頑張らないでやる気を出すコツ

なくした“やる気”は、他人の「真似」で取り戻せる

2018.07.09 公式 頑張らないでやる気を出すコツ 第9回
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「真似」が“やる気”を呼び起こす

こうした「行動と気持ちの連動」は、自分の“やる気”が出なくなってしまったときに、逆に利用できます。つまり“やる気”が出ない状況のときは、“やる気”が出る行動をとるように心掛けるのです。そこで、自分の“やる気”を出すための近道になるのが、他人の「真似」です。例えば、いつも前向きで笑顔を絶やさないような人と一緒にいると、自分もなぜか前向きな気持ちになれませんか? その理由は、その人につられて自分も笑顔になっているからです。無意識に笑顔というプラスの行動を真似した結果、「行動と気持ちの連動」が起きているからなのです。

この場合の真似するべき相手は、もちろん毎日を好調に過ごしている人がベストです。職場の人であれば、仕事や人間関係がうまくいっており、“やる気”に満ち溢れている人が望ましいでしょう。自分が「ああいう風になりたい」と素直に思える人の行動の真似をしてみて下さい。

そのためには、まずその人がどんな生活をしているのかを知らなければなりません。時間を作って一緒に行動し、どこのお店に行って何を食べ、どんな映画を見たりしているのかなど、プライベートに関してもヒアリングしてみましょう。毎日、習慣的に行っていることを聞きくのもいいかもしれません。また、SNSでプライベートな情報を知るのもいいでしょう。

しかし、そうして知ったその人の行動の中には、自分にとって真似することによる負担が大きいものもあります。いくら真似したいからといって、それだけの目的で大金をはたいて趣味を持ったり、あまりにも体力的にハードなスポーツを始めたりすることは現実的ではありません。真似するのが無理なことはさておき、その相手の行動を自分に可能な範囲で真似して、「疑似体験」ができればよいのです。

大事なのは、とにかく「行動を変える」ことです。あくまでそのきっかけが、人の「真似」をすることなのです。普段から、“やる気”のある人と一緒に行動して、そういう人と同じ時間を過ごす機会を作るようにしましょう。そうすることで、自分の気持ちの状態を変える手段を持つことができるのです。

次回に続く

 

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プロフィール

沖本るり子
沖本るり子

株式会社CHEERFUL代表。感情とコミュニケーションの上手な活用によって、人と組織を育成する専門家。数多くの企業研修を請け負う傍ら、合計7冊のビジネス書の出版実績も持つ。現在は主に人財育成をテーマとし、中小企業の組織活性化のサポートを行なっている。

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