ちゃんと働いているのに、なぜかずっとしんどい

会社は有給推奨するのに、なぜ休むと不安になるのか――「休めないOS」と化しているあなたの体を解きほぐす方法

「経験は積んできた。会議でも発言できる。場の空気も読める。責任も役割も果たしているし、大体のことはわかる。毎日ちゃんと働いている――でもなぜかずっとしんどい」
「腹が立つはずのことに、何も感じなくなる。うれしいはずの評価にも、反応が薄くなる。休日に休んでも、回復した感じがしない。新しいことを考える余白もなくなる」――
このしんどさは、気のせいでも、年齢のせいでも、根性のせいでもない。本連載では、作業療法士としてのべ5万人の「働く人」と向き合ってきた著者が、「なぜかずっとしんどい」の正体に一つずつ名前をつけ、毎日の中で自分を取り戻していける小さな手がかりを提示する。答えは自分の中ではなく、働き方と身体の繋がり方の中にある。

知らずにしみ込んでいる「休めないOS」

Getty Images

かつて某栄養ドリンクのCMで「24時間戦えますか」というコピーがありました。
いま聞くと、なかなかすごい。
会社が本気でこれを言ったら、普通にアウトです。

ブラック企業。
長時間労働。
コンプラ。

でも当時は、この言葉が社会へ溶け込んでいました。
現在40代の私はまだ子供でしたが、このメロディもフレーズもよく覚えています。
父親や周りの大人たちの働きぶりも、この空気を体現していました。
その名残りが、やがて社会に出た私たち自身の内側にも、いつの間にか入り込んできている。

忙しい人は、えらい。
無理がきく人は、頼れる。
休まない人は、責任感がある。

もちろん、いまは違います。

ワークライフバランスも大事。
健康も大事。
休むことも大事。

そんなことは、頭ではわかっている。
でも、ここがややこしいんです。

早く帰れる日なのに、落ち着かない。
有給を取ると、少し申し訳ない。
返信を明日に回せばいいのに、スマホを開いてしまう。
休んでいるはずなのに、頭の中ではまだ仕事が続いている。

もう誰も「24時間戦え」とは言っていない。
なのに、自分の中のどこかが言う。

本当に帰っていいのか。
本当に休んでいいのか。
本当に止まっていいのか。

この感覚を「休めないOS」と呼んでみます。

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プロフィール

三宮孝太
三宮孝太

作業療法士・修士。北海道の急性期病院で23年、のべ5万人の「働く人」のリハビリに関わってきた。働きながら身体を壊した人、心が動かなくなった人、彼らの人生に何度も伴走するうちに、なぜ真面目に働いている人ほどしんどさを抱え込んでしまうのかという問いに直面する。それをきっかけとして2026年、株式会社DIALOGを設立。企業の健康経営支援と、個人のコンディションを整えるウェルネス事業を通じて、「働きながら、自分を取り戻せる社会」を目指す。noteでは「3ちゃん|ごきげんナビゲーター」名義で、「しんどさ」をほどく言葉を日々綴っている。

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