2022東京ヤクルトスワローズ髙津流 熱燕マネジメント

開幕3連勝からの4連敗――
ペナントレース開始時の監督としての気構え

さらに責任の重さを感じている就任3年目

――さて、就任3年目の今季のチームスローガンは「熱燕 ―NEXT STAGE― TEAM SWALLOWS2022」と決まりました。3月12日に行われた出陣式でも触れられていましたが、改めてこの言葉に込めた意味、思いを教えてください。

髙津 「熱燕 ―NEXT STAGE―」と決定した後に、「TEAM SWALLOWS2022」とつけ加えてほしいと頼みました。去年の「絶対大丈夫」のときにも言ったけど、「我々は一つのチームである」ということをより強調したかったからです。球団関係者もそう、ファンの方々もそう、スワローズに関わっている人はみんな一つのチームなんだ。そういう思いを込めています。

――「NEXT STAGE」は当然、「連覇」ということになりますね。

髙津 前回も言ったように、僕の中では「連覇」という考えはまったくありません。そんなに簡単なことではないのはよくわかっているので、目の前の戦いを一つ一つ、全力で戦っていく。ただ、それだけです。

――就任3年目の今シーズンは心境の変化、あるいは「慣れ」のようなものはありますか?

髙津 「慣れ」のようなものはあるかもしれないですね。ただ、年々、責任は重くなっている気はします。「もっと自分がしっかりしなければ」とか、「自分が勝敗のカギを握っているんだ」とか、「きちんと選手を育てなければ」とか、そういう気持ちは毎年強くなっている気がします。

――前年最下位のチームを引き受けた就任1年目には、亡くなられた野村元監督から「失うものはないのだから思い切ってやればいい」とアドバイスをいただいたと聞きました。前年日本一になって迎える就任3年目の今季は、これまでとは違うプレッシャーがあるのでしょうか?

髙津 その点に関しては去年の開幕時と心境は変わらないです。「選手たちはさらに頑張ってくれるだろう」という期待と、「本当に勝てるのか?」という不安と、去年とまったく一緒です。その点は何も変わらないですね。

――現時点で、ペナントレースの展望、青写真はどの程度描いているんですか?

髙津 「とにかくAクラスにしがみついていく」とか、「夏までにこの位置にいたい」とか、すごく大雑把なイメージですね。具体的なビジョンというよりは、さっきも言ったけど、「目の前の試合を大切に戦い抜く」という思いの方が強いです。これからもそんな思いで戦っていきます。引き続き、「応燕」をよろしくお願いします!

 

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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