責だったと思います。前回のこの連載でも言いましたが、アメリカから帰ってきた今年の青木は、以前と比べて「チームのために」という思いがすごく強い。さらに4番も任せるのは、とても大変なことだと考えたからです。

――では、当初青木選手を4番に据えた理由は?

小川 僕が打線を考える際に重要にするのが、「相手ピッチャーにとって、何が一番イヤだろうか?」ということです。山田、そしてバレンティンには「ホームラン」という一発長打が期待できます。さらに山田には足もある。それを踏まえて、「ホームランも打てて、出塁率も高くて、盗塁もできる山田を1番打者に」と考えました。

――まずは「1番・山田」が最初に決まっていたのですね。

小川 そうです。そして、次に考えたのが「3番・バレンティン」でした。これは、仮に1番、2番打者が凡打に終わり、二死走者なしの状態になったとしても、相手投手にとってバレンティンには一発の怖さがあります。仮にここでバレンティンが凡打に終わっても、次の回は1番打者としての適性も持っている青木から始まることになります。また、バレンティンがホームランを打てば、やはり1番打者としての役割が求められる走者なしの状態で青木に打順が回ることになり、切れ目のない打線が完成すると考えました。

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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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