トランスジェンダーで男性の時は空手家だった、クイナ(水鶏光)役の朝比奈彩。三吉彩花とともにドラマに花を添えている。モデルを中心として活動を続けて、映像界にも進出している。このドラマをきっかけとして大きく飛躍するだろう。
ゲームの途中で左足のひざ下を失った高校生・ヘイヤ(塀谷朱音)役の恒松祐里もその美貌とともに存在感を見せる。Netflix配信ドラマ『全裸監督』season2(2021年)におけるセクシー女優役に加わる飛躍台となった。元自衛官のアグニ(粟国杜園・役名、青柳翔)とともに、敵方の殺し屋を狙う。
Season2の最後のゲームに勝ったアリスやウサギら生き残った者たちに、「わが国の国民を得るかどうか」つまり今際の国の住人として暮らすかの選択権が与えられる。
Season3は、アリスとウサギはじめ国民になることを拒否した者に対する、国民として残った者からの挑戦である。Season2のラストシーンで、アリスたちは現実の病院のベッドで目を覚ます。彼らがゲームを闘っていたと思っていた長い時間は実は、1分程度だった。つまり、彼らは巨大な事故によって「臨死体験」をしたのだった。
目覚めた彼らは、ともにゲームを闘った一員同士でも、病院ですれ違ったり病床に横たわったりしている人物を見ても、誰かわからなかった。
ラストシーンの病院の中庭のテーブルの上におかれた「joker」のカードが、season3の伏線となる。
今際の国民になることを選んだ、バンダ(盤田素那斗・役名、磯村勇斗)がゲームの強い相手がいなくなって、ヤバ(矢場旺希・役名、毎熊克哉)とともに、さまざまなゲームを勝ち抜いたアリスをこちらの国民に呼び寄せようと企む。
そのために、今では大学院生でアリスの妻となっている、ウサギを利用することにしたのだった。ウサギは、失踪した父に会いたい気持ちをアリスに隠していた。今際の国に行っても探し出したいと考えていたのだった。
「臨死体験」を研究している、大学の助教・リュウジ(松山隆二・役名、賀来賢人)を利用して、彼とともにウサギ(土屋)をまず今際の国に誘い込む。
アリスは、警視庁鑑識課のアン(三吉彩花)の力を借りてウサギを追って、またあの国に舞い戻る。
season3のゲーム名もまた「おみくじ」「ゾンビ狩り」「かんけり」……など名称自体は単純である。しかし、再び死闘が繰り広げられる。
今回の見せ場は、アリスとウサギが別々に今際の国に入ったがために、合流するまで「アリスチーム」と「ウサギチーム」と別れてゲームを闘うところにある。
さて、ふたりはともに現世に戻ることができるだろうか。
ラストシーンで、season1とseason2に登場した懐かしいアリスのチームのメンバーたちがそれぞれの今を語るのが美しくもあり、胸を打つ。
しかも、season4を予感させる伏線も張られている。
最後に、『今際の際のアリス』シリーズの世界かつ日本のかくかくたる人気のデータを集めて、その作品にぜひ触れてもらいたいと思う。
Season1は、2021年1月には世界の視聴者数が1800万人を超えた。Season2は配信直後に世界のトップ10で、初登場で1位にランクインした。世界90ヵ国でもトップ10入りしている。
配信から1カ月後には、日本作品としては最高となる視聴時間2億時間を突破。日本のトップ10では14日連続で連続1位を獲得した。
season3は、世界トップ10で初登場2位となり、2週目には1位を獲得した。国内ランキングでも、2025年9月22日~28日までの間に1位になっている。これにともなって、season1も7位、season2も9位である。
壮大な世界観と、登場人物たちの内面の多様性と変化が世界をとらえている。もちろん、コミックとゲームという、日本の得意分野の融合はいうまでもない。