2022東京ヤクルトスワローズ髙津流 熱燕マネジメント

王者として迎える2022シーズン開幕!
日本一は目指すが、「連覇」は1ミリも考えていない

「新しい人」がチームを活性化する

――昨年11月27日に日本一を決めてから、多くのメディア出演も含めて本当に多忙な日々だったと思います。休む間もなくキャンプが始まりましたが、例年との違いはありましたか?

髙津 オフの間は毎日のようにネクタイを締めて出かけていたので、身体は正直しんどかったです。でも野球に対する準備に関しては例年と変わらず、「連覇、連覇」と意気込むこともなく、意外といつもと変わらない時間を過ごせたと思います。

――2月1日のキャンプイン時点で目標としていたこと、目指していたことはどんなことでしょうか?

髙津 大体、毎年考えることは一緒ですけど、今年も「新しい人を作りたい」と思っていました。キャンプ前というのは「今年は誰が一軍の戦力になってくれるのかな?」という期待が大きいものなんです。そんな視点で、一軍キャンプの人選も考えていました。やっぱり、新しい人がチーム全体の雰囲気を変えて、活性化させてくれますから。

――昨シーズン、先発、中継ぎに活躍したアルバート・スアレス選手やベテランの雄平選手の退団はありましたが、アンドリュー・スアレス投手やコール投手の加入もあり、戦力的には上積みされたような印象がありますがいかがでしょうか?

髙津 開幕直前の現時点では何とも言えません。実際にシーズンが始まったときに本当にそう思えたらいいですけどね。若手に関しても、ドラフト2位の丸山(和郁)がいて、プロ2年目の(内山)壮真、3年目の長岡(秀樹)、4年目の濱田(太貴)が頑張っている。それでも今はまだわかりませんね。

――キャンプ終了時点で「このキャンプのMVPは壮真だ」と発言されました。これまでのインタビューで、監督が個人名を挙げるのは珍しいことだと感じました。

髙津 そうですね。たとえば、青木宣親、山田哲人、村上宗隆は、全員でひとくくりのグループだと思っているので、特定の選手名を挙げるのは好きじゃないです(笑)。今回の壮真に関しても、本音は個人名を挙げたくなかったけど、浦添キャンプメンバーの中で最年少でもあったし、キャンプ、オープン戦と頑張っていたので、今回は彼の名前を挙げました。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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