ここまでくると、仕事とは何か、あるいは仕事をどうとらえるべきか、というある意味で哲学的な問題にすらなってくるのだろう。
そもそも仕事の適性など、しばらくやってみないとわからない。特に経験を積んでいない若い世代は、特別な技能や資格をもっていない限り、すぐには判断のしようがないものであろう。著者はこう記す。
思いがけない偶然のきっかけがその人のキャリアを形成していくというケースは洋の東西を問わずよく語られることである。大げさにいえば、それが人生である。ラグビーボールのように思わぬ方向に転がっていくのが人生の醍醐味ではないだろうか。
本書を通読して考えさせられるのは、職場で若い人を中心にこうした信じられない言葉が発せられるのは、本人の認識不足が最大の理由ではあろうが、働き方改革やAI(人工知能)の普及などで働く人の意識が変革期を迎えていることも一つの理由ではないか、という点である。これまでの価値観とは全く相容れない若手の発言にどう向き合うかは、それぞれの企業や職場の判断にもよるだろう。
新入社員を迎える季節が今年も到来した。“トンデモ発言”が出るような場合には、一定の折り合いはつけつつも、一人ひとりにしっかりと自覚を促し、組織として規律やガバナンスを再構築していく必要があるのかもしれない。